「結構濃厚なラテン系スリラー」失われた少女 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
結構濃厚なラテン系スリラー
14年前にパタゴニアで起こった少女失踪事件。懸命の捜索にも拘わらず見つかったのは被害者コルネリアが身に着けていたペンダントのみ、やがて事件は迷宮入りに。14年後コルネリアの親友だったマヌエラは、少女誘拐事件の解決に執念を燃やす刑事となっていた。ある日コルネリアの遺品を携えて訪ねてきたコルネリアの母クララにコルネリアの捜査を再開するよう迫られたマヌエラは上司に内緒で捜査を始めるが、その先には深い闇が横たわっていた。
香港や韓国で映画化しそうな題材ですがところがどっこいのアルゼンチン映画。マヌエラが捜査を進めるにつれて次第に明らかになる愛憎入り混じる事実が実に濃厚なラテン風味。人物描写が舌足らずなのでドラマの中盤からクライマックスに至るまでの展開がかなり拙速ですが、冷たい質感のバイオレンスが積み重ねられた後に訪れる深い余韻が残る結末が個性的で、なかなかの掘り出しものでした。
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