「自転車二人乗り常習犯の南さん」無限ファンデーション bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
自転車二人乗り常習犯の南さん
大会を目指す高校演劇部の中で起きる、女子達の揺れ動くココロと、ぶつかり合う想い「ひと夏分」を、「まるでドキュメンタリーなタッチ」で描いた、ゆーーーるい進度の物語。まぁ、とろい。話が進むのが。で、ネガポイントはそれだけ。ちなみに演劇部には男子も一人いますが存在ユーレイ。
一般的な価値観からは3★以上の評価は、おそらくありえないと思う完成度だと思うけど、どうしても嫌いになれない。どころか、大好きだと言いたいし、2回目も3回目もアリです。
理由は二つ。
まず「西山小雨」さんの歌が素晴らしすぎる。この映画で存在を知りました。弾き語りのウクレレと透明声が、沁みる沁みる。ウクレレならジェイク・シマブクロの「In my life(Live ver.)」が大好きで、1日30回聞いても飽きないくらいだったけど、ジェイク超えてます。彼女の存在はオカルト・ファンタジーですが、ラストのピアノ弾き語りとか泣いてしまう。もう、この人の存在が天使(ルックスは微妙です)。小雨そぼ降る夜のリサイクル工場で、ちょこんと座って背中で弾き語る姿とか、完全にココロ奪われました。ずっと聞いていたい。
二つ目は「南紗良」その人。「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」も、そうだったが、独特の世界観に私たちを引き込んでしまう、奇妙な何かを持ってる。としか表現できない。特別な美人でもなく、特別可愛くもなく、芳根京子みたいに演技力がある訳でもないのに。緩い展開の中で、ぽつぽつとしか出て来ないセリフが「待ててしまう」から不思議。
ゲに恐ろしきは女子の嫉妬なり、な展開には、ちょっと困ったが、ちゃんと収束、大団円。ドジって事故死した「小雨ちゃん」の透き通った歌声に涙した後だが、一つだけ注意させて下さい。なんぼ田舎道だからって、あなた、また二人乗りですか?今度見つけたら補導します。
MOOSIC LAB 2018 9作目、これでお終い。ってことで総括。
① 「左様なら」3.5★ (志乃ちゃん系)
② 「無限ファンデーション」3.0★ (志乃ちゃん系)
③ 「ドキ死」3.0★ (ストーカーコメディ)
④ 「デッド・バケーション」2.0★ (ルームロンダリング系)
⑤ 「ゆかちゃんの愛した時代」2.0★ (吉本系明るいコメディ)
⑥ 「日本製造」2.0★ (劣化タランティーノ)
⑦ 「普通は走り出す」1.5★ (栃木県大田原のウッディアレン。もしくは所ジョージ)
⑧ 「内回りの二人」1★(ちょっと長めのアイドルMV)
⑨ 「松永天馬殺人事件」0.5★ (知性不足を露出し続ける単に下劣なフィルム)
4作くらい見損ねてます、多分。