「合併と合体」記憶にございません! kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
合併と合体
好きなタイプと聞かれたら、石田ゆり子よりも吉田羊を選んでしまう。イヤリングを外すシーンはこれから始まることを予想させる淫靡な瞬間。ガウンをガバっと広げるシーンなんて広瀬すずをも想起させるし、記憶がなくてもコロっといっちゃいそうだ・・・と妄想させる。
さすがに『ギャラクシー街道』よりも出来の悪い作品にはならないだろうという安心感もあり、冒頭の「記憶にねーんだよ!」と開き直った悪徳総理の演技だけで満足できる。現代政治の風刺をたっぷり込めてあるのかと思いきや、そこは忖度したのだろうか、わざとらしいまでにスマホではなく折り畳み式のガラケーしか登場しない。構想13年とか、消費税並みの支持率からすると、やっぱり石川県の誇る(または恥じる)森喜朗をイメージしたものじゃなかろうか・・・
記憶をなくし、良い総理になろうと消費税引き下げや、それを実現させるために大企業の法人税を上げればいいとか、なかなかいいことを言う総理。三権分立から再勉強始めたにしては結構知ってるじゃないか。金と権力、お友達とのしがらみ、それらを断ち切ればすっきりするんでしょうけど、歴史は繰り返すものだし、未来になってから「クリーンな政治家がいたよな」くらいにしか思い出されないのであろう。
しかし、時代やモデルとなった人物がそうであっても、体質なんかは現在の政治家たちに当てはまるのも面白い。草刈正雄の10年続いた官房長官が実権を握ってるところも面白いし、政界のドンと呼ばれてるのかもしれないなぁ。
久々に良い映画を作ってくれた三谷監督。ただ、スベリ気味のギャグも多く、三大中華珍味なんてフカヒレ以外忘れ去ってしまった。笑いの全てが中井貴一に持っていかれたような印象です。
あれがROLLYの素顔なのか!有働由美子違うくねぇ?などとキャストにもびっくりでしたが、細かな点では、医者の胸ポケットにカラフルなペンが刺してあったことや、秘書の迫田孝也のネクタイが派手すぎるところにもクスっと笑える。しかし、それは最後の草刈正雄の派手なアロハで持っていかれてしまったかな・・・
すごくいいレビューで羨ましく
思ってしまいました。
私もこういう感じで見たかったです。今は政治ネタで笑うのは難しかったです。ww 有働さんはもうほんとびっくりです。エンドロールのあと見直しましたもん。映画館なら へ?ってなったままだったと思われます。