「大筋では面白いのだが…」記憶にございません! LQさんの映画レビュー(感想・評価)
大筋では面白いのだが…
史上最悪の総理が記憶喪失となって生まれ変わり、一切のしがらみなく改革を進めていくという設定は大衆向けの映画として面白く5点満点。
このタイプの映画で重要なのはリアリティ。0か1でもなければ白か黒でもない政治という複雑な世界観にどれだけ説得力を持たせられるかが鍵となる。それによって全体に散りばめられたユーモアが効いてくる。実際、序盤を中心に笑えるシーンは多かった。
しかし…監督・脚本の三谷幸喜、この映画を小学校低学年向けに書いたのだろうか。中盤以降、本当にしょうもない茶番脚本によって現実に引き戻されてしまった。
なぜこんな脚本になったのか。書いてる途中で面倒くさくなったか、あるいは監督自身も記憶喪失になって小学生時代のギャグセンスに戻ってしまったのか。
いずれにしろ大筋では面白かったが、最終的には「くっだらねー」といういつもの感想で上書きされてしまい、紛ごうことなき安定の三谷幸喜映画である。
コメントする