「【ドタバタ政治コメディかと思いきや、琴線に触れる場面が随所に描かれる中年男自身とその家族の再生物語であった。】」記憶にございません! NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【ドタバタ政治コメディかと思いきや、琴線に触れる場面が随所に描かれる中年男自身とその家族の再生物語であった。】
ー 優れたコメディ映画は笑いと琴線に触れる場面のブレンド具合が重要だと思う。又、笑いにはブラックな笑い、シニカルな笑い、エキセントリック笑い等々様々な笑いがあることも万民が知っていることである。ー
1.前作、三谷監督はシュールでエキセントリックな笑いに挑戦した。
ーで、大変な目に会ってしまった・・。ー
2.今作は前半からくすくす笑える場面が随所に正攻法で出てくる。良い感じである。
3.頭に石をぶつけられた後の黒田総理の言動の数々とそれが後半の場面に効いてくる設定の上手さ。
・さくらんぼの陳情団とのやりとりと、その後のアメリカンチェリーの件
・SPの方々にも食事を摂るように勧める場面と、後半総理の危機を阻止するSPとの関係性
・アメリカ大統領とのゴルフの場面での総理と官房長官とのやりとり
・自らがオカシイと思うことをおずおずと、けれど実権を握る官房長官の脅しに怯むことなく突き進む総理の姿を見て、徐々に彼の人柄に惹かれていく側近やゴシップライター達。
◆そして、最後に三谷監督の脚本にやられるのだが、決して悔しくない。
楽しく騙される。(まあ、ちょっと予想できたけどね)
<三谷監督のコメディセンスは枯渇しておらず、幅が広がってきた事を確認できた事を素直に喜びたいと思った作品であった。>
<2019年9月13日 劇場にて鑑賞>
コメントする