「コレじゃない感がすごい&正史にして欲しくない」コードギアス 復活のルルーシュ Kさんの映画レビュー(感想・評価)
コレじゃない感がすごい&正史にして欲しくない
小3からずっとギアスを、ルルーシュを追い続けてきました。復活はその当時からずっとずっと、願い続けてきたことでした。
亡国等番外編は観ていませんが、TV放送と劇場3部作は週1で通いましたので、シャーリーが死なないことは知っていました。C.C.の願いが叶えられていないことから、本作はある程度C.C.の為の物語であり、またシャーリーが生きていることから、(ユフィは仕方なかったとしても)叶わなかった幸せを叶える補足なのだろうと考えていました。
作画については言うことありません。ぬるぬるというか、すごかったです。が、正直内容に関してはルルーシュ復活まで、戦闘に関しては(何とは言いませんが)1周目までが興奮のピークでした。
結論から言うと、圧倒的に足りないのは「時間」だと思います。R3でやってくれ…
戦況は。敵の総力は。どこでどうなって、なぜその問題が起きている?相手はなぜ敵になった。なぜ一年という平和の後に争いを起こした?シャムナらはどんな王で、そこに住む民はどう考えているのか。ギアスは、ルルーシュは、「相手にも相手の考える正義があること」を教えてくれるアニメでした。ですが、本作では多少描写はあるものの、ナナリーを攫った単なる敵で終わってしまいます。
あと、泣けるであろうシーンの後に即戦闘シーンを持ってくるので、余韻がなく、泣けそうで泣けなかったです。あとちょっとで涙出そうって時に戦闘とか別シーンに切り替わる。KFMはカッケー!って興奮したいし、悲しいシーンはその問題解決の難しさも噛みしめたいのに。
あと、Hitomiの音楽どこへやった(本音)!?というか、Hitomiの挿入歌を流せるほどの余裕もない。
ルルーシュとC.C.がともに生きていくという結末はいいです。C.C.の願いもあるし。
でも、あんな森の中「二人で孤独に生きる」みたいなのを求めてた訳じゃなくて、公に暮らせないにしても、ナナリーやスザクのことを見ていられる場所に、ルルーシュはもう老いないけど、スザクが老いた後はまた会えるくらいの距離感にいてほしかったなと。まぁここは凄く願望ですが。
ゼロレクイエムはそれしかなかったし、それが「話し合いという一つのテーブルにつく」ための最善策だと理解できました。でも、戦いを資源とするような国はジルクスタンだけじゃないでしょう。今回の騒動はルルーシュの築いた『明日』の崩壊の始まりであって解決じゃない。なんなら、事が起きたときスザクではダメなのだということを知らしめた。なのに、前線を退くという選択に、魔王としてのルルーシュではなく、今までになかった人間的な落ち着きのようなものを感じて、不死になったはずなのに普通の人になったなぁと悲しくなりました。あの高笑いも今作中出てこなかったし。
もう彼は、小学生の自分が憧れた彼ではないのだなと絶望した作品でした。