「脚本に偽善を感じる」新宿パンチ ニックルさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本に偽善を感じる
覚醒剤はそんなに簡単に辞められるものなんだろうか、スカウト組織は背後にヤクザがついていて、社長は組織の事を「臆病者は群れるしかない」と形容するが、実際そんな甘い世界観なんだろうか?スカウト組織を善の側に位置づける事が良いとは思えなかった。
実際、スカウトした女の子をシャブ漬けにしてしまってるわけで、そういう自分の行動のリスクを計算できない方正という主人公が最終的に救われてしまうというストーリーは例えば『東京難民』なんかと比べれば甘いを通り越してスピードワゴン級。
ルミは自分を助けた男を家に向かい入れるが、セックスは許さない。どんな貞操観念の女なのかが全然分からないのが、後半になって自分の不幸は軽薄な行動が招いた結果であるという理由が明かされる。だとしたならばここまでのルミの芝居の中でセックスをしたいという欲求が見えない事がリアリティの欠如に繋がっているのかと思う。
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