「エンタメ感を前面に押し出した第一級の作品です!」スパイダーマン ファー・フロム・ホーム マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
エンタメ感を前面に押し出した第一級の作品です!
アベンジャーズロスも冷めやらぬままに公開されたスパイダーマンの新作には多いに期待をして鑑賞しました。
で、感想はと言うと…凄い! やっぱりスパイダーマンはスゴ面白い!
「アベンジャーズ:エンドゲーム」の後日談でスパイダーマン = ピーター・パーカーの夏休みの旅行先の話ではあるが、これが見事に青春映画とアクションヒーロー作品が融合している。
マーベル・シネマティック・ユニバースの単体作品の中でもスパイダーマンはアイアンマンと並んで、高い完成度を個人的には誇っていると思っているのですが、これはかなり凄い。
個人的な難点は上映時間135分とMCUの中では特に長くもないのにミステリオの野望が明らかになるまでが少し中弛みを感じるぐらい。
後はこの作品の最大の魅力とセールスポイントでもある劇中の3D技術の幻影が有ることで何処までが真実で何処までが虚空なのかと言う点。
途中から何処まで信用して良いのか分からなくて、エンドロールのニック・フューリーのバカンスも何処まで信用して良いのか分からない状態w
幻想映像技術、怖いですw
とは言え、この3D技術による幻想がこの作品のアトラクション感を高めていて、USJのアトラクションかと?思わんばかりの映像魔術。
この仕掛けが最初から分かってたら4D IMAXで観るんだったと軽く後悔しました。
オープニングのMCU映像のBGMがホイットニー・ヒューストンの「I'll always love you」になってる所から何故かワクワクして、ポップでハイテンションで何処かキュートで、胸熱なスパイダーマンが始まる事にテンション上がりまくり。
MCUの中でもとびきりポップでエンタメな作品なのにカメラワークも劇中に流れる音楽も良い良い♪
今までのスパイダーマンが“大いなる力には大いなる責任を伴う”と言う作中の主題に振る舞わされて感じで暗い影を秘めた形になってましたが、その思いを振り払う様に明るさを前面に押し出した感じは青春映画の形を上手く形成し、今までのスパイダーマンとMCU作中の中でも一線を画す形になってて良い副作用にも思います。
「インフィニティ・サーガ」のラストを締めくくり作品でアイアンマン = トニー・スタークに替わるMCUキャラが出てもおかしくないのに、特に出さなかったのも好感度高い。
ミステリオが最初に出てきた時は“ん? ドクターストレンジか?”と思いましたがw
ピーター・パーカー役のトム・ホランドは歴代のピーターを担当した俳優の中でもピカイチな位にハマってるかと思いますが、MJ役のゼンデイヤにちょっと違和感。
かと言って、初代スパイダーマンのMJ役のキルステン・ダンストは最後まで違和感あったしw、「アメイジング・スパイダーマン」のヒロインのエマ・ストーンは個人的に合ってたけど、MJではなくグウェンなんですが、なかなかMJ役は難しいw
でもピーターをサポートするハッピーも友人のネッドもメイおばさんも良い感じ。
なのに、ニック・フューリーの立ち位置がもう一つ分かりずらいんですよね~w
いろんな伏線の出し方も上手いし、また次回の振り方も上手い。
ラストでの次回の予告とJ・K・シモンズの登場も本来のスパイダーマンへの回帰の伏線になって、ドキドキのワクワクもするし。
MCUを語る上でアイアンマン = トニーの存在は外す事は出来ないし、また変に隠してもおかしい。
劇中でもアイアンマンの偉大さは随所に描かれている。
多分、この辺りは今後MCUを製作していく上で呪縛の様にのし掛かってくると思いましたが、その呪縛を解き放つ可能性を秘めた今作が「アベンジャーズ:エンドゲーム」の次に公開されたのは嬉しい限り。
スパイダーマンに多いに期待しても良いのではないでしょうか。
MCUの新たなる可能性として、青春映画としても、アクション映画としても第一級の作品でまたもやハリウッド超大作のプライドを見た感じ。
満足のいく超絶ナイスな作品です♪