「鉄の意志を継ぎ、少年はヒーローとなる!」スパイダーマン ファー・フロム・ホーム しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
鉄の意志を継ぎ、少年はヒーローとなる!
マーベル・シネマティック・ユニバース第23作。
スパイダーマン・シリーズ(MCU版)第2作。
Dolby-CINEMAで鑑賞(3D,字幕)。
原作コミックは未読です。
「アベンジャーズ/エンドゲーム」での圧倒的なフィナーレは、文字通り世界中を席巻し、MCUの壮大なサーガはここに華々しい一区切りを迎えました。
その興奮冷めやらぬ中、終幕後の世界を舞台に本当のエピローグと新たなる始まりを描いた本作、その面白さたるや申し分無いほど。ありがとう、スパイディ!
サノスへ究極のアベンジを果たしたヒーローたちでしたが、予想外の尊い犠牲も。アイアンマン/トニー・スタークの死は世界中の人々の心に深い悲しみをもたらしました。
スパイダーマン/ピーター・パーカーもそのひとり。トニーが生前最も気に掛けていた少年であり、その最期を看取った彼もまた、トニーのことを大変尊敬していました。その喪失感たるや如何ばかりか。しかし、悲しみに浸ってばかりもいられない。だって、楽しい夏休みが始まるから!
仲間たちとのヨーロッパ旅行で大好きなMJに告白したい!
青春だ!初恋だ!胸キュンだ!いいなぁ…(笑)。
ところが、ニック・フューリーが異次元から来たミステリオ/クエンティン・ベックを伴って現れたことで状況は一変。エレメンタルズが来襲し、地球が危機に瀕していると言う。
世界の危機を救うため、今しか経験出来ない青春の日々と、ヒーローとしての使命を天秤に掛けたスパイダーマン/ピーター・パーカーの新たな戦いが幕を開けました。
敵の正体に「やっぱり悪いヤツだったのね…」と驚きませんでしたが、仲間のひとりに口がアングリ。過去作のさりげないシーンを伏線に仕立てた手腕にたまげました。
完全に騙されたピーターは、トニーから託された防衛システム「イーディス」を渡してしまい、それがMJやネッドたち、さらにはフューリーらの命の危険を招く結果に。
己の未熟さを悔やみ、トニーが本当に託したかった想いを知ったことでひとまわり成長。覚悟の末スパイダー・スーツの改造に勤しむ姿はトニーを彷彿とさせ、見守るハッピーの優しさと懐かしさがごちゃ交ぜになった眼差しにグッと来ました。
ここに、鉄の意志の継承、成る。
縦横無尽に繰り出される迫力のアクションに釘づけになりました。クライマックスの大バトルが胸熱の極みでした。
ホログラムを駆使する敵が斬新でしたし、虚像が生み出す摩訶不思議空間の攻撃に苦しめられながらも、「ピーター・ティングル」をフル活用して戦う姿がカッコ良かったです。
今回初体験のドルビーシネマ・3Dが醸し出す圧倒的な音響と高精細な映像によって、何倍にも興奮が増幅され、映画の世界に引き摺り込まれました。至福の時間でした。
ピーターとMJ、お互いに気持ちを伝え交際開始でめでたしめでたし、と思いきや、ラストにいろいろとぶちこまれて大混乱。いったいこの先どうなっちゃうの!?
あらすじや予告編からしてフェイクまみれでしたが、マルチバースに関しては「ドクター・ストレンジ」でも触れられていたし嘘では無いと思いますが…。その証拠なのか、旧シリーズでお馴染みのあの方らしき人物が登場しましたし。
なんにしても、波乱の展開が待ち受けているのは必至。どっちに転がってもとんでもないことになりそう。どうなる、どうするスパイディ。隣人からヒーローへと進化した彼を信じるしかありません。ますます目が離せなくなりました。
[以降の鑑賞記録]
2020/01/19:Ultra HD Blu-ray(字幕)
2022/03/06:Netflix(吹替)
2023/11/03:金曜ロードショー(地上波初放送)
※修正(2023/11/03)