「盛り上がりに欠ける」ターミネーター ニュー・フェイト kuuruさんの映画レビュー(感想・評価)
盛り上がりに欠ける
「T3」以降迷走を続けるターミネーターシリーズの最新作。
何かもう新作発表時が一番盛り上がるんじゃないかと思う本シリーズですが、ジェームズ・キャメロンが製作に復帰してもダメでした。
とにかく新規のキャラクターに魅力が無く、特に新たなサラであり、ジョンでもあるダニーが酷い。
チビで見栄えも良くないし、眉間に皺を寄せて喚き散らす様は人類をまとめ上げるカリスマには全く見えない。ポリコレに毒された結果の「自立したたくましい女性」アピールが最初から最後まで鼻につく。まともな男性キャラは皆無で、女だらけの珍道中状態。そもそもなんで主人公がメキシコ人なんだ。
また、映像的に派手にしたかったのか分かりませんが、限られたリソースの中で逃亡・反撃を行っていた4以外の過去作に比べ、空軍少佐が手を貸してくれて飛行機やら武器やらを手に入れるなど妙に恵まれているのも気になる点。それだけ敵が強いってことなのかも知れませんが、なんか緊迫感に欠ける。というかそんなツテがあるのに国境警備隊に捕まってるのがアホ過ぎやしませんか。そもそもいくら旧知の仲とはいえ全米で指名手配されてて収容所でも特別扱いされるサラを堂々と軍基地に連れ込むとかどんな神経してんのかと。
そしてそこまでやった割にラストバトルはなんか地味。1、2の「逃げ続けたけど逃げ切れなくなってやむなく反撃」という感じが薄く、戦闘能力の無いダニーが「野郎ぶっ殺してやる!」と言わんばかりに息巻いておきながら本人が何もしないのが本当に格好悪いなぁと。
観てる側としてはダニーとグレースより、歴史が変わった結果、時間に取り残されたサラとT-800が「T2」の幻影に引っ張られる自分たちの姿と重なり過ぎて、ダニーとグレースのキャラクターとしての魅力の無さと相俟って、凄い疎外感を感じるんですよ。どれだけ頑張っても蚊帳の外というか。既に続編の構想があるみたいですが、ダニーが主役続投なら流石に観たいとは思えない。最も興行成績が全く伸びなかったようなので、そもそも素直にこれの続きが作られるかは疑問ですが。