「総集編としても如何なものか」フレームアームズ・ガール きゃっきゃうふふなワンダーランド tukigawaさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0総集編としても如何なものか

2019年7月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

まず第一前提として「この作品はTV版を再編集した総集編作品である」というのと「TVアニメ本編を見てから見ること」を念頭に置いて話をしたいと思います。
正直なところ、「たとえ本編を見たうえで見たとしても総集編としてもあまり出来は良くない」と感じました。

最初のシーンはもとより、いざ振り返りが始まると時系列順でもなく、ただひたすら思い出したシーンを行きあたりばったりでその場そのままで振り返っているような、唐突さが目につきました。

私自身、TVアニメ本編はリアルタイムで視聴していたため、なんとなくそうなった経歴は覚えていたのですが、それでもバトルシーンが終わったと思ったら急にキスシーン(恐らく表題のきゃっきゃうふふシーン)にのまとめに入ったり、皆の思い出振り返りと称して唐突なシーンの切り抜きのMAD見たいなシーンが挟まれたりと、いくら思い出を振り替える総集編であっても首をかしげる場面が多かったです。

また、振り返りもそこそこの場面で歌唱パートが挟まれたりするのもモヤっとする場面ではありました。

思い出の振り返りなんて行き当たりばったりなもの、と言えばそうかもしれませんが、それはあくまで「個人間でのやり取りの中で起こりうる事」であり「総集編として物語(思い出)を振り返る」という括りの中ではあまりにも不親切です。

それに“思い出の振り返り”にしても「それぞれのキャラが思い思いに思い出のシーンを出してくる」のではなく、「轟雷とあおを主軸にして振り返る」という形にして“時系列順に振り返る”方がわかりやすく、また、ご新規さんに薦めやすくなるので、そちらの方が良かったのでは…と思いました。

これはあくまで個人的な主観ですが、総集編は「見てきた人に作品を振り返ってもらうための作品」であると同時に「後から興味を持った人に簡単に世界観・ストーリーに触れることが出来る作品」であるのが望ましいのではと思っています。

そして数ある総集編の形の中には、本作のような「TV本編を振り返る」の物も多くありますが、その形式の作品も「後日談のストーリーの中で本編の出来事を振り返っていく」という筋書きの中で話が構築される物などの、非常に見やすい形式の作品もあり、それ故に本作の「とっ散らかりぶり」が非常に目につき残念に思いました。

最後になりますが、正直この作品は"なんであれ楽しめる"重度の「FAガールファン」でないと十二分に楽しむことは難しいと思います。

tukigawa