「大阪なのが良い」ごっこ ニックルさんの映画レビュー(感想・評価)
大阪なのが良い
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これが東京の映画ならリアリティは皆無だったかも知れない。
大阪の下町の人たちは落伍者であるジュニアにも親切である。柄の悪いおっさんも、スーパーで遊ぶ子供やそれを諫めないジュニアに注意したりと意外とまっとう。考えを見ず知らずのにぶつけるという人情がまだ残っている土地なのだ。
ヤクザでさえも、ジュニアのために年金詐欺で自殺する父親に協力してあげたりと、人情と地獄が東京とは別の文脈で繋がっている。ある意味外国。外国人にウケが良いのは東京より大阪だというのは納得。
ちょっとうーんとなるのは、子供は出会ってすぐにジュニアをお父ちゃん呼ばわりしたりと、一見相当酷い虐待を受けている様子なのだけど、そういう風貌にはあまり見えないし、ちゃんとしたコミュニケーションがすぐにできるということは相手を信頼してる。ジュニアに懐く事で過剰に子供帰りするという風でもない。また、いいとこのお嬢ちゃんにどうしても見えてしまうという感はある。まぁ話がよくできてるからスルーできはするのだけど。
また、ジュニアが働き出して、金がないのでヨヨ子とすれ違うとなるが、あの物流の仕事で家賃もかからないのにそこまで貧乏なのか?と思わざるをえない。貧乏なら児童手当とか今はあるだろうし。
そもそもヨヨ子に双子の妹がいて、臓器移植が必要だからヨヨ子が自殺しようとしていたという設定が明らかに厳しい。5才でそこまで考えれるのか、それも虐待の延長という事なのか。子役の子が役者さんに見えすぎるのもあってリアリティが感じられない。
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