「ほころびだらけの愛おしさ」ごっこ ruさんの映画レビュー(感想・評価)
ほころびだらけの愛おしさ
原作未読です。
まず公開までの道のりが大変だったそうで…。
作品そのものも、きっとほころびだらけで。
細かい設定が気になり、スクリーンからふっと心が離れそうになった時はあった。
でもまぁお話なんだからと意識を着席させ。
そこから完全に引き込まれるまでわずかだった。
城宮の独特の輪郭も、愛おしく思えてきて。
城宮がカレーを作るシーン。直前まで吹き出していた私、でも彼の両手はあのように動いてしまう。どうしようもない。
ラストシーン。
そこまで一字一句答え合わせしなくてもと感じましたが、あの場面は破片となった人生にチリのように浮かぶ希望をすべて集めた物かも。
だからきっと幻なのかも…でもどうか、夢でありませんようにと切に願っていた。
駅までの帰り道。歩道のタイルに、ちょこんと揃えた赤い靴が描かれていて(横浜だったので)何とも言えない余韻をもらいました。
少しの間、映画の魔法が解けないまま歩く楽しさ。街の中にある映画館の魅力を思い出した日でもありました。
ずっと観たかった作品を上映して下さり感謝。
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