劇場公開日 2019年11月8日

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「認められぬ天才を表す言葉と映像」永遠の門 ゴッホの見た未来 ノリック007さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0認められぬ天才を表す言葉と映像

2021年7月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

タイトルは、「永遠の門」で、神が人に授けた崇高で偉大な才能のことで、神がゴッホに授けた絵の才能のことです。
サブタイトルは、「ゴッホの見た未来」です。
「ゴッホの見た未来」とは、ゴッホが、永遠に残ることになるかもしれない絵画を通して、見た感動を分かち合えるようになる未来です。
ゴッホによって描かれた曲がりくねる線を映像化するために、レンズの上と下で被写界深度が違っている遠近両用メガネをアイディアにした、スプリット・ディオプターを使用して撮影し、演出してあります。

フィンセントは、絵を鑑賞する人、絵を購入する人のことを意識せずに絵を描いているから、認められなかったんだろうと感じました。
上司を意識せずに、仕事をすれば、成功しても、上司に認められることはなく、出世できないということです。
上司を意識して、仕事をすれば、成功しても、失敗しても、上司に認められ、出世するということです。

フランスでは、王族、資本家と労働者が、階級闘争を行い、外国と戦争し、植民地を獲得していたという時代背景が分からないと、理解できない映画です。
さらに、油絵と美術史についての知識も必要です。
一般受けするするように、何も知らなくても、理解できるように、分かりすく制作されている映画ではないです。
この映画は鑑賞するだけではなく、時代背景、油絵と美術史について調べることで楽しめるようになる映画で、絵画と同じです。
絵画を見て、好き、嫌いというだけでは、絵画を楽しめないです。
子供や絵画に興味のない大人は、絵画を楽しめないです。
絵画の時代背景や美術史について調べることで、絵画を楽しめるようになるということです。

フィンセントは、床に置いた靴を描くので、油絵の描き方が分かるようになっているところは良いです。
フィンセントは、絵画を描くことについて、画家ではないギャビー、牧師とポール・ガシェ医師に質問され、答えています。
画家でもない人向けに答えているので、分かりやすい答えで良いです。
フィンセントは、絵画を描くことについて、ポール・ゴーギャンと論争しているのことは、印象派からポスト印象派となり、現代美術に繋がる話なので、良かったです。
絵画について何も知らない子供たちが、絵画を見て、好き、嫌いというだけで、楽しめていません。
フィンセントは、狂人と話をして、「太陽の光」を描くことに気が付きます。

フィンセントが、パリからアルルへ引っ越したように、生活環境を変えると、人生も変わるものなのか試してみたくなりました。
引っ越すのは、大変ですが、長期旅行なら試してみたいです。

フィンセントの謎とされる死について、描かれています。

文化は、生活をより良いものにします。
芸術はなくても、生活はできます。
芸術と生活を結ぶ接点や芸術の価値を理解するのは、映画を鑑賞しても困難です。

ノリック007