劇場公開日 2020年10月2日

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「撮影者なき写真」ある画家の数奇な運命 MARさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0撮影者なき写真

2020年10月7日
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幸せ

芸術好きの叔母が、精神疾患を理由にナチスから粛清されてしまった少年クルト。成長し、より芸術を学ぶため進学した大学にて出逢ったエリーに恋に落ちるが、その父親こそが…

といった、まさに数奇な運命を辿る画家の物語。

3時間越えの超大作!ながい!
私的には2時間10分を超える作品はよほど興味がひかれないかぎり見る気が起きないのですが、意を決し(?)仕事帰りの疲れた体で鑑賞を敢行!!

しかし、絵画等の芸術に疎い私でも充分に楽しめる作品だった。

芸術云々もそうだけど、ストーリー自体が面白く、長いがダレることなくスーッと観られる不思議。
とはいえやはり3時間。本作の目玉シーンともいえる場面に至るまでは、もはや序盤にだけ出てきてた叔母さんのことなどすっかり忘れてしまっていた(笑)

ストーリーとしては、辛い現実を手で覆い隠したくなる気持ちは誰にでもあろうことかと思うけど、叔母さんの教えに反するともいえるクセが、ラストに紡ぐまでの流れはまさに爽快。
確かに、これこそが彼がみた風景(真実)。

ただ、文字通りの「真実」に気づいたのは教授だけだったのかな?クルトはいかに。
絵画の中の彼が指さしてに教えようとしているようにも見えた。。

とにかく長い映画だったが、ナチスの悍ましさ、ソ連少佐との秘密の関係、社会主義にあえぐ芸術家の苦悩、エリーとの恋…等々、面白いと思えたポイントも多いし、意外にも笑わせにくる所があったり、各所に散りばめられたBGMもとにかく美しかった。
清掃するのも、これまた数奇な運命。

ベストシーンは、模写している時の風のいたずら。不意打ちのファンタジーだった。
あれはきっと叔母さんが…。

芸術に疎い私なので、理解しきれない部分も多々あれど、理屈抜きで素敵な作品だった。
いわば映画も芸術のひとつか。。

MAR
ねもちゃんさんのコメント
2020年10月24日

MAR様
こんばんは
MARさんのレビューを読み即!劇場に向かいました
鑑賞を悩んでいたのでこの素晴らしい作品を見逃さずに済みました!
本当にありがとうございました😊

ねもちゃん