ROMA ローマのレビュー・感想・評価
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時代やメキシコ風景、人間性を良く描いている
家政婦の目線から、時代、人間性、メキシコの街、郊外、海などが分かるように描かれている。
主人公を通して、周りの風景などを通してメキシコの世界に入り込む。
また、家族の優しさも感じる。
こういう映画は、映画館でその世界に入り込んだ方がいいと思います。
イオンシネマ新百合ヶ丘で鑑賞。
映画的な盛り上がりは皆無だけど
イオンシネマ板橋で観賞。
何が凄いって、とても静かに淡々と流れて行くのに、ずーっと観てられる。幾人もレビューに書き下ろしている通り、画が(特に構図が)尋常じゃなくキマッてる。モノクロなのに向こう側の色が感じられる映画ってそうそう無い。
大げさな演出や派手な爆発が無くとも、がっちり最後まで魅せてくれる。
そりゃアカデミー監督賞獲るわ…「グリーン・ブック」も勿論良かったけど、監督の力量としてはなんかこう、ケタが違うような気がした…
トゥモローワールドの原風景のような
初めの方は一体自分は何を見せられてるんだろう…と戸惑いましたが、
終わってみればまごうことなきアルフォンソ・キュアロン映画。
キュアロン「僕はこういう幼少時代を過ごして、そしてトゥモローワールドを作ったんだ」
と言ったかどうかは知りませんが、そんなことを言われたような気分になりました。
好みが分かれる
劇場公開初日に鑑賞。話題作のため楽しみにしていましたが、いざ始まると風景に気が散ってしまい作品に集中出来ない。人物の表情も解り難いため内容が全然頭に入ってこない。時間も長く感じて途中でzzz…残念ながらこの作品の良さを感じる事が出来なかった。
2019-42
女性の生き方
男は総じてクズ野郎
モノクロ映像で淡々と日常が映し出されるが、映像美がものすごい。
とある家政婦の半生を描くもので、悲劇的ではあるものの、まぁ時代的にそんな可哀想な人もいるよね、といった程度(それはそれで酷いが…)しかし、美しい映像と極力抑えた音楽が、映画の中に引き込ませる。
静かな静かな映画だ。しかし非常に丁寧であり、美しく、人生の悲しみと喜びを教えてくれる。
静かに本を読んでいる様な、映画体験
アルフォンソ・キュアロン監督は"天国の口、終わりの楽園"の印象が強くて、メキシコが舞台のこの作品も、カラフルな南米特有の太陽とか熱さとか、ねちっこい男女関係とかを描いているのかと想像していたがこれはまさかのモノクロ映画。
時間はひたすら淡々と静かに流れ、主人公の感情はラストまで解らない。穏やかと見せかけておいて、安心して観ていられるほど安全な作品ではないというか………
劇場公開時に改めて大きいスクリーンでも観たい!
激動の時代を、静かに
決して穏やかではなかった時代に、それでも日々を普通に生活を営む人々の息遣いを、静かに描いています。
多用されている長回しシーンが、より現実感を増長。
カラフルなイメージのあるメキシコを、あえてモノクロで撮ったのも、この静寂感と、誰かの回想であるようなイメージで美しい。
映像美を駆使した最高のドキュメンタリー
アカデミー賞作品賞にもノミネートされた作品でずっと気になっていたので鑑賞。自分のかなり好みの作品であった。
ストーリーはある家族とその家政婦の日常を描いたもの。
まず、特筆すべきはその映像美。カメラワークが秀逸で、音楽をあまり使わない演出とモノクロ映像は完璧にストーリーにマッチしていた。
日常を描いたものなのでストーリーに起伏があるわけではないが、その時代を生きる女性、子供と家族の関係性など見ていて感じ取れることは多い。
あまり多くを語らず、自分のことよりも他者を思いやるクレオの精神性はひしひしと伝わってくる。ヤリッツァ・アパリシオは表情や動作でクレオの感情を完璧に表現していた。
「万引き家族」にどこか通じるものを感じたが、"孤独感"や"愛情"といった普遍的なものを映像美を駆使して丁寧に描いた本作は鑑賞者の心に寄り添うものとなっている。
渇いた空気 車 犬 海のにおい
映像で五感を刺激されるという感覚を初めて強く受けました。ゼロ・グラビティもそうでしたが 土 水 空気の香りを感じさせるのがこの監督作品の真骨頂に思いました。波打ち際のシーンがドキドキ止まらない。
なんか、いい・・
決して幸せ満載ではないし
映画に興味が無い方には
最近はあまり見なれない白黒作品だし
多分退屈で難しい遠回しされそうな作品ではあるだろうけど
なんだろう・・私にはとても後味が良く
穏やかな幸福感さえ感じられた素晴らしい作品でした
自分の記憶まで引きずり出される圧倒的に美しいモノクロ映像
1970年メキシコシティのローマ地区、クレオは4人の子供がいる家庭で働く家政婦。炊事洗濯や子供の送り迎えと忙しい毎日の合間に恋人のフェルミンと会うのが唯一の楽しみ。ある日自分が妊娠しているかも知れないと気づいたクレオは思い切ってフェルミンにそのことを告げるが・・・。
時代設定に滲んでいる通りアルフォンソ・キュアロン監督が自身の子供時代の記憶に着想を得た半自伝的作品。かといって子供目線で描写しているわけではなく当時は自身が知りようのなかった大人達の事情を丁寧に補完することで個人的な物語に普遍性を持たせるかのような演出。全編モノクロ映像ですが恐らくは相当なCGと撮影テクニックを駆使したと思しき全てのカットが画期的に美しく、あちこちに転がる飼い犬ボラスのフンにまで郷愁が滲んでいるかのよう。物語の節々に影を落とす当時のメキシコを覆う不穏な政治情勢、国土の荒廃や天災がじわじわと身辺に忍び寄り、ついには慎ましく生きるクレオに容赦なく襲いかかる様を冷たく見つめる映像に胸が痛み、ある事故をきっかけにして誰にも語らなかったクレオの心情が露わになるカットで思わず涙が溢れました。
70年代のメキシコが舞台ですが時代の醸す空気感を忠実に再現しているので、自身の記憶に微かに残る昭和40年代の風景までが引きずり出されるかのような不思議な感覚も誘発されて忘れ得ない印象的な作品。登場する女性達が皆忍耐強く逞しい一方で、男達はどこまでも無責任でクズばかりという辺りに当時は監督自身無自覚であったであろう当時の唾棄すべき価値観に対する怒りも滲んでいるような印象を持ちました。それでいて所々で突拍子もないギャグを放り込んでくるラテンなシャレにビックリさせられたりしますし、重要な人物がシレッと画面を横切ったりするので淡々とした映像に油断していると作品の印象が全く異なるものになってしまうので要注意です。
感情に注目したい作品
家庭、親、祖母、子供達、家政婦さん
登場人物それぞれに感情があって
いろんな事情により揺れ動く
だからこそモノトーンで作品が成り立つのかなと思ったりします
”感情”そのものに注目するために
僕は最後の旅行から帰路につく車中で、社外を見つめるクレオの表情があれだけ生き生きと、吹っ切れた表情に感じられたのは、作品全体として感情に惹き込まれるからであって
ワンカットも長い(出産シーン、自宅の駐車場に車を止めるシーンなど)ですが、それも含めて感情に着目すべき作品かなと
淡々と流れる深みのある日常劇
モノクロの画面に描かれるストーリーは単純ながら決して飽きさせる事無く最後まで一気に観てしまった。
ワンシーン・ワンカットの長回しが多様されるが、本来長く感じる本編だが、あっと言う間に終わった印象が強い。
不思議な映画であるけど、本当に計算されたような画像の作り込み、センスが素晴らしいと思う。
最初タイトルでイタリア映画と思ったが、メキシコが舞台の今作。
昔のヨーロッパ映画を彷彿させる品格さえ感じる。
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