ROMA ローマのレビュー・感想・評価
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映像の力に圧倒され続けるキュアロンの超傑作
アルフォンソ・キュアロン!
時は1970年〜71年、舞台は激動のメキシコ。医者の父親と教師だったと思われる母親、そして祖母と4人の子供たち(長男が当時10歳だったキュアロンとシンクロ)。使用人は3人。広い家に車が2台。当時のメキシコでは結構裕福な家庭だろう。
物語は若い家政婦のクレオを軸に展開する。世の中の喧騒とは距離を置き穏やかに生活していると思いきや、この家庭にとっても激動の1年となった。
クレオの恋、妊娠、ご主人夫婦の危うい関係、などなど問題は絶えないが、雨降って地固まる予感が……
何しろ映像の説得力が凄い。他の作品とは一線を画す稀有な作品と言える。
祝アカデミー賞外国語映画賞、監督賞、撮影賞。
早くも今年の外国映画ベストワンの予感が……
とてもがっかりです。
(ToT)ウソはつけません、つまんなかった
時代やメキシコ風景、人間性を良く描いている
映画的な盛り上がりは皆無だけど
トゥモローワールドの原風景のような
好みが分かれる
女性の生き方
静かに本を読んでいる様な、映画体験
激動の時代を、静かに
映像美を駆使した最高のドキュメンタリー
アカデミー賞作品賞にもノミネートされた作品でずっと気になっていたので鑑賞。自分のかなり好みの作品であった。
ストーリーはある家族とその家政婦の日常を描いたもの。
まず、特筆すべきはその映像美。カメラワークが秀逸で、音楽をあまり使わない演出とモノクロ映像は完璧にストーリーにマッチしていた。
日常を描いたものなのでストーリーに起伏があるわけではないが、その時代を生きる女性、子供と家族の関係性など見ていて感じ取れることは多い。
あまり多くを語らず、自分のことよりも他者を思いやるクレオの精神性はひしひしと伝わってくる。ヤリッツァ・アパリシオは表情や動作でクレオの感情を完璧に表現していた。
「万引き家族」にどこか通じるものを感じたが、"孤独感"や"愛情"といった普遍的なものを映像美を駆使して丁寧に描いた本作は鑑賞者の心に寄り添うものとなっている。
なんか、いい・・
自分の記憶まで引きずり出される圧倒的に美しいモノクロ映像
1970年メキシコシティのローマ地区、クレオは4人の子供がいる家庭で働く家政婦。炊事洗濯や子供の送り迎えと忙しい毎日の合間に恋人のフェルミンと会うのが唯一の楽しみ。ある日自分が妊娠しているかも知れないと気づいたクレオは思い切ってフェルミンにそのことを告げるが・・・。
時代設定に滲んでいる通りアルフォンソ・キュアロン監督が自身の子供時代の記憶に着想を得た半自伝的作品。かといって子供目線で描写しているわけではなく当時は自身が知りようのなかった大人達の事情を丁寧に補完することで個人的な物語に普遍性を持たせるかのような演出。全編モノクロ映像ですが恐らくは相当なCGと撮影テクニックを駆使したと思しき全てのカットが画期的に美しく、あちこちに転がる飼い犬ボラスのフンにまで郷愁が滲んでいるかのよう。物語の節々に影を落とす当時のメキシコを覆う不穏な政治情勢、国土の荒廃や天災がじわじわと身辺に忍び寄り、ついには慎ましく生きるクレオに容赦なく襲いかかる様を冷たく見つめる映像に胸が痛み、ある事故をきっかけにして誰にも語らなかったクレオの心情が露わになるカットで思わず涙が溢れました。
70年代のメキシコが舞台ですが時代の醸す空気感を忠実に再現しているので、自身の記憶に微かに残る昭和40年代の風景までが引きずり出されるかのような不思議な感覚も誘発されて忘れ得ない印象的な作品。登場する女性達が皆忍耐強く逞しい一方で、男達はどこまでも無責任でクズばかりという辺りに当時は監督自身無自覚であったであろう当時の唾棄すべき価値観に対する怒りも滲んでいるような印象を持ちました。それでいて所々で突拍子もないギャグを放り込んでくるラテンなシャレにビックリさせられたりしますし、重要な人物がシレッと画面を横切ったりするので淡々とした映像に油断していると作品の印象が全く異なるものになってしまうので要注意です。
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