女王陛下のお気に入りのレビュー・感想・評価
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逞しき女性達の勝者無き覇権争い
女王と二人の側仕えの、皮肉たっぷりな宮廷愛憎劇。
闇の中、自然光や炎に照らされて浮かび上がる、コントラストの強い映像が、まるでレンブラントの絵のようで美しい。
きらびやかな宮殿や華美な装いの陰に、どんよりとねっとりと沈殿する欲、妬み、性。
内容にピッタリの色合いで、観客の印象を導いていく。
衣装、画面の切り取り方、章冒頭のサブタイトルのロゴ配置などは、現代的なスタイリッシュさも感じた。
実在人物らしいが、三人の女性のキャラクター対比も巧妙。
癇癪持ちで寂しく悲しく臆病な女王、サラの男勝りの気の強さと知性と辛辣さ、若く美しくずる賢く女の武器を駆使するアビゲイル。
各々が各々の思惑で、愛情を弄び思い通りにしようとすったもんだ。
コメディとの事だが、恐さやうすら寒さが先行しちゃって、私はあまり笑えなかった。馬鹿馬鹿しさを感じるシーンは多々あれど、笑うより呆れるというか、あーあ、って感じ。
ただ、三人共が良くも悪くも人間味たっぷりで、好意は持てないが、憎めもしない。
哀しく我儘な女王、傲慢ながら聡明でカッコいいサラ、底辺から必死に這い上がろうとするしたたかで逞しいアビゲイル。
反して、見目を着飾り、馬鹿馬鹿しい遊びに耽り、女達に翻弄されるばかりの男達の情けない事!
アビゲイルの狡さは女王も解っていたように思うが、何故サラを遠ざけ彼女を残したのだろう。
自らの本当の気持ちを汲み取らずに戦争継続に押し進むサラに、本当は危険を感じ取っていたのかもしれない。
どうせ心から自分を愛する者などいないのならば、今までの献身の対価として満身創痍のサラは放逐解放し、束縛し奉仕させるのは新たな生け贄に…という事だろうか?
所詮飼われる兎と同じ…。奉仕させる女王の虚ろな表情と、頭を押さえつけられ苦痛に耐えるアビゲイルに対し、もうイングランドにはうんざり、と強がりながら追放を受け入れるサラの目には、まだしも生気があった気がする。
道徳心を投げうって必死で争った挙げ句に、誰一人幸福そうでない結末が虚しい。
3人共に女優賞をあげたい。
不安な権力者
オリビア・コールマンのアカデミー賞主演女優賞につられて鑑賞。受賞の際の「私がオスカーなんて、笑える」というスピーチで、とても好感度上がって気になった方も多いのでは?
まさに怪演。賞にふさわしい演技でした。精神的に不安定で、怒ったり、喚いたりしたかと思えば、優しい近所のおばさんのような振る舞いをしたり、とにかく一瞬も落ち着いたところはない。ゲイリー・オールドマンの名演が光った「チャーチル」に通じるものがあった。
物語は、実在したイングランドのアン女王の話。ヨーロッパでは、各国が戦いに明け暮れ、イングランドも莫大な戦費をなんとかしのぎながら、戦争を続けている最中のこと。政治の中枢である宮廷では、上流層が日々優雅な暮らしをしながらも、戦争継続か講和かで2派に分かれている。不安定なアン女王は、大親友のサラ(レイチェル・ワイズ)に頼り切っていた。サラが宮廷を仕切っているのを、時折不安に思っていた。
そんな折、縁戚のサラを頼って、宮廷に職を求めに来た没落貴族の娘アビゲイル(エマ・ストーン)は、サラの計らいで女中の職を得た。アビゲイルは明晰な頭脳でのしあがり、女王にも認められてゆく。やがて、老いて弱っていくものの、権力を握ったアン女王の「お気に入り」の座を巡って、女の闘いが始まる。いかにも切れ者女性、クールビューティのレイチェルに対し、愛らしさの残る顔立ちに、翡翠色の大きな瞳が冷徹に光るエマ・ストーンが謀略を巡らしていく姿が圧巻。主演のコールマンとあわせて、両者とも素晴らしかった。
抑揚が少なく、少し冗長さはあるものの、退屈しない内容です。3人の演技バトルを楽しむのが正解かな。
ラストの解釈にモヤモヤするけど
女性の怖さ
_φ(・_・お気に入りはどっち?
豪華で美しくて恐ろしい
美術と衣装がとっても豪華で美しくて素晴らしい。アン女王のお気に入りの座を巡ってアビゲイル・サラが繰り広げる大奥バトルが、恐ろしくも美しいです。
ヨルゴス・ランティモス監督独特の不可解さは本作も顕在。抽象的なシーンやたっぷりとしたアップなど、なんとも不思議な表現が多々あり、それがまた作品の風格をあげているのが流石です。あの男性達がフルーツを投げつけてるのとか、どうゆう意図があるのだろう…。
アビゲイルが賢い女の子から恐ろしい策略家の女性に変貌を遂げる様は女性の執念を感じて震えました。怖い…。
後半の弱ったアン女王が本当に病気のようで、あの目の表情とかどうやってるの?!と、尊敬。アカデミー賞も納得です!
一点だけ、うさぎをヒールでぎゅーってするシーンが可哀想すぎて辛かった・・・。
皮肉交じりの愉快な映画
面白さが、分からなかった。
3人の名女優の対決!
アン王女とその王女に取り入ろうとする2人の女
それはそれは恐ろしく おぞましく
まさにブラックコメディ作品!
だそうで 実は私はこの監督の作品は初めてでして
監督の作品を知ったうえで観たらこれはコメディだと
わかったのでしょうが・・・
コメディと観ず うわっ!やば!こわ!って感じて
まじに終わってしまいました
しかし3人の女優陣の演技が本当に素晴らしかった
「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーン
「ナイロビの蜂」のレイチェル・ワイズ
これらの役どころから180度違う役どころを演じ
観ていて恐ろしかった
女王アンを演じたオリビア・コールマンも彼女の演技にも
恐れ入りました
女王の孤独 悲しみを見事に演じ切ってました
今度はちゃんとブラックコメディ目線でもう1度観て観たい作品です
凄まじい演技合戦
2人の争いよりも女王
暇潰しになら
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