女王陛下のお気に入りのレビュー・感想・評価
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嗅覚
最初の章の、例の「泥」から、自分には 視覚と同じかそれ以上に嗅覚/臭覚をつつかれた作品でした。
えええと、表現が下品かもしれませんが女王陛下が着飾っていいもん食べててもなんだかシーツの下から臭ってきそうな、あの重ねたドレスの内側の布から糖のにおい?や生傷の血のにおいがしてきそうな… そんなところを果敢に攻めてたのかエマったら。。。
部屋のなかも荘厳なんだけどウサギやアヒルの動物臭がしてきそうとか、蔵書のにおい、下女たちの醜悪なにおい、男たちの化粧、その下のたるんだ身体からわいて出てそうな刺激臭、宮廷の裏通路の閉塞した臭気? 瘴気? ローソクやタイマツからの酸化した油のにおい、などなど。。。
こういう映画はなかなかなくて、大昔にみたピーター・グリーナウェイの「コックと泥棒、その妻と愛人」でもそんな感じしたの思い出しました、、うーんでも今回は腐敗臭めいたのはなかったからやっぱりちょっとちがうかな。。
嗅覚は 強烈に記憶に残りそうな印象があって、それぞれに何かの意味やメッセージを孕んでるんじゃないかとか、そういうとこで楽しめました。
それにしてもエマ・ストーン、自分的にはあの人、とても派手な顔立ちにもかかわらずこざっぱりして見えるんですよね、冷水で洗顔したての顔とか・ 「ラ・ラ・ランド」では感じなかったのにな、、
あ! 「マーヴェリック」のときのジョディ・フォスターと似てる、そいえばヘアスタイルが似てましたね。
ノブレス オブリージュ
まず…映画の感想からはズレますが…
今日も上映中、2人の携帯が鳴った。
…ふう。
気を取り直して。
セリフや名称(特に人物の呼び方が複数ある)をちゃんと聞き、展開されている行為や表情の意味をしっかり追っていかないと部分的に見失ってしまうかも知れないが、ストーリーの大筋は比較的シンプル。
かと言って、全てが説明されている訳でもなく、解釈は観客に委ねられている部分も多い。
一筋縄ではいかんな、というのが率直な印象の映画。
でも、観て良かった。
まず、美術や衣装が素晴らしい。これ見るだけでも価値がある。
そして、それを効果的に見せるカメラ。また、広角レンズで捉えた映像はただでさえ情報量が多いのに加えて、カットを割らずにカメラを180度横に振って別々のシーンが1カットに構成されていたりするので、まるでかぶりつきの席で舞台を観ている感覚にも似ている。
ほぼすべての登場人物は自分のエゴのために行動し、そのぶつかり合い・足の引っ張り合いが、時にコミカルに、時に皮肉たっぷりに描かれる。
しかし、そうして手に入れた地位にも、やはり責任と同時に苦しみや憎しみ、自分を利用しようとする敵や味方が存在するという「堂々巡り」。
目指した場所、手に入れた場所、そこに本当に幸せはあるのか。
序盤はエマ・ストーン演ずる主人公アビゲイルの下剋上を応援していた我々観客も、後半では苦々しく彼女を見守るようになり、最後はキャストの全員が哀れにさえ見えてくるという、なかなか悲痛な映画なのだが、もしアビゲイルを彼女以外の女優が演じていたら、さらに陰湿な感じになってしまったかも。そういう意味でこのキャスティングは正解だった気がする。
そして女王役のオリヴィア・コールマンの名演。インタビューの姿と比べると特にその凄さがわかる。
観賞後、
「世界の全ては女性が動かしているのです。」
そんな気にさせられる映画。
だって、ここに出てくる男達のだらしなさ・軽薄さときたら…
追記:
女王が鎧のような物を着けるシーン(これは何のシーンだったんでしょう?)で流れるパイプオルガンの曲って、『カリオストロの城』でクラリスと伯爵の結婚式で流れる曲ですよね?
3大女優が最高!
終わりは始まり?戻る
ダーティーなワードセンスとメイン女優3人の演技で見せる傑作ブラック・コメディ。ある意味ted。
傑作ブラックコメディでありました!
クズっぷりを発揮してる登場人物しかいない。
騙し合い、落とし合い、マウントの取り合い……人間の醜い部分が凝縮されてるのに、どこか滑稽で不思議と笑えてしまう。
それもダーティーなワードセンスとメイン女優3人の演技力ゆえでしょう。
ストーリー全体の進行より、セリフのやり取りひとつひとつが楽しい。
見た目は上品なのに汚い言葉を使いまくり。
地位、階級、上下関係……と絶妙にズレた会話にニヤニヤしちゃう。
舞台美術もドレスもめちゃくちゃ綺麗なのに、同時にどれもが滑稽に見えてしまう面白さ。
真面目な空気が漂いながらも、ある意味で『ted』に近い楽しみ方ができてしまいます。
メイン3人の演技はどんでもないレベル。
エマ・ストーンは特徴のある顔なのに、作品ごとに別人に見えるのがすごいです。
今作はバードマンでの役に似てるけど、またどこか違う。
一見エマ・ストーンが主役のようだけど、主演がオリヴィア・コールマン(アン女王)となってるのも面白い。それを踏まえると見方が変わるかも。
物語の早い段階に”銃”が登場するのが効いてる気がします。
一撃で人を殺せる道具が出てくることで作中に緊張感を与えてる。
壮絶の女性の戦いを経てのエンディングがとんでもない!
なんじゃ、あの終わり方は!最高じゃないですかー。
さらにスタッフロールでエルトン・ジョンが流れるのが……スタッフを含めこの映画に関わってるすべてが皮肉たっぷりだなぁ;
緊張感、脱力感、カメラワーク、セリフ、演技、乾いた空気……ハマる人はドハマリすると思います。
アン女王のどうしようもない様子の演技は見事でした。
『ヴィクトリア女王 最後の秘密』でのジュディ・デンチ演じる気品溢れる女王セットで見て比較するのもオススメです。
時代は違うといえど、舞台美術の違いとかも面白い。
ドロドロとした蹴落とし合いをカラッと笑える話に仕立て上げた絶妙さ。大満足!
見たあとに予告編を見直すと、表面だけを切り取ってて、うまくできてますなぁ。
実際はもっとしょーもない会話ばかり笑
そのギャップの面白さ!
三つ巴
エマ・ストーン
確かに普遍的なヤダみ
下品
何だかんだ分からない
ブリティッシュの腹黒さ
もともとレイチェル・ワイズではなくケイト・ウィンスレットにオファーが来ていたという本作。確かにこの役では、ややミスキャスト感がしなくもない。
アン女王の権力を利用した愛憎劇にフォーカスした作品だが、実際はアンとサラの政治的価値観の違いによる決裂が大きいだろう。アンは和平推進派に傾き、サラは戦争推進派だったので王国を巻き込んだ政治的奔走をもう少し入れ込めば、作品として厚みが出たのでは。
予算を抑えるため、ほとんどが王宮内の出来事で、2時間引っ張るのは正直観客はしんどいだろう。ただ塗れ場シーンが割と出てくるので、何とか持つか、という感じか。装飾、衣装、美術は素晴らしく見る価値はある。
アカデミー賞10ノミネートだが、
主演か助演、美術賞、衣装賞の3部門くらいにとどまるだろう。このスケール感、クオリティで作品賞、監督賞はとって欲しくない。
音楽も不気味感を煽るのはいいが、少し間延びしすぎる感がある。9部門をとった割にはやや期待はずれかもしれない。
17回妊娠して誰一人成人になれなかったのだから、気が狂う気持ちも分かる。
3女優の競演が強烈
女は怖い
最後のオーバーラップ…怖
ブラックとエロと人間臭さと。
生々しい女性の狂騒
吐き気
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