柔らかい檻のレビュー・感想・評価
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セイレーン
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落語?講談?にありがちなプロット作品。大概、昔話、地方の伝承話、寓話にもあるようなプロットでもある。昔の女が引き摺り込む怪談話だ。そのストーリー設定そのものよりも、何より白眉だったのは、強奪犯グループの中の一番ゲスな男役を演じた『世志男』という役者の群を抜いた演技。これでもかとゲス男の表現を演じている。この役が全体のアクセルとしてグイグイと場面を展開していくのだが、演出もさることながら、類をみない腐った人間をよくぞここまで演じていることに感嘆を覚える。主人公男に絡むシーン、人質にした女にいきなり暴行する件、逃走の際、連れてきた男への拷問、そして裏切り者への処刑と、人間の皮を被った悪魔をこれほど似つかわしい俳優はいないのではと思うほど。この俳優がいるといないとでは、今作品の出来映えも変わっていたかと思う。今後、要注意である。
カウパー指数は、本日観た作品では高いレベルである。主人公の女の豹変振りは疑問が残る展開だが、まぁ濡れ場はそれなりに興奮できる。ただ、全ての配役のバックボーンが浅くて思い入れは出来なかったのだが。
サスペンス、スリラー、そしてエロは、本当に親和性は高いジャンル同士である。
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