「意外な産物」狼チャイルド 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)
意外な産物
演出も撮影も俳優も巧い。国籍とホラーな邦題にあなどって見たら、完全に予想を外れた。長い映画で、二部構成とも言える。前半はまるでアブデラティフケシシュのように官能的で、後半はジョンランディスの楽しさがあった。総じて長すぎるものの、センスがいい。監督が二人いたので、前後での交代を、けっこう強く感じた。とくに前半は本気で見入った。(前半部の)人物描写と、ブラジリアかサンパウロか解らないが幻想的な都市の描き方がとても魅力的だった。後ろを短くまとめたら、傑作だったと思う。アナが厳しく育てられる過程で、食事や姿勢のマナーを学んだことが、タイトルGood Mannersの根拠になっているはずだが、後手にバトンを渡すと、それが回収されず、すこし鈍調な狼男アメリカンになる。なんとなく惜しい映画だが、悪くない。半分はほんとに瞠目だった。
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