劇場公開日 2019年1月25日

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「抱かれながら女は、「女の子だったらどうするの?」と言って涙を流した。」二階堂家物語 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5抱かれながら女は、「女の子だったらどうするの?」と言って涙を流した。

2019年3月4日
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鑑賞方法:映画館

奈良の旧家の跡継ぎ問題に揺れる二階堂家。嗣子をもうけることそこが使命。今までだってどこにでもあった話だが、少子化、過疎化、、、そういうことだけが要因と決めつけるは良くないにしても、近年こそその悩みは増えている気がする。そこを、いっさいのウェットもなく、シビアでやりきれなさが残る作りにして見せてくれたことをうれしく思った。あのラストに、辰也の覚悟を見た気がする。後味は良くないけど、あれが家を守るということなんだな。
朝ドラまんぷくの白薔薇マスターとは全然キャラが違う加藤雅也、いい味出てました。

私見ですが、外国人の婿養子に抵抗がある気分はわかるものの、そもそも、神武にはじまり、雄略帝の時代や、飛鳥朝、奈良朝にいたるまで、数多くの渡来人、つまり外国人(この場合朝鮮人ですが)が日本の礎を作ってきたわけで、たまたまここ千年そういう文化じゃなかっただけの話。しかもこの映画の舞台が、その奈良なわけで。まさか、それをわかったうえでこのテーマの映画を作ったとしたら策士。いや、そこまで深読みは愚か。

栗太郎