劇場公開日 2019年10月11日

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真実のレビュー・感想・評価

全119件中、61~80件目を表示

4.0覆い隠した底にあるもの

2019年10月30日
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知的

幸せ

国民的大女優ファビエンヌと、脚本家の娘リュミール。母の自伝出版祝いに、家族を連れて帰省した娘。母娘のすれ違いや拗れ、嫉妬やプライドなどの感情を、二人を取り囲む人間模様を交えて描き出す。

この作品は、かなり複雑な構造を持つ。
劇中のキーパーソンでありながら、過去の人物として姿は全く表さない、天才女優サラ。リュミールは、母に代わるかの如く愛情注いでくれたサラと比較し、女優業を優先したファビエンヌを責め、ファビエンヌは、母としても女優としても自らを脅かすサラに嫉妬していた。
そのサラの再来と目される若き女優・マノンと、ファビエンヌは新作SF映画で共演する。マノンにサラの面影を重ねる事で、母娘は、サラを介して捻れてしまった自らの感情と向き合う事になる。
また、SF映画でのマノンのキャラクターは、不治の病からくる死を免れる為、ウラシマ効果で時を止め、7年毎に宇宙から戻ってくる母親。年取らぬ母を追い抜いて老いた娘役がファビエンヌ。母に置き去りにされた孤独を演じる事で、ファビエンヌは娘の寂しさに思いを馳せ、リュミールは演じる母を見守る内に、女優の業を貫く母を認めていく。
このように、幾重にも入れ子や象徴の仕掛けを施しながら、物語の筋そのものには何ら難解な所なく、二人の心情やその変化を浮かび上がらせるような、脚本の造りが絶妙である。

核となる女性達、特に、自身そのものであるかのような大女優を演じるカトリーヌ・ドヌーヴの演技は圧巻だが、取り囲む男性陣も各々に味わい深い。娘婿、老執事、女優の元夫、現恋人。感情的になっている女には真っ向から正論をぶつけず、上手に取りなして沈静化を待つ。この話の男性は皆賢者ですな(笑)二人を優しく支える彼らのお陰で、物語が痛々しくなりすぎず、温かい収束を迎えている。

女優と脚本家、虚構を演じる母と、紡ぎ出す娘。物語の中には、それが真実なのか作り物なのか、事実なのか勘違いなのか、嘘なのか本当なのか、判然としないエピソードがいくつも散りばめられている。
人と人、その距離感の、最も近く、最も難儀であろう家族の関係。期待、失望、理想、現実、甘え、厳しさ、愛情、憎悪。
重要なのは、唯一無二の事実を追い求める事だろうか。異なる個体、異なる思いである事を受け入れ、その上で重ねられる景色を手探りし、共に支えて歩むのが、家族の一つの形ではなかろうか。例え少しばかりの虚構や嘘を嗅ぎとっていたとしても、そこに真実は存在し得ないのだろうか。

現代崩壊しかかる家族の形。監督の描き出す新たな家族の姿に、観客もまた、自分なりの模索をし続けるのであろう。

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しずる

4.0ドヌーブを是枝作品で見る奇跡

2019年10月27日
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大女優の母(カトリーヌ・ドヌーブ )が自伝「真実」を出版するのを機に、アメリカで暮らす脚本家の娘 (ジュリエット・ビノシュ)は夫(イーサン・ホーク)と娘を連れフランスに里帰りした。

「真実」には真実が書かれていなかった。

母娘の間にあった誤解(もしくは真実)が本音を交わす中で姿を変え、温かなものへと変わっていく。そう、真実など変えてしまえばいい。

とにかくドヌーブとビノシュの間にある厳しくも心地よい緊張感がたまらん。苦手なはずの「いい話」が何故か抵抗なく入ってきた。

てか、ドヌーブが!

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エロくそチキン

1.0微妙な心の変化を読み取る映画

2019年10月27日
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難しい

冒頭のシーン、木々の葉群が風に揺れている
。葉の1枚1枚が不揃いにそよいでいる様子が人の心の有り様の小さな変化を物語っているが如く、ストーリーも微少な変化こそあれ一見すると淡々と流れていく。他の方のレビューにもあったが、山もなければ谷もない、ほんのちいさなさざ波をカメラに納めている。ここまで静止画に近い是枝作品はあまりみたことがありません。正直、私には全くフィットしない作品であります。

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ちゆう

2.5期待してた訳じゃないけど

2019年10月27日
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悪くはないけど、山もオチもないというか…。なんとなーくダラダラ続いて、緩い上り坂の上でゴールみたいな。
映画評論家の方達が評価するポイントが私にはわからない。

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okuy

2.5女性にお勧めです

2019年10月26日
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女優っていうのは、プライドが高いね 素直になれた作品でした

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評論家レイ

3.5是枝監督

2019年10月26日
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かかわっていらっしゃったんですね!エンドロールで知りました。
シャルロット可愛かったです。
今後の活躍に期待しています。

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かん

2.5彼女を理解するのに、難しい作品

2019年10月25日
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難しい

カトリーヌ・ドヌーヴの女優として大人気であった時代を、私は知らない。彼女が、
如何に美しい女優であった時の彼女も知らない。
映画「母の記憶に」という作品を引き受ける。(この作品のストーリーを間違って理解しているのかもしれない。この作品でのドヌーヴの役名が判らなかったから。)若い時の自分、サラとの日々を回顧しているように描かれている。作品を制作している過程で新進気鋭のマノンと名乗る女優と共演する。そして、ファビエンヌの若き頃のライバルであった「サラ」のことを思い返す。演じることの素晴らしさや女優魂が画面から溢れ出てくる。撮影終了後、ファビエンヌ(ドヌーヴ)とマノンが別れる場面。彼女が一人帰る後ろ姿に亡きライバルであるサラの姿を重ねる所が、ドヌーヴの「ライバルが、もういないという寂しさ」という表情が秀逸というべきか。そこが「真実」という言葉に通づるということか。

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突貫小僧

4.0美しき女優達の、世代を超えた混合

2019年10月24日
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ドヌーブ、是枝監督というだけで作品を見る価値は十分にある。
特筆すべきはマノン・クラヴェルの美しさ。
表情、声はもちろん、階段を登るだけでも
観るものを魅了する存在感がある。

ドヌーブのふとした演技に樹木希林の得体の知れない不気味さを思い出し、
そうか、樹木希林はもう居ないのかと、ジーンとくる。

尺も100分程度で見やすく、良い。

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あつん

4.0いつもの是枝映画にハマるドヌーブが素敵〜

2019年10月23日
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笑える

幸せ

話題の是枝映画、観て来ました。
是枝監督の映画って大体いつも世の中的な大事件は起こらないけど
家族にとっての一大事が描かれていてああ、観ていて毎回、痛い!

私なんか一人で好き勝手暮らしてるから、

親戚が泊まりに来るとかそんなレベルでも一大事だもの。

今回もその感じなんだけど、

そこは大女優の家族の話だから
ちょっと派手なのかな〜?
なんて気がするけど
内容はいつもの是枝映画でしたね。

世界の政治情勢がどんなに厳しくなろうとも
結局、個人にとっての一大事は
家族との揉め事なんですよね〜〜

親子や旦那との関係に
なんとなくわだかまりを感じる方は
ぜひ、ご覧くださいませ。

で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては

カトリーヌ・ドヌーブがね、
やっぱ今でも「いい女」女優なのよね。
吉永小百合みたいに清潔お上品じゃ無くて
ちょっと毒もあって小狡くって、
男を手玉にとるような
「いい女」が
今でもできる女優さんなのよね。

そこが素敵だな〜
最近の作品もちょこちょこ観てたけど、流石ですわ〜

是枝監督も冒険だっただろうけど
ドヌーブにとっても、記憶に残る映画だったのでは〜

映画の中で女優としてドヌーブが出演している劇中映画が
なんか面白そうですっごくそそられました。
これも是枝監督、いつか映画化してくれないかな〜〜

あと、イーサン・ホークが良いなあ〜〜
実は酒癖がイマイチの「社会人」としてはダメ感のある男だけど
娘婿に容赦なく毒舌を吐く義母に対しては色々思う所はあれど
拗ねたり僻んだりせず、大人として振る舞い
奥さんのモヤモヤもそれなりに汲み取って整理してくれたり
なんと言っても子供をいつも全力で愛してくれる良いお父さん。
素敵でした〜〜

@お勧めの鑑賞方法は?
「是枝映画は日常的な内容がメインなので
映画館で集中して観たほうが感動できるかもです。」

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星のナターシャ

3.5メビウスの帯、若しくはマトリョーシカ

2019年10月23日
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楽しい

女優であるカトリーヌ・ドヌーブがファビエンヌという女優を演じる。とても不可思議な世界。当然映画の中で映画を撮影してるわけで、現場ではセットの中にセットがあり、それを外から眺めてる人もいるはず…マトリョーシカみたいだなぁと思った。
面白かったのは、謝る気がないファビエンヌは女優だから脚本があれば演じて謝罪するといい放ったところ。映画の中の話なので、勿論全てが演技なのだが、どこまでが演技でどれが素なのかがわからなくなる…メビウスの帯のようだ。
カトリーヌ・ドヌーブはやはり美しく(役の上だが)少し意地悪でチャーミング。あんな風に人の悪口をサラっと言える人になりたい。ジュリエット・ビノシュは今回は役の上だが見事に精彩に欠け、イーサン・ホークに至っては意味のないダメ男を見事に演じてました。
ひとつ疑問に思ったのは、何故に吹き替え上映があるのか?

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momo8

3.0真実ではない、自伝「真実」

2019年10月23日
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国際色豊かな豪華キャストで、撮影現場はフランスパリ。

大女優の母ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)が自伝を出版。これを機に久々に実家を訪れた娘リュミール(ジュリエット・ビノシュ)とその家族。娘リュミールは「この本は真実ではない」と憤慨し、母ファビエンヌは「真実なんて退屈」と飄々と言い、母娘の関係が悪化し、そして母娘の複雑な関係が浮き彫りに・・・是枝監督のフランスヒューマンドラマ。
フランスの大女優ファビエンヌという役がカトリーヌ・ドヌーブにドンピシャのはまり役。
娘リュミール役のジュリエットビノシュは
、幼い子がいるような感じではなく、老けて見えてしまい、どうも母娘という感じではなく、最後まで違和感が残ってしまった。
ただ、気になることが・・・
劇中のファビエンヌ新作映画の撮影の内容で
、不治の病のため、宇宙の違う星で暮らす母と、7年に一度?娘と会えるというような話で、母は全く年を取らないがその娘はどんどん成長して、何十年後(娘80歳ぐらい?)頃には、老婆となった娘と、若いまま(20台?)の母となり、老いを哀しむ娘と慰める母・・・というようなSFで不思議なストーリーでした。これ、ちゃんと見てみたい!
家族にこだわり、人情、人間の増悪を柔らかく表現できる是枝監督の手腕は素晴らしい。
でも、やはり、日本人の方が味がでる、今後は日本での作品に期待。

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クララ

4.0カトリーヌ・ドヌーヴが圧巻の存在感。大物を演じられるのは大物という...

2019年10月23日
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カトリーヌ・ドヌーヴが圧巻の存在感。大物を演じられるのは大物ということか。ほかの役者たちもいい。

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ghostdog_tbs

3.5果たして演技なのか?

2019年10月23日
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知的

幸せ

かつての大女優の役をかつての大女優が演じる。その迫力と雰囲気は素晴らしい どこまでが演技でどこまでが本音なのか?引き込まれました

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daikokumai

5.0フランス映画でした!

2019年10月22日
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楽しい

知的

幸せ

レビューがイマイチだったので、どうしようかと迷っていましたが、
行けて良かったです。
他人のレビューは気にしない、ということを痛感しました。

ドヌーヴあってこその企画、
でもラストに向かっての人生を肯定する人間賛歌、
どの登場人物にも丁寧な視線が向けられ、
そして自然を描く時の静かなメロディー。
どれもが是枝マジックでした。

見終わった後の幸せな感覚は独り占めしちゃ勿体ない感じでした。
いろいろ語りたくなる映画です。

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Bird

3.0女優と役柄が重なりすぎ??

2019年10月21日
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 皮相的な意見ですが、カトリーヌ・ドヌーヴが自作自演してるように見えてしまう設定だった。違うんだけど、全編のうち9割は写ってたんじゃないか??そして全ての筋書きが予定調和的に進んでいった感が否めず、途中冗長な感じで少しダレました。
 親しい者同士とはいえ、各自が歯に衣着せず、食事中にもかかわらず表情豊かに、言葉に出して言う、そして行動する。日本人には難しいと思う。ただし、決定的な悪人も、逆に正しい人もいない。ゆえに感情移入の対象はジグザグにならざるをえず、途中、「幸せな家族を見せびらかすために夫の自分まで同行させて実母を訪ねた妻の思惑」を冷静に見破るイーサン・ホークのセリフが一番小気味よかったかも。
 ジュリエット・ビノシュ、年いってもコケティッシュです。着こなしが大好き。深く開いたV字の胸元のブラウス、モノトーンの着古したジャケット、中間色のゆったりニット、どれも普通なんだけどかっこいいなあ。

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Kumiko21

3.0少し平坦かなぁ・・☆

2019年10月21日
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大女優カトリーヌ・ドヌーブを迎えての是枝監督の新作。
ドヌーブをはじめ ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークと素晴らしい
演技者揃いの作品です。

しかしながら、鑑賞後は何だか平坦な印象が残ってしまいました。
ドヌーブとビノシュの母娘の関係がテーマと思われますが、あまりインパクトが
なく、個人的には作品中で描かれるドヌーブが出演するSF映画が面白く
感じました。

中盤で描かれるパスタを作る料理のシーンとか子役(クレモンティーヌ・
グルニエ)の演技??などは是枝監督らしい演出で楽しめました。

「万引家族」受賞後の初めての作品でしたが、あまり期待せずに見たほうが
かえって良かったかのしれません。

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☆ムーミン

4.0絵画を観ているような幸福感

2019年10月20日
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とにかく画が美しくて、秋にぴったりでした。
ラストの幸福感、また軽やかさが最高に素敵で、心がほかほかと温まって帰路につける映画でした。

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C0mari

3.0女優という生き物

2019年10月20日
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俳優の演技プランや映画作りの舞台裏が鍵になる展開で、作品全体がメタ台詞の様相。ストーリーは日本映画っぽいのかな、割と真面目でした。もう少しフランス映画らしい毒のあるユーモアやウィットがあると登場人物がもっと魅力的だったかなあ、と思いました。

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zita

3.5ある意味で、文句のつけようがありません

2019年10月19日
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終わってみれば、打率2割8分、ホームラン20本、打点80くらいで、安定的にチームへの貢献度は高いけれど、タイトル争いには絡まず、と言った感じ⁈

海街ダイアリーで放った鮮烈さ、万引き家族で大向こうを唸らせたタイトル独占に近い活躍。
それらと比べるとどうしても物足らなさを感じてしまうけれど、この成績(映画)自体に文句を付けることはできません。来シーズン以降も期待しています。

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グレシャムの法則