真実のレビュー・感想・評価
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ムッシュ是枝
紛れもなく素敵なフランス映画に仕上げて下さいましたね~🍀
大女優の家族なんて凡人には縁遠い違う世界の人種ですからお互いの「真実」の気持ちは判るはずもありませんので
それを野次馬根性丸出しで楽しむ側にまわらせて頂きました!
孫娘役のクレモンティーヌちゃんが実にいい!👏
ハリウッドの子役みたいなハデなオーラは無くともフランスの子役って既に大人の女優!
本当に皆、上手い!!
ファビエンヌが「クレープ食べたかったなぁ・・」って呟くところがスゴく気に入りました
ドヌーブさんがあまりにチャーミングで🎵
素直になれない母娘の関係。でも重たくない。
「万引き家族」は疑似家族の話でしたが、こちらは本物の家族なので、実はとっつきやすいです。
大女優のファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、我儘で、人をけなす。常に注目を集めていたい。
その為なら、妹を傷つけ、夫を裏切り、〈母親〉よりも〈女優〉を優先する。
自伝にはウソばかり書いて、娘のリュミール(ジュリエット・ビノシュ)にしたら、たまったもんじゃない。
でも、見せたい自分を見せる為なら周囲の犠牲も厭わない女優のエゴは、同時に、相手が求めるものを与えたいという気持ちでもあります。
2人を取り巻く人々の皮肉っぽいやり取りの中には、思いやりも感じます。
ここからは、個人的な話です。
この映画のようにドラマチックでも深刻でもないですが、私は母に褒められたことがありません。
私は機転が利く器用な子供ではなかったですが、中学までは成績も良く、絵や手芸などの課題も丁寧にやってAをもらえました。
でも母は褒めないんです、けなされたり怒られたりの記憶ばっかり(それだけではないけど)。
ある時、「何でお母さんはいつも人を否定する言い方をするの?」と聞くと、「そんなつもりはない。ただの話し方のクセだから」と言われました。
拍子抜けしましたね。私のこの、自分に自信が持てない消極的な性格をどうしてくれるのよ。
また私は、音楽の授業が嫌いで、高校では選択しなかったのですが、歌だけはやりたくて、ヴォーカルレッスンを受けていました。
発表会に母は2度程来ましたが、もちろん褒めてはくれません。やめた時に初めて「もったいない」と言ってくれましたが。
もうこういう人なのだと思って、今はとても仲良しです。
映画では、母の気持ちをわかろうとしなかった娘が詫びると、母は、「あなたとは、今の関係のままで十分」と言います。
観客は中高年の女性ばかりでしたが、若い女性に観て欲しいですね。
作風は、フランス映画らしく、おしゃれで軽いです。
「何回したの?」をうっかり「なにまわしたの?」と読んで「?」となってしまった自分に失笑。
いつもの是枝節
母娘の、ちっちゃな世界の物語で、地味でした。
実のところ、是枝さんって「家族」を通して語ることはあっても、「家族」をメインテーマに描いたことがない監督だと思っていて。
既存の法や制度、倫理、常識で縛られた世の中から、はみ出てしまった人間の悲哀や苦しみを追い、社会を批判する作品が多いのかな、と。
本作は、「個人」の主観や先入観、思い込みの愚かさと、記憶の曖昧さがテーマだったような。
家族全員が「個人」である以上、他の家族が自分に対してどう思っていたかなんてわかりようがないし、記憶なんてあてにならないと、突きつけていた気がしました。
なのに、自分の主観に沿った望む返事が来ないと「私を理解していない」と不平不満に満ちた感情に支配される、という人間の業をあからさまに描いていて。
その不満が一番描きやすいのが、母娘の関係だったのかな、と。
やや否定的に書きましたが、実のところいつもの是枝節を楽しみつつ、主演のカトリーヌ・ドヌーヴの演技力に度肝を抜かれたんですけどね。
第三者が語る母親像と女優が語る女優像
女優の前に母親。 母親の前に女性。
そんなレイヤー構造のフィクションが
カトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノシュ、
物語上の親子関係のふたりを介して
女優然 母親然 女性然 として語られる言葉の数々が
あたかもノンフィクションに置き換えて
ふたりの女性、ふたりの母親、
そしてふたりの女優をさらに介して
そのまま両女優に還元されているかのような作品
…なのかな?
是枝作品の感想を具体的に言語化するのは
簡単なようで、実は難しい。
そう、誰にでも心にある風景を、
胸に去来する心象風景を表現することと
おなじように難しい…
でも漠然としていても、感覚的に
そう、誰にでも自然に理解できているのです。
だから是枝作品が皆さんに親しまれているのでしょう。
そんな稀有な作家性は、本作『真実』でも
今までの作品群に通低している“空気感”を
しっかり醸し出してはいました。
フランスでのロケ、現地俳優を配したことによる
たまにある日本人監督の“洋画に寄せた感”は全くなく、
むしろ“品のある洋画”という印象をわたしは持ちました。
特に世界的名女優が加わったことによる起因!
現場でのカトリーヌ・ドヌーブの進言を
真摯に受け止めながらの過程が…
そんな撮影風景を想像してクスッと笑ってしまいましたが
是枝作品にまた新たな味わいのあるエッセンスを
引き出しているのかな…と、わたしは感じました!
我が身には伝わらなかった“真実”
『万引き家族』でカンヌ国際映画祭パルムドール受賞、順風満帆なキャリアで名実共に現在日本を代表する映画監督と言っていい是枝裕和。
そんな彼が挑む次なるフィールドは、世界。
初の海外共同製作作品。
日本人監督初の快挙!ヴェネチア国際映画祭OP作品!…として専ら話題を提供しているが、個人的にそれよりスゲー!と思ったのが、キャスティング。
だって、幾ら世界的に評価を得ている是枝監督とは言え、日本人監督があのカトリーヌ・ドヌーヴを主演に迎えて映画を撮るとは…!
これこそが快挙でしょう!
役柄がドヌーヴ自身のような国民的大女優。
気品と威厳を併せ持ちつつ、毒舌家でユーモラスな一面も。
是枝監督は演出しながら、故・樹木希林を重ね合わせたという。
本作が日本映画として製作されていたなら、希林さんで見てみたかった。
娘役にジュリエット・ビノシュ、その夫役にイーサン・ホークと、ハリウッドでもなかなか実現難しそうな豪華キャスティング。
共にフランスを代表する名女優でありながら、意外にも本作で初共演だというドヌーヴとビノシュ。その演技合戦も見物。
国民的大女優のファビエンヌが自伝本『真実』を出版。それを祝う為、アメリカで脚本家として活躍する娘リュミールは夫と娘と共に帰省するが、本に書かれてない“真実”について問い詰める…。
書かれなかった“真実”とは…?
母と娘、そして女優として。
秘めたる“真実”。
海外の超一流キャストによる好演やアンサンブル、フランス映画のような上質の香り…。
世界に出しても恥ずかしくない国際作品。
…なのだが、
是枝監督作品は大好きだ。いつもその年のBEST級。
だから、今回は不発だったと言わざるを得ない。
あらすじや予告編なんかを見ると、その自伝本を基に、母娘の愛憎がじっくり深く描かれている事を期待するが…、
凝りはあるが、それほど険悪ってほどではなく、割りと仲良し母娘。
で、その“真実”なのだが…、何と言うか、一体何が“真実”だったのか「…」な感じ。
映画界を舞台にしてパロディーみたいな軽妙さや実は意外とハートフルな作風で見易さや口当たりはいいかもしれないが、『そして父になる』『海街diary』『三度目の殺人』『万引き家族』などここ数年の秀作/力作を見た後だと、どうもズシンと心に響くものや印象にも欠ける。
何度か見直したら味わい変わってくるのかもしれないが…、現時点ではちと期待外れ。
とは言っても、決して駄作や失敗作ではない。
これほどの超一流キャストを揃え、上質な香りの海外作品を撮り上げた事は“がんばったで賞”。
これ一本で終わらず、いずれ日本の名作群に匹敵するような海外作品を…!
肩の力を抜いて観られる作品
真実とはなにか。それをあまり追い求め、考え過ぎて作品を追ってしまうと物足りなかったり、心が生温いまた終わってしまうかもしれない。
あたり頭を使わず、目で見て心で感じることがこの作品のベストな見方ではないかと個人的には感じた。
題名の真実とはなにか、個人的な解釈になるが、僕自身は虚構も事実もそれが人を傷つけるものでないのであれば真実として共有していいのではないか。
その虚構こそが、いずれ真実となり幸せに繋がるのではないかと勝手ながら解釈し、ハートフルな作品だなと楽しませてもらった。
もしかしたら監督の意図とは違うかもしれないし、もっと正しい見方があるかもしれない。
ただ僕にとっては、虚や真実が入り混じった世の中で生きていき、それに目くじら立てて、真実か嘘かはっきり答えをだして生きなくてもいいのではというメッセージのほうが実生活において影響があると思い、そう捉え楽しませてもらった。
それにしてもシャルロット可愛すぎる。あんな可愛い娘、自分にもほしい。もちろん真実だ。
フランス映画好きにオススメ!
是枝監督の作品だから日本映画の要素が入るかと思ったけど、良い意味でフランス映画っぽいフランス映画に仕上がっていたなと思いました。
日本映画やハリウッド映画にありがちなド派手な出来事は起こらないけれど、淡々とした中でもちゃんと物語が進んでいく、見る人にも色々考えさせてくれる、そんなフランス映画の良い所がよく表れていたと思います。
その分、普段日本やハリウッドの映画が好きな人には退屈でよく分からないものに感じられてしまうかもしれませんが…
カトリーヌ・ドヌーヴの演技があまりにリアルで、何回かカトリーヌとファビエンヌが重なり合うような感覚に陥りました。
ショービジネスの世界で生きる不器用な母娘
是枝監督らしさはフランス映画になっても健在。美しい自然の中で、人間の様々な感情のやり取りが余白たっぷりで描かれています。
結局“真実”がなんだったのかは重要ではなくて。2時間の物語の中で何度かあった本音や真実の言葉を噛みしめることが出来たら、それでいいのかなと思っています。
一度観ただけでは理解しきれない部分も多く、咀嚼が必要な作品ではありますが、ラストシーンの笑顔は物語が始まった時よりも、穏やかな優しい笑顔に見えました。劇的な変化が数日の間で起きることなんてなかなか無い。でも、ちょっとした勇気や優しさや素直になることで、長年のモヤモヤが少し晴れたりもするんじゃないかなぁと、希望を感じる素敵な作品でした。
ねえ聞いていい? 私、女優として終わってる?
女優であることをすべての最優先にしてきた人生。だけど、こうも傲慢でイヤミったらしい女性は付き合いずらい。当然、話のスジとして最後には母娘は心が通じ合うのだが、それを見てもこのオバサンは無理、と白けてしまった。おそらく、彼女が生活すべてに禁欲的であればまだ多少の共感はあったのかもしれない。しかし彼女は、衣食住には何不自由なく贅沢を極め、ただ対人関係だけを歪めて生きてきた。これでは厄介な気難しい老人でしかないよ。
是枝監督は好きなのだが、外国人を使うとその良さが消えるのか?と思わせるほど、退屈だった。役者は超大物ぞろい、味はある。だけど、なんだかなあ、と薄っぺらな感想しか言葉がない。高級食材をただ大皿に盛り合わせただけのような。日本人で撮り直してみたら、感想は変わるのかもしれない。
要予習…?
個人的にはやっぱり、イーサン・ホーク好きだ…彼の挙動にいちいち笑うというか、和む。そして正に日仏合作という感じのこの静かで丁寧な映画は基本的には好き。…ではあるものの、この映画をそこそこ立体的に楽しめたのはアトロクの是枝監督ゲスト回を事前に聴いていたからだと思う。丸腰で観てたら主演女優の云々のことも全く知らなかった。
カトリーヌドヌーブ
カトリーヌドヌーブって、気難しい印象だったけど、ユーモアがあるセリフもサラッと出てきて、ステキな大人の女性。まだまだ現役ですね。
イーサン・ホークや脇を固める役者さん達も魅力的な人ばかり。劇中劇の母役の女優さんが凄く気になるんだけど、ハスキーボイスがとても良かった。
ドヌーヴと、是枝監督でしかできないような
ドヌーヴの話?と思うくらい彼女のキャリアに沿ったストーリー。ベテラン女優としての存在感も流石です。是枝監督らしく、人に対する視点がとても優しい。良いところも、悪いところも、とても愛らしく感じます。
虚構か、真実か、それもどちらとも言えない。それでも良いのでしょう。
きっと第一歩
是枝監督は特にフランス語を自由に操るわけではなく、通訳を通して、あるいは脚本は日本語→仏語への翻訳を通して今作を作られたというので、素朴に、そんなこと可能なんだろうか、と疑問に感じていました。是枝監督作品はノンバーバルコミュニケーションの描き方も秀逸なんだけど、その前に第一にはことばだろうと。細かなニュアンスとか文化とか、音のリズムとか、相当難しいんじゃないか、失敗したら(それは私は分からないけど)違和感に浮かんでしまうんではないかと。
素人(私)の考えることなんてきっと杞憂のきの字にもならないのですかね。知らんけど。
監督や出演者のインタビューを見聞きしてると、その辺は丁寧にクリアしたみたいです。。
描かれている物語について。
演者の演技を見てるのは楽しかったけど、見事なまでに地味なお話でした。山場がない。
母娘問題も描かれてるのかもしれないけど、確執深い母娘の関係はあれしきでは懐柔しないと思う。アッサリとデレ過ぎ。
だけど是枝監督が「邦画」の世界の枠を飛び出て、そこでこれまでに作家性を発揮してくれるのは素晴らしいことだと思います。ご祝儀含めて星よっつ。
悪くは無いが、期待を上回るほどでもない
『万引き家族』で、2018年カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した是枝裕和監督の初の国際共同制作作品。主演にカトリーヌ・ドヌーヴ、助演にジュリエット・ビノシュと、錚々たるメンバーが出演しています。日本人監督として初めて、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門オープニング作品としても上映されました。
字幕版で鑑賞。
うーん、悪くは無いです。ですが、期待を上回るほどでも無いです。いきなり辛口ですが。やっぱり、国際制作と言う事が影響しているんですかね?なんか、是枝監督が求めている繊細な演出が活かしきれていない気がするんですよね。
カトリーヌ・ドヌーヴも、ジュリエット・ビノシュもめちゃめちゃ良い女優で、素晴らし経歴の持ち主なのですが、どうも何かが違う。心の中まで描かれていない感じです。
これが、吹き替えを演じている宮本信子や宮崎あおいが、それぞれの役を演じていたとしたら、また全然違った作品になって、全然違く印象を受けたような気がします。
めっちゃ期待していただけに、ちょっと残念。
整い過ぎます
言葉、一つ一つに含みがあります。出演者は、それを理解して演じているのでしょうね。子役達が凄い。監督の力量でしょうね。マノンは、オードリー・ヘップバーンを思い出しますが、どうなることでしょう?
退屈→もういちど観たい
観終わった直後は正直、拍子抜けと言うか、こんなもの?という印象を抱いたけれど、帰宅して少しずつ考えているとそうだったのか、こうだったのか、そうかも?こうかな?と次々に様々な場面が思い出されてきて、今はもういちど観たくてたまらない。
私はもっとシリアスでひりひりした映画なのだと思っていたのだ。
でも、違う。これはもっと楽に観ていい。笑える場面は笑っていいんだ。
そう気が付いたらもういちど観たくなってきた。
今度は肩の力を抜いて観ようと思う。
生きざますべてを演技につなげるファビエンヌが憎めない。
確かにあんまり娘にはなりたくないけれど…。
大女優の小さな話
母と娘。
私にはその関係に内在する「機微」というものがほぼ分からない。
だからおそらくここに描かれたテーマの半分も受け取れていないんだろうなと思う。
私の人間力の無さを痛感。
大事件が起きるわけでもなく、大どんでん返しがあるわけでもなく、誰かが大きく心を入れ替えるわけでもない。
でもそれが家族ってもんだよね、とも思えた。
優しくてちょっと意地悪。
そんな映画。
俳優陣が皆チャーミング。
特に孫娘のシャーロットの可愛いこと!
是枝作品の子役に外れなし。
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