真実のレビュー・感想・評価
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レビューも悪くなかったので見たが…
全体的にイマイチだった。
フランス映画は好きでよく見るのだが、日本でも名の知れた俳優陣達を使い9割フランス語で構成する事でおしゃれ映画として誤魔化してる感じがした。
残念ながら、現地の大衆にはウケなかったのでは無いかと思う(欧州に住んでおりました)
見てる途中で何だかしっくりこなくてwikiでググったら監督が是枝監督と出てきて納得。
主要の作り手にもフランス人は盛り込んでるみたいだけれども、どこかフランスの出来事としては不自然に感じる部分が多々あった(日本人の思うフランス人像、みたいな部分も見受けられた)
あまり名の知られていない欧州の監督でこういった雰囲気や構成の作品は割とよくあるのだが、テーマがぼやけてしまっていて(テーマ自体は分かるが)良い映画を見た時の、自身がその後そのテーマについて考えその映画が自分の一部となる感覚は全くなかった。
カトリーヌドヌーブやジュリエットビノシュの存在感や演技はさすがだったし、さらっと見る雰囲気映画としては良いのかもだけどテーマがテーマだっただけにその軸の部分が軽過ぎてイマイチでした。
レビューも悪く無いから見たけど、過大評価だと思います。
要所要所の笑える部分や、最後の洋服のセンスが凄く日本っぽかった(現地スタッフが作ったかもしれないが)
コレエダイズム
舞台をフランスに移しても是枝監督らしさはやっぱり生きていて
”家族”の普遍を描いたような作品だった。
設定を芸能一家というか、大女優の家族にしているところも
普通とは違うんだけどやっぱ普遍というか
いちばん近くにいるからこそすれ違う家族の心情をよく演出してたように思う。
派手さはないもののコンパクトにまとまってて、
テーマの表現って部分で見ごたえがあった。
フランス映画ってなぜこんなにオシャレ?
と、ミーハー女は思うんです。笑
是枝監督が、フランスの大女優、カトリーヌ・ドヌーブを主役にメガホンとりましたー。ってだけで、十分な話題作でしたが、ジュリエット・ビノシュや、イーサン・ホークも加わって、あらまぁ豪華。
お話は、大女優のファビエンヌ(カトリーヌ)が自叙伝を出版するところから。娘のリュミール(ジュリエット)とファビエンヌは母娘関係がイマイチ良くない。サラという名の女優(すでに亡くなっていて、映画にも登場しない)のことが、2人にとって未だひっかかっている。
大女優らしく、ファビエンヌはわがままです。
世の中の大女優がみんなこんなんだとは思わないが、これぐらいのほうが非現実的な世界である芸能人を面白がれる気がする。笑
2人の関係が徐々に変化していく様。
大女優も老いていく様子は、これ!というシーンを作るのではなく、ちょこちょこ感じ取れるのがとても好きだった。
最初の頃のファビエンヌと、終わりに近づいていくシーンでは、表情の優しさが違う事が分かる。
さすがー、大女優!演技の迫力と存在感が素晴らしいです。
母が娘に本心を告げるシーンは、ジンときて、涙。
母の腕に抱かれる娘の表情。さすがジュリエット。
是枝作品の中でこれはなかなか好きかも!
ドヌーブ万歳❗️
カトリーヌ・ドヌーブ主演の映画の監督をするってだけで、人生の勝利者だ。という幸福感に満ちた映画。
日本人の映画ファンでフランス映画ファンには、映画の良し悪しは別に幸福感を共有できる稀有な体験だった。
ウェルメイドな家族劇だが、フランス的なものに憧れる、紛れもない日本映画だった。
この薄味な良さを、うるさがたの大女優のファビエンヌ、いやカトリーヌ・ドヌーヴはどう感じたのか、ちょっと気になった。
真実か見栄か、優しい嘘か
という話。家族だけでなく色々な人間関係は真実が全てではないということ。
別に良かったけど、冗長なんだよな〜。2時間弱とは思えない長さ、というかテンポの悪さ!邦画にありがちなテンポの悪さが出ていて、ぽつぽつ話す日本語の台詞ならあのテンポがぴったりハマると思うが、流れるようなリズムで話すフランス語の台詞であのテンポは変。
それにしても俳優陣の豪華なこと。俳優陣の豪華さを活かすためにちょこちょこシーンを足した結果、全体的に冗長になってしまったのかもしれない。そう思いたい。
しかし私の大好きなリュディヴィーヌ・サニエがあんなにチョイ役だなんて泣きそう。てか泣いた。でも相変わらず可愛らしくて素敵やった。
海外向けの是枝監督ワールド
カトリーヌ・ドヌーブとジュリエット・ビノシュが演じていても、世界観は、是枝監督らしい作品。
出来れば、日本版も作って欲しいなあと思いながら、三田佳子さんと宮沢りえさんとかってどうかなとか想像してみたりして。
たとえ海外で製作しようと自分のスタンスを貫き通した是枝監督に敬意を表する!
やっぱり家族だよね。ず〜っと描き続けてきた。子どもも出てくるし、たとえフランスが舞台でも是枝作品だと思った。ドヌーブとビノシュの関係性は、ベルイマンの『秋のソナタ』のバーグマンとウルマンを思い起こさせた。有名人の母と娘という… でも、ドヌーブの方がかわいい感じ。記憶ってやつは、ニュース映像のように客観的なものでなく、主観的なものなんだよね。自分に都合の良い方に覚えている。そんなことを思った。あまり期待していなかったけど、意外におもしろく観た。
ザ・大女優
カトリーヌ・ドヌーヴ、存在感ありました。映画の中のワガママ大女優を地で演じているかのよう。どこにでもいる家族、もしくは最下層の家族を描いてきた是枝監督が、大女優のセレブ家族、母娘の関係を中心に描く。でも家族を描かせたらやっぱり、上手い。演技が全ての頂点で、家族は二の次と言って憚らない母。自伝も大いに脚色している。子供の頃から、二の次に扱われてきた娘は自分はそうしまいと、テレビ俳優の夫と娘と幸せに暮らしている。イーサン・ホークが優しい夫を好演している。サラという母にとってはライバル女優、娘にとっては優しい本を読み聞かせてくれるおばさん?がいたのだが、事故死している設定になっており、最後までどういう関係なのかはわからず終い。しかし、サラに似た新進気鋭の女優と共演することで、初めはいじらしく思ってたものの、彼女の迫真の演技に、弱気になったりするドヌーヴが愛らしい。そこから、自分も最高の演技でかえすことで、相手を認め、娘に対しても、真実を話すことになり、ハッピーエンド。幼い頃、父親しか見てくれていないと思った演劇会は、実はドヌーヴも来ていたのだ。映画の台詞にもあった、記憶とは曖昧のもの。相手が幸せなら、真実は時にはどうでも良いことかもしれない。
カトリーヌドヌーブの演技は圧巻。ドヌーブの特徴を上手く是枝監督が活かした見事な映画
今さらながら昨年公開された日仏合作映画真実を観た。もちろん字幕で。フランス映画は個人的なイメージで疲れるイメージがある。このイメージを上手く活かした是枝監督のプロデュース力が見事。内容はイメージ通り疲れる内容だが、カトリーヌドヌーブの女優としての演技、オーラに圧倒された。晩年の女優の演技力の苦しみをドヌーブは見事に活かした。また、フランスの名優カトリーヌドヌーブを上手く活かした是枝監督、そしてカトリーヌドヌーブの圧巻の演技力に敬意を表して。スクリーンでは見ていないのでスクリーンなら内容含めて3.5点だが、CS・BSで見るとやはり1点プラスしたい。
記憶はあてにならない
フランスの大女優(カトリーヌ・ドヌーヴ)が自伝を出版、アメリカからやって来た娘(ジュリエット・ビノシュ)一家だが、娘は自伝が事実と異なると息巻いてしまう。
新作映画の撮影と絡めて、親子について考える。
是枝裕和監督は子役の使い方が絶妙だが、やはりカトリーヌ・ドヌーヴの存在感はけた違いで、今も美しい。
美しい庭
劇中劇の多重構造は、詰まるところ女優達を撮る監督自身の物語のように思えてくるが、そのコミカルさをカトリーヌの演技は見事に体現している。しまいには、何もしていないのに笑えてくる。
ストーリーを支えるジュリエット。記憶はあてにはならない。今の関係を今の自分にとってどう再評価するか。家族のあり方は転じえる。
ストーリーとは関係ないが、冒頭とエンドに映るフランスの庭の美しさに感銘。
しっかりと“日本映画”に仕上がっている
■昨夜はカトリーヌ・ドヌーブの「真実」を観た。日本人是枝裕和監督がヨーロッパの稀代の大女優を使っての母娘もの。
しっかりと“日本映画”に仕上がっていることに驚いた所以。
壮大な「欧州歴史ドラマ」や「沈鬱なEU 社会問題」が起こるというのではなく、こぢんまりと、家庭内のすれ違いが、わずかな身内だけで語られている。
つまりは「参観日の思い出」「ボール紙のドールハウスの修理」「おばあちゃんのお仕事場見学」「娘の意地」「喧嘩」
・・山田洋次の「家族はつらいよ」的な。
■このコンパクトな“ウサギ小屋”映画が、どれだけヨーロッパで評価してもらえるのかは不明だけれど、是枝ワールドが日本人の僕には実にしっくり来たので大変面白かった。
(実際、矢口作品や三谷作品よりもずっと可笑しくて僕は各所で声を出して笑いましたもん)。
■ドヌーブの出演作は、近年では「ルージュの手紙」で、どこまで行っても近寄り難く、結局は圧倒的に個人主義のフランス人の生きざまをドヌーブvs. カトリーヌ・フロ母娘関係にも見せつけられたものだが、
本作は、ドヌーブに抱かれて涙ぐむ娘とそれを見守る脇役たちのこぢんまりとした大団円で物語が幕をおろすのだ。
日本人にキャスティングを置き換えて想像すれば、八千草薫、山田五十鈴、高峯秀子辺りの大女優を主役に据えれば、「女優一家の悲喜こもごも」は我々鑑賞者にも違和感なく、この母娘もののストーリーは邦画としても成功しただろうと思う。
“7年に1度しか帰宅しない母親”というモチーフの劇中劇が挿入されることで、母親不在の女優の家の穴の大きさが浮かび上がってくる。
娘リュミエールが母ファビエンヌに訊くのだ
「さっきの演技、何か思い出したの?お母さんのこととか?」
母娘4代のストーリーが動き出した瞬間だ。
ドヌーブのお守り?の小さな三角と、娘リュミエールのお守りのチープなドールハウスと、孫シャルロットのお守りの絵本と、そんな少女時代の小道具がいい味わいだ。
このそれぞれは、(たぶんあの三角も)女たちが子供時代に親からもらった宝物なのだ。
「サラ」に触れないファビエンヌの自叙伝だが、彼女の「母親」についても映画は触れない。自叙伝の真空の部分だ。
で、ファビエンヌはリュミエールの問いには黙っていて答えない。
そして主客逆転が起こる
生涯女優としてしか生きられなかった母親に、脚本家の娘はシナリオを献呈して母親を演じさせてやる。
婿は義母を称える歌を作る。
夫は優しくファビエンヌをたしなめる。
孫は女優を目指し、執事は戻ってくる。
丸く収まり大団円なのだ。
いずれ亡くす母親との、佳き数日。“間に合った感”で満ちるエンディング。
このDVDは何度も繰り返して観たい。一生心に残る名作だ。
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【気づいたこと】
①ウイットとエスプリを利かせた台詞。どれも意地悪くない。
こんなにも胸を打つ台詞を胸懐に蓄えて、役者の口を借りて自在に繰り出す是枝裕和という人は、脚本家としてもやはり天才だと思う。
②カトリーヌ・ドヌーブは、目がキョロキョロ動いて=首は回さない。首で振り向かないで彼女は立派な体ごと相手に向きなおる。
これはどうしたことか。むち打ち症でもやったか、首が太いのか。
あるいはシワを嫌い、大女優として首すじに老化の色を出さないために自制して首を回さないようにしたのか?
宿題ができた、旧作を観て確かめてみたい。
真実とは何か
意思を込めて書くとそれが真実でであり、事実を脚色することなのか?真実とは不要な事実を省略することなのか?はたまた都合の悪いことは記憶の外に葬り去ることか?
いろいろと考えさせられる作品でした。
予算不足が祟った話。
「大女優が、自分の人生の、あることないこと書き散らした自伝」の中身に振り回される、周囲の人たちを、淡々と、まさに淡々と描いた作品です。
大女優という役柄を演じる大女優。
それはそれで良いのですけど、映画の中ではとっても小さな家に住んでいて、むむむ、ホントに大女優の役なのかよ、と、それが最初の疑問点。
これはいったいなんの伏線なのだろうかと思って身構えていたのですが、どうやら単なる映画の予算の問題らしく、アメリカ(一般人の平均的な家でも巨大)からやってきた孫のセリフで「お城みたい」と驚く(つまり観客に念を押す)シーンがあるものの、それでもどこからどう見ても絶対に城どころか中流の下クラスの小さな家が主な舞台で、ほとんどのシーンがこの家の中で撮影されており、つまらないことおびただしい作品でした。
無理なセリフを無理やり言わされている子役がかわいそうで。
カトリーヌ・ドヌーブにギャラを払ったので残った予算が極小だったせいかと邪推してしまうほどでしたが、もう少し、いやもっともっと、脚本が面白く練られてないと、ぜんぜん乗れなかったです。
記憶なんてあてにならない。変わっていくもの
映画「真実」(是枝裕和監督)から。
是枝監督作品で、カトリーヌ・ドヌーブが主役で・・は、
私の映画鑑賞方法ではあまり関係なく、観終わった。
大女優の自宅について「すぐ裏は刑務所だけどね」の台詞が
何回か登場するが、その仕掛けの意味が分からなかったし、
「サラ」という女優の名前が準主役のように連呼されるが、
影も形も見えなく、イメージすら掴めなかった。(笑)
さて、気になる一言は「真実」ではなく「記憶」。
「母の記憶」という映画名だったり「記憶っていい加減ね」
「記憶なんてあてにならない。変わっていくもの」など、
「記憶」という単語が多く使われていたし、
主人公の大女優の自伝本「真実」が、事実と違うと憤るが、
「本当の話なんかしない。それに事実なんて面白くないわよ」
と一蹴してしまう存在感がとても面白かった。
そういえば「『真実』に私は1度も出て来ませんでした。
存在を否定された気分です」と言って、執事が辞めようとする。
自伝本だから、長く仕えた自分は登場すると思っていたら、
書かれていなかった・・と拗ねるシーンがある。
それこそ「(執事が登場する)事実なんて面白くないわよ」と感じ、
外したのかもしれない。
歴史上の人物だって、権力者によって上書きされる世の中、
「自伝=事実」なんてことはあり得ないのになぁ。
P.S
毒舌の大女優を「彼女、寂しかったのよ」でまとめると、
なんだか、つまらない作品になってしまう気がするのは私だけ?
2重3重に重なる。何度でも見返せる
母と娘の秘めた思いが 重なっているのは、涙が出る。 言えない真実を外に出して晴れ晴れとしたいい読後感あり。家族は似た者同士が一緒になるというが、そこに撮影など2重3重の暗喩と
類似。 本当の思いは自分でもなかなか言葉にできないもの。それが難しい。ずっと長く長く秘めた真実の思いを持つ親子。長い長いとき。もう新しいことはない。というセリフが、悲しい。がその逆を行く心情に深い深い監督の人間愛を感じる。
読み解く力が必要で、依正不二がうまく使われていた。現実感のある人にしかわからない現実の先の創造に温かみを受けた。真実は感じさせる。プライベートの現実とオーバーラップさせる技術を持っている監督ではなかろうか? 心情を読み解けると楽しめて、感情移入できる作品。おすすめ。見る側の人間味が試される作品。
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