「美しい映像詩。ただし、謎は言葉では説明されない」海獣の子供 LittleTitanさんの映画レビュー(感想・評価)
美しい映像詩。ただし、謎は言葉では説明されない
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全編を通じて、映像には目を見張る。
アニメ好きならずとも、大きなスクリーンで観て損しない、映像体験を与えてくれる。
ストーリーも、前半は惹きつける。
「海」と「空」の正体とは?
彼らを待ち受ける現象とは?
ただ高まった期待の答えが、言葉で語られることはない。
目眩く映像で、「海」が宇宙的な存在になったことは分かる。
また、この現象は今回だけでなく、過去にもあったし、これから繰り返されそうなことも分かる。
ただ、登場する大人たちと同様、観客にも謎の本質は語られない。
エヴァンゲリオンのTVシリーズの最終回なみに、投げっぱなしジャーマンをくらう。
加えて、日常に戻ったラストで、冒頭で琉花が抱えた問題が解決するが、ここもあまりにも説明不足。
なので、映像美に対する感動とは裏腹に、説明不足に対する消化不良も残る。
作り手は、観客に考えてほしいのかもしれないが、「海獣の子供」に関する謎については、情報量不足で、何をどう考えていいのか分からないし、そのことについて熟慮しようとする動機付けも得られない。
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