劇場公開日 2019年6月28日

「再生。& タイムリーな観賞で思ったこと」凪待ち ハムさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5再生。& タイムリーな観賞で思ったこと

2019年7月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

地上波で取り上げなかった良作。気づいて観賞できたのは、このアプリのお陰です。

再生の物語。震災からの、自堕落と不幸の連鎖からの。

主人公が堕ちていきまくる様子に、「彼は本当に1回死んで生き直せるのか!?」、はらはらしながら見守る映画。
このセリフが出てここで改心するのか!?と思いきや、さらに落とす演出に、見事にやられる。
香取さんの舌足らずな口調に、序盤こそ「SMAPの末っ子感抜けないな」と思ったが、これが逆にいいと途中で気づく。
主人公は、そんなヤツなのだ。
自分から暗い穴に墜落していく様も、身内にも他人にも甘える様も、あの口調だからこそしっくりきた。

犯人はズルバレしてる感有り有りだけど、犯人探しを楽しむ映画じゃないから、そんなに気にならなかった。
ただ、キャスティングが違えばどう感じたのかなー、とは思う。

ものすごく残念だったのは、外的要因…
小さいキャパのハコ、空席が目立つ館内、隣の隣の人が、前半の泣き所から後半の泣き所直前までずっと往復イビキをかいていたこと、、、、orz
平日午後とあり1人客が多いようだったので、起こすツレがいなかったのかもしれないけど、きっと周囲のみんなすごく残念だったと思うよ...
地味な映画には違いないけど、そんなに退屈だったのかなー... お仕事でお疲れだったのかもしれない。だけどだとしたら、出てってくれたほうがいい。

あと、、タイムリーに、「新しい地図の3人に、ジャニーズがTV出ないよう圧力?」という報道の直後の観賞。
小さい部屋での上映に、そんなこともあるのかな、と思いつつ観賞。

#ついでに少し触れると、当方、マスコミ関係で働いているけど、大手事務所が「辞めた@@を使わないでくれ」といちいち直接言ってくることは、あまり無いんじゃないかと思った。
事務所が変わると、太い営業パイプがあった状態からそうではなくなるということもあるし、もう慣習になってしまっていて、使うメディア側があえてキャスティングしなくなるということもある。さらに、
そういったタイミングに世に出たい、
チャンスを狙っている人が無数にいる世界でもあるし..
(つまり、替わりに輝く人が次々出てくる世界だから、移籍していくその人に固執する必要性も無いという現実もある。)
だからすごく難しい問題。

ただ、才能あるタレントさん・俳優さんたちには、移籍後にも活躍の場があって欲しい... そんな中で、香取さんはアイドルSMAPに居たあの頃にはきっとやれない・やらない役に、渾身の演技で挑まれた。
この映画が観れたこと、わたしは嬉しいです。

一方同時に思うことは、この映画のテーマは再生であるけど、香取慎吾という存在は、「一度も死んでない」ということ。
テーマがテーマだけに、退所したこととそれを重ねたくなるけれど、香取さんの積み上げてきたものは死んでおらず、全て延長線上にある。

引き続き、芸も歳も重ねていく香取さんを観たいです。

ハム