「僕的に酷かったポイント5選」劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン たんぽぽさんの映画レビュー(感想・評価)
僕的に酷かったポイント5選
1.とりあえずエモいを狙った演出、描写が多い
序盤からエモい映画特有の葉っぱやら紙やらを風に乗せて飛ばす映像で一気に冷める。キャラのセリフの浅さをカバーするために流れる盛大なBGM。
2.無意味に殺される生き物たち
子供に死後も手紙を送り続けた母親然り、作中に出てくる病気の少年然り、観客の同情を誘うために殺されている人が多すぎて辛い。島で子供たちに殺されていたカマキリに至っては本当に何のために殺されていたのかわからなかった。(あのカマキリには何かしらの比喩表現があったのかもしれませんが、僕の読解力ではわかりませんでした。)
3.一応手紙を題材としているんですよね?
病気の少年が亡くなる際に家族以外で手紙を書きたかった子に伝えられなかった言葉を電話で伝えるシーン、この映画のテーマは手紙のはずなのに最終的に電話を使ってしまったら設定がかなり破綻してしまう気がする。次の世代に連絡手段が変わっていっているということを表す描写だとも取れますが、それなら最初から手紙をメインにする必要がなかったと思います。
4.キャラの行動原理が単純すぎる
映画の尺的な問題もあるのでしょうが、映画内に出てくるショートストーリーが多すぎてキャラの心理描写を描き切れていない。最後に出てくる序盤と最後に出てくる女の子なんて自分の大好きな祖母を大切にしてくれなかった両親に怒りを抱いていたのに、エヴァーガーデンの身の上を知ったことから、「言葉は伝えられるときに伝えなくっちゃ」っていう母親との問題と全く関係のないメッセージを読み取り手紙を書いて和解するよくわからない展開。
5.少佐がクズ過ぎる
これは本当に個人的な理由なのですが、少佐がクズ過ぎて物語終盤笑うことしかできませんでした。いくら自分の親の意向を酌むためになったとはいえ軍で少佐ともなれば多かれ少なかれ人を導き人の命を扱うということについて考えているべきだと思います。それがいきなり、身寄りがない少女が酷い扱いを受けているというだけの理由でその子を引き取り、最終的にその子のことを自分が守り切ることができなかったら「俺には無理なんだ」と責任放棄する行動が捨て猫をかわいそうだからという理由で拾ってくる小学生そのものすぎて酷かったです。
あくまで一個人の感想ですが、あまりにもこの映画を高評価している人が多すぎたためこういう意見を持つ人がいるのだということを知って貰いたかったため書かせていただきました。