「「あいしてる」を知る、壮大な愛の物語」劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン ディンゴさんの映画レビュー(感想・評価)
「あいしてる」を知る、壮大な愛の物語
今作は2018年TV・Netflixで放送・配信され、全世界に多くのファンを得た傑作のアニメーションの劇場版です。
今作がファンを得た理由はそれぞれあると思いますが、私なりの理由としては、
・アニメの概念を超えた圧倒的な映像美
・感情が無い主人公が様々な出会いと別れで感情を得る
・手紙で伝えられる心の奥底の感情
他いろいろありますが、主にこれらです。
待望の劇場版にして完結となる今作は、
主人公のヴァイオレットが別れてしまった上官であり、
恩人でもあるギルベルトに最後に言われた、
「愛してる」
この意味とそれを伝える為に壮大な冒険が描かれています。
脚本の構成も見事で、今作には、
家族への愛・友人への愛・兄弟愛・思い人への愛と様々な愛が描かれていますが、
それをヴァイオレットという、
それまで感情が無く他者への思いを知らなかった少女が、
代筆で多くの手紙を書いて多くの人と出会った事で、
様々な感情を分かり始めたという純粋な感情と視点だからこそ、
とても美しい言葉と物語の展開が出来ていると思われます。
また作品のキーとなる「手紙」ですが、
デジタル化が進み、メールやLINEなど気軽に連絡が取れるようになった現代ですが、
手紙という人が考えて言葉を紡いで書く物だからこそ、
本当に伝えたい温かく優しい気持ちがあると、
どんな時代でもそれは変わらずあり続けると教えてくれます。
おそらく近いうちに海外で映画館で公開や配信などで、
全世界の人々が今作を観るかと思います。
今こんなご時世で苦しいですが、この温かく優しい気持ち、
そして「あいしてる」が届く事を祈っております。
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