「あいしてるが予測を超えた」劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン tomorrowさんの映画レビュー(感想・評価)
あいしてるが予測を超えた
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まずはこの作品が公開された事を心から讃えたいと思います。
死の淵にある少年のエピソードが不要という意見もありましたが、やや弱いエピソードながら、ヴァイオレットとギルベルト少佐の物語と呼応したエピソードで、私は不可欠なものと感じました。
少年はその心に反して、友人に会いたくない、と言い、少佐もヴァイオレットに会いたくないと言います。だが、少年は死の間際で、友人と(いずれ自動手記人形の仕事を奪うであろう)電話で会話を交わし、心を伝えます。結局会えなかったが、二人の絆は変わらなかったのです。
(電話とドア越しの違いはあるものの)「(少佐の)声だけでも聞けて良かった」とヴァイオレットが島を去るシーンを見て、私は、少年のエピソードから、心はつながっている二人だが、こちらもあえて会わずに、二人を引き裂いた「戦争」というものの傷痕は簡単には消えないものだ、という余韻を残す、苦い終わり方を、予測していました。
しかし、ヴァイオレットとギルベルトの「あいしてる」気持ちが、その連想を打ち破ったという所でしょうか。二人が抱き合うシーンは感動しました。ぜひご覧になって下さい。
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