「最高!!!しかし少し思う点も」劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 山下プレデリカさんの映画レビュー(感想・評価)
最高!!!しかし少し思う点も
最高でした。
....いや本当にこの言葉に尽きます。
作画の緻密さ演出。特にキャラクターひとりひとりの表情が本当にいいですね。
キャストの方の演技もただただ引き込まれました...只々脱帽
しかしどうしてもストーリーに好きになれない点が...
具体的に言うとギルベルト少佐が生きていたですね
TVシリーズで彼女が多くの人の気持ちに触れ
手紙を通し多くの人の願いを叶えるが彼女自身の願いはもう叶うことはなく
そこに彼女自身の葛藤やもどかしさ、辛さが外伝含め多く描かれてきたと思う。
その積み上げはギルベルトさんの死という前提があったものでしょう
本映画も思いを伝えるべき相手がいるユリス君に対し、願いがもう叶わないヴァイオレットが
対比として書かれているように思えた。思いを伝えれるときに伝えるべきと言ったのも指切りしたのもギルベルトさんとはもう会えないというのを自覚しているからであろう。
そんな積み上げに積み上げてきた問題提起の前提を
実は生きてましたとスッと崩されるのはかなり違和感を感じた。
え?散々少佐はもういないんだ....みたいなくだりがありながらそんな風に解決させるの???
みたいな
お祭りのシーンであった会話を借りるなら、
Q,”強く思えば願いが叶う。では願いが叶わない場合どうすれば?” という問いに
A,”願いが叶う状況用意したよ!”
という問題の前提を変えるご都合的な感じになっててそこが残念だった
どちらかというと彼女自身がどう少佐の死と向き合い生きていくかが見たかった。
というか、少佐に届かない手紙を書いたり大佐と船で思い出を慰めあったりとおっ!これは前を向く助走をつけてるなのように見えたのだが
....後半そこから180度変わって実は生きてました展開でかなり、ん?と思ってしまった。
本映画で描きたかったのは彼女の成長ではなく”思いは叶う”だったのだろうか
そんな気がします
と散々書きましたが、彼が生きてるとわかってからの各キャラクターの振る舞いや
感情の起伏はリアリティがあってかなり引き込まれました。
ギルベルトさんが生きている事を知らせなかったのも?納得できる理由があってよかった。
(少なくとも記憶喪失とか安易な理由でなくてよかった)
最後の駆けるシーンはずっと泣いてた気がする。
(というか泣けるアニメ作品って大体みんな走っている気がする。これされると涙腺が緩みます)
思った点はつらつら書きましたが何度も見たい傑作だと思います。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンという作品に出合え引き込まれたことを誇りに思います。
ありがとうございました。