劇場公開日 2018年11月16日

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「このイタリアからやってきた奇才は想像以上のバケモノだ。」ボーダーライン ソルジャーズ・デイ ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0このイタリアからやってきた奇才は想像以上のバケモノだ。

2018年11月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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ヴィルヌーヴ不在の続編など牙を失った猛獣に等しい、などと大口を叩いていた自分を呪いたくなるくらい、この続編には心臓を勢い良くズバンと射抜かれた。ぐうの音も出ないほど完敗である。今となってはエミリー・ブラントを出さなかった理由も痛いほど理解できる。彼女は自ら物語を切り開くヒロインだったわけではなく、むしろ観客目線で暗黒世界に足を踏み入れるカナリアだった。そんな彼女も現場を去り、そして我々は遂に誰の目も介することなく、あのヤバすぎる男たちのヒリヒリするほどの本性を直接的に目撃することに。ヴィルヌーヴからバトンを受け取ったステファノ・ソッリマ監督は、前作ほどの研ぎ澄まされた鋭さはないにしろ、猛獣が檻から放たれたような激しさと、心の痛みや悲しみを剥き出しにする演出が秀逸。それから本作はとにかくデル・トロとあの少女が魅せる。全くなんという骨太な展開なんだろう。おかげで今から最終章が楽しみでならない。

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牛津厚信