ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのレビュー・感想・評価
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永遠に見ていたいプラピとディカプの友情物語とタランティーノ監督の映画愛が爆発した前人未到の集大成
ピークの過ぎた落ち目のテレビスターのリックダルトンと彼の専属スタントマンで親友のクリフブースの2人が変化していく1969年のハリウッドの時代の流れに翻弄されながらも成功を目指す姿とカルト集団、マンソンファミリーによるシャロンテート殺人事件を描いた、クエンティンタランティーノ監督の集大成ともいえる映画愛に満ちた作品。
レオナルドディカプリオとブラットピットの2大スター夢の共演と大きく宣伝されていた今作。
共に90年台から今日に至るまでハリウッドの最前線で活躍し続けていた2人は意外なことに本作が初共演。
ハリウッドスターへの道が切り開けず、酒に溺れては泣きじゃくる、情緒不安定なディカプリオ演じるリックを無償の優しさでサポートし続けるプラピ演じるクリフの関係性が後光が差すほど眩しく美しく輝いており、特に第92回アカデミー賞において助演男優賞を受賞したブラットピットの存在感が抜群であった。
俳優として燻り続ける日々に神経質になりつつあるリックと対照的に自分にかけられた妻殺しの嫌疑や過去に映画製作の現場で他出演者と起こしたいざこざにより、製作関係者から煙たがられている現状をあっさりと仕方ないで片付け、リック専属のスタントマン兼ドライバー兼雑用係の生活も意外に悪くないと言わんばかりに自分らしさを失わない飄々とした余裕綽綽のブラットピットの演技が最高に素晴らしく、鑑賞中の感想の8割は「プラピ最高」だったと言っても過言ではなかった笑。
ヒッピーの少女に誘われ、かつて映画撮影所だったスパーン牧場を訪れた件で、明らかに雰囲気のおかしいヒッピーの少年少女の集まりにズカズカと踏み込んでいく度胸もさることながら、突如掌返しのように敵意を剥き出しにしてきた彼らを難なくかわし、悠々と帰っていく一連のシーンがめちゃくちゃカッコよくて、こんなに緊張感のある場面を全く動じずに切り抜けるキャラクター見たことなくてもはや感動してしまった笑。
一方でクリフの優しさにほぼおんぶに抱っこのリックはTVドラマの撮影に二日酔いで現場入り、終始咳や胆を吐き散らし、終いにはセリフを何度もすっぽかすというダメダメ振りを発揮するも、集中力を取り戻した本来の演技力で主演の若手俳優や監督らを魅了する見事な悪役を演じきって見せる活躍で、開始1時間半ほぼいいところ無しだったこともあってか観ててちょっと泣けてくる笑。
この時、スイッチを切り替える為にトレーラーで1人で自分自身を口汚く罵る件と共演者の少女マルベラに人生最高の演技と称されてちょっと泣くリックが情けないと共に応援したくなる愛されキャラだなと感じた笑。
それを順風満帆な役者人生を送ってきたように思えるディカプリオが演じる矛盾と新鮮さも面白いと感じた。
あとトレーラー内で鏡の中に映った自分を罵るシーンで鏡の中のリックがしっかりとカメラを見据えているのがうまいなと思った。
瀬戸際の日々を送るリックとクリフと対照的に世界的な成功を収め、華やかな日々を送る映画監督ロマンポランスキーの妻、女優のシャロンテート演じるマーゴットロビーがもう1人のメインキャストである。
ハリウッドのセレブたちに囲まれながら毎日パーティーに明け暮れ、 自分はこの映画に出演しているんだと唐突に言い出し、映画館に無料で入れてもらうという鋼のメンタルを持つ彼女の存在はまさに当時のハリウッドの栄光を象徴する華やかで美しい姿だった。
今作実際の1969年のハリウッドを再現したいというタランティーノ監督の強いこだわりから人々や街並みはおろか、実在した映画作品やハリウッドスターたちが至る所に登場する。
その全てが鑑賞者側が知っている体で話が進んでいく為、タランティーノ作品初心者及び50〜60年台の作品に詳しくない人(自分笑)にはあまり優しくない内容になっているかもしれない。
そしてそれはこの物語の大前提となっている1969年8月9日のシャロンテート殺人事件にもあてはまり、その事実を知っているかどうかで全体の構成や演出、さらにはラスト13分がその人にとってどう映るのか全く異なる点が非常に面白く、映画的な面白さを生み出していると感じた。
自分は初見時のラストはLSDをキメてラリったブラピが最高最高最高の後に不審者撃退の選択肢に火炎放射器を持ってくるディカプリオのイカれ具合に最高最高最高最高&鳴りを潜めていたタラ印のバイオレンス描写にキターーーーーーーーとなってしまい細部をあまり考えていなかったが、史実を理解してあのラストを見るとなんてご都合主義の改変だと思うと同時にこれが映画ならではの力技による奇跡だと感じたし、タイトルにも繋がる素晴らしい演出と感じ、鳥肌が止まらなかった。
タランティーノ監督にしては珍しい(ジャンゴ以来?)ハッピーエンドで、正直タラ節全開のバイオレンス映画を期待していた自分が恥ずかしくなるくらい暖かくて夢のあるラストだなと感じた笑。
あと最後に今作ですごい好きなのが至る所でリックたちがタバコを吸っているのだが、そのギリギリまで吸うケチ臭さやタバコが焼ける時の音がすごく良くて(非喫煙者だが笑)、IMAXで観たことによる1番良かった点が大画面でタバコをみみっちく吸うレオナルドディカプリオが観れた点だと思う!笑
2019年08月31日(土)1回目@TOHO日比谷IMAX
2020年12月09日(水)2回目@U-NEXT
ワンスアポンアタイムインハリウッド
キャスト紹介や音楽のレトロな感じが良い。
最後のはちゃめちゃ感はハリウッド感強い。
俳優を役名で呼びたくなる映画。超有名な2人が演じてるのにすごい。
終わり方も良い。ダルトンの明るい未来が容易に想像できる。
171分という長時間なのに飽きずに見れた。
ブラピがいい (^-^)!
トレーラーハウスに戻りワンちゃんと自分に夜食を作るシーン好きです(笑) ラストで侵入者を返り討ちにするシーンはスカッとしました! 不快に感じる方もいたでしょうが、僕は「ざまあみろ!思い知れ!」と思いながら観てました。 イカれた奴らは話したってわかりませんし、だから「狂信者」って呼ばれるんですから。
マクラが長い
最近何を観てないか忘れてる事が多くて、今もアニメ「進撃の巨人」を友人の息子から激推しされ追っかけてますが、その前に家にあるDVD片付けようとしてやっと見つけた今作😅
はい、タラちゃんファン失格😭
とは言え、何故手付かずになってたのか、あまり評判を聞かなくて、タラちゃん作品てまだまだ万人が知る所でも無いのかな😭クセが強いから‼️
早々にダルトンが「隣がポランスキー」と言うのでゾクゾク😱、シャロンテートがマーゴットちゃん😍それだけで掴みはOK🙆♂️だったけど、それからが長い😫
120分経ってお待ちかねのシーン👍
タラちゃんお得意の❓歴史書き換え😱
そして今迄従順だったあの犬があそこまでするか‼️
極め付けの火炎放射器❗️爆笑😂
残り40分だけなら満点なんだけどなあ。
前半はタラちゃんレベルの映画オタク向け。
残念ながら自分はそのレベルでは無かった😩
あと、ディカプリオにマカロニウエスタンに行かせるって件、ディカプリオがイタリア系だからという皮肉込みなのかな❓
火炎放射器の取り扱いには細心の注意を🔥🔥
ディカプリオがパチーノ御爺と話した後、真正面でカウンターに座りカクテルを呑んでいるシーンは本人好きすぎてジャック・ニコルソン化しているし、なんなら「ドクター・スリープ」の出来損ないのジャック・ニコルソンよりジャック・ニコルソンしている。悪役の姿はモーター・ヘッドのレミーにしか見えないし、ブラピに限っては時代設定も相俟って若かりし頃のロバート・レッドフォードにしか見えないと、主演のふたりが違う人にも見えちゃう特典ボーナス付きの得した感にホクホク。
ひたすらキラキラしているマーゴット・ロビーが可愛かった。
しつこいけど、「ドクター・スリープ」の出来損ないのジャック・ニコルソンより、リー、ポランスキー、マックイーン、マンソンは本人に寄せているなと感心。
映画で史実に復讐のタランティーノ節炸裂のラストはテッパンの痛快&爽快で今回もサンキュー!タランティーノ!!でした。
クライマックスは宣伝どおりの衝撃!
タランティーノ作品は初鑑賞。ディカプリオ、ブラピ、マーゴット・ロビーと好きな俳優さんが3人も主役キャラで出演されているということで観た。
感想
タランティーノ監督作は過激な映画が多いと聞いてたのですが、そのとおりだった。序盤のナチスを火炎放射器で焼き殺す劇中劇の衝撃のシーンから始まり、そんな場面がいっぱい!それでいて、60年代後半のリアルなハリウッド表現は当時を知らない私でも、何故か懐かしく感じて幸せな気分になれた。マリリンモンローやジャッキーチェンなど知っている俳優さんが出ている(ポスターや再現キャラとして)のも好印象だ。
何より、この映画のメインテーマであるシャロンテート惨殺事件の扱い方に救われた。この映画を観るためにこの事件を調べて初めて知りましたが、知った時は言葉も出ない衝撃を受けた。それが、まるで報われるかのようなラストには、感銘を受けた。
演者さんの演技も、自然そのもので素晴らしかった。特に、アカデミー賞を受賞されたブラピの演技は本当にリック(ディカプリオ)のことを思っての行動というのが自然と伝わってきた。クリフとリックの熟年夫婦みたいな関係は見ているだけでニヤついてしまう程に微笑ましい。
また、今作のキーパーソンであるシャロンテートを演じているマーゴット・ロビーさんの演技も自然そのものでとにかく可愛いかった。だからこそ、シャロンが出ている映画をシャロン自身(マーゴット・ロビー)が観る場面はなんだか切なくなった。
マンソンファミリーの場面はいつも緊張気味だった。この要素が今作の一見中だるみにも思える日常パートを面白くしていたのだと思う。
当然、ディカプリオも素晴らしく、売れない俳優の自然な演技で応援したくなった。
ただ、少し長いようにも若干感じた。
総評
懐かしさと新しさの両方を持ち合わせた良作。不思議な感覚の映画。他のタランティーノ作品も観てみたくなったので、観てみようかな⁈
最後に、やはりマーゴット・ロビーは可愛い!
ある意味ヒーローもの
シャロンテート殺人事件の史実を題材に、その時代の映画業界、時代を背景に、落ち目の元スター俳優とそのスタントマンの友情を描く。
配役がデカプリオとブラピなので、絵的に十分持ちこたえられる。ストーリとしては、シャロンテート事件をググって来なかった人にはピンと来ない。ついでにブルースリーを知らないひとには、あれは日本人の加藤さんにみえるでしょう。
シャロンテート事件をググって来ていたので、あの残忍な殺人事件が、タランティーノの得意な殺人シーンに再現されるのかと怖いものみたさでいたけれど、結局、その隣人のデカプリオとブラピが救うかたちになって、ああ、こんな風にあのときもなればよかったのにと思えた。ある意味、ヒーローものでもある。
こりゃ、いったい何だったんですかねぇ。
最初にいきなり栄光の頂点の座を掴み、そこからジリ貧、ジリ貧、またジリ貧という人気商売の悲哀を、これでもかと描く映画で、多くの人の身につまされるエピソードが盛り込まれています。
ただ、まあ、自分の専属スタントマンに対するリスペクトの念も薄い主人公の行動に、同情の念はなかなか浮かばないのですが、これがアメリカ人の気質なのかな、なんて感じました。
これは史実…
と思わせといて、ラストはタランティーノ炸裂という、悪をギッタギタにバイオレンス満載。ブラピ強過ぎ、ディカプリオの火炎放射器って。マーゴットは添え物?無事で良かった。途中まで古き良きハリウッド?落ち目のTV役者とそれに付き添うスタント兼世話役の話で、方向性が見えなかったけど、最後は楽しめた。マンソンのアジトに踏み込むブラピのシーンは緊張感あった。オスカー受賞のディカプリオより、ブラピの方が存在感があった。
口クリック音を練習しました
けっこう寄り道する。
帰宅するだけのドライブを追ったり、街をゆくヒッピー少女たちを見せたり、プールパーティーの様子を切り取ったり、アンテナ修理するシーンもあるし、撮影所の出待ちの子役と話す場面、テートがサイレンサー破壊部隊を見ながら周囲の様子をうかがうだけの描写もある・・・半尺すぎるまで、枝葉な描写を重ねている。
おそらくタランティーノは、自分の映画のファンの好みを知っている。
併せて、60年代後期のアメリカの風俗が世界じゅうの人々から愛されていることも知っている。
だから映画のなかに、一見無縁な寄り道=ファンサービスを、たっぷり挿入してくる──と思えた。
大脱走の最終候補のエピソードや、テートがテスの初版本を取りに来るシーンなんか、すごいあざといと思う。
タランティーノはそれらのシーンが、映画ファンたちの熱論にのぼることを目論んで撮っているはずだ。
実在する名やタイトルで語られる点景に心躍るものの、そんなあざとさもあって、半尺もくると、だんだん、本筋を進めてほしいと思えてきた。
ところが、それまでどことなく諧謔的なオーバーアクションだったディカプリオが娘を拉致/誘拐して身代を持ってこさせるくだりの映画中映画シーンでふいに魂がはいる。リックダルトンが突然本気の演技をはじめる。
時代点景の羅列のようだった映画が、一転して「むかしむかしある時ハリウッドで」の本筋に入ってくる。
その変わり目はほとんど意識できないが、クリフが三度目の正直で少女を拾い、ヒッピーに乗っ取られた撮影所跡地に踏み入ると、もうすでにタランティーノのたなごころにある。
イタリアから戻ると時間割でサスペンスフルに展開する。
因みに、ちんぽ切って食わせてやろう──とは意気込んだものの、侵入先の相手が悪すぎて、その後の圧倒的な狂乱は映画史に残る楽しさだった。とりわけ火炎放射器は見たこともないほど鮮やかな伏線消化だった。
タランティーノの魅力とは倫理感の逆手にある気がします。たとえばヘイトフルのJennifer Jason Leighも男にぶん殴られるのですが、ここでも、いくら賊とはいえ、いくらLSD漬たばこの影響下にあるとはいえ、屈強な男が少女の顔面を、暖炉レンガに打ち付け、テーブルに打ち付け、レリーフに打ち付け、完全ざくろにする──その最中にも、鼻を折られ犬に噛まれた別の少女が長径銃を撃ちまくりながら大絶叫で走り回っているわけです。こんなAbused Womanの反転、そのまた反転──みたいな描写ってタランティーノしかありません。その爆発的痛快度=衝撃と哄笑。お、おい、ちょ、ちょ、ちょとしか言えません。また細かいことですが、クリフ/ピットがブルに指令を出すときの口クリック音がめちゃカッコいいのです。家で練習しましたがぜんぜん出来ませんでした。
予備知識なく、テート/マンソンの話だとばかり思っていて、こうなる話だとは想像もできなかった=術中にはまった、ほんとに面白い映画です。タランティーノの豪腕をつくづく思い知りました。
余談ながら、ちょい役ですがリックのイタリア嫁役のLorenza Izzoすごく巧いと思う。Holidays(2016)というホラーオムニバスの終話の彼女が素敵でした。
ところでタランティーノは嫌煙協会かなにかからの嫌味に遭って、依怙地になってしまったんだろうか──わたしも喫煙者なのだが、いいかげんやめたらと思えるほど咥えっぱなしだった。
ディカプリオとブラピの豪華出演。
ディカプリののスタントとして雇われているブラピ。
なんか先輩を顎で使っている感じが最初からコミカルだった。
所々で見せるブラピの肉体美とボケ感。
なぜかツボにはまって面白かった。
最後は少し焦る感じのホラー。
少しドキドキしてしまったけど、なんか呆気ない終わり方。
昔の映画の雰囲気とか楽しめたし、それなりに面白かったよ。
ブラピがアカデミー取ったので見てみたら
先入観持たずに見ました。
ドキュメンタリーなのか、
ファンタジーなのか、
そっくりさんショーなのか、
掴みどころがなかった、というのが正直なところ。
繋がりにくい話が散りばめられていて、
なかなか理解困難であった。
全編にノスタルジーは感じて時代を楽しめたが、
期待していた「楽しいハリウッド」というイメージとは違っていた…
実はホラー映画だったのでしょうか…
スターチャンネルにて
さすがタランティーノ
タランティーノ作品が好きで、さらに、ディカプリオとブラピ 共演ということでかなり期待していましたが、さすがタランティーノ!という感じでした。
今作も見終わった後のスカッと感が最高でした!
最初から最後までタランティーノ節が炸裂していて、個人的にはずっと見ていたいと思える世界観でした。
1960年代のアメリカという設定も、シャロンステート殺害事件という猟奇的殺人事件という、個人的に興味しかない設定で、ずっと見ていられました。
主演の二人の演技の旨さは勿論、ハリウッド映画撮影現場での子役の子供や、ヒッピー役の女性、シャロンステート役のマーゴットロビーなど、登場人物全てが魅力的で、とても楽しめました!
突然見始めると、何がなんだかわからなくなりそうなので、1960年のハリウッドの歴史背景を予習してから見るのをお勧めします。
ディカプリオ&ブラッドピット、二度と見れない共演❗️ そしてタランティーノ風60年代❗️
60年代当時のハリウッドをタランティーノが完全再現するのがさすがだなと思いました!
ラストのブラッドピットVSDQN3人組の対決が衝撃でした❗️
最高!
タランティーノは苦手だったんで、期待しないで鑑賞。
観終わって、久しぶりにスカッとする作品でした。
ポランスキーとシャロン・テートが出てきて、悲劇的な終わり方をするのかという予想は見事に裏切られ、あの日、隣にダメダメ2人組がいたら、あのようになったかもと思わせてくれて、本当にスカッとしました。
落ちを観てから、安心しながら観る二度目が楽しめました。
ディカプリオの役柄が、イーストウッドとダブらせてるところも凄く良いです。
歴史スペクタクル
WOWOWにて前情報なく視聴。
DVDで年に数回観たい。
ただ一度レビューを書いたが、アプリが落ちてしまい全て消えてしまったため軽めに。
テーマは「あの頃を楽しむ」かな、と。
『ALWAYZ 三丁目の夕日』のように、古き良きノスタルジックを楽しむと共に、自分は全く産まれもいない1960年代への想像を掻き立ててくれる作品。
調べてみると、車や装飾品はもとより、整髪料まで当時の物を使っているというこだわりが、あの頃のハリウッドの空気感まで再現している、と思わされる。
音楽が随所に流れ、しかもセンスが良く、雰囲気の再現というだけでも充分に楽しめる。
加えてメインの3人の魅力は素晴らしい。
リック・ダルトンは、情けない自分への不甲斐なさと哀愁漂う切なさを感じながらも乗り越えていく。クリフは冷静さの中の暴力性と狂気と色気が混じり、境遇へ同情する。シャロン・テートはとにかくキュート。
それぞれの微妙な立ち位置と関係性に段々と共感していくので、ラストでは大いなるカタルシスを得られた。
女性や先住民への差別的表現など敢えて出しているのは、あくまでも"当時"を再現しているからかな、と。
観て不快に感じる方もいるだろうが、それは人それぞれ。
一つの価値観の押しつけでない、それでこその映画であると思う。
とはいえそこは映画の本筋ではなく、自身の見せたいものを作り込み、表現していく「作品」として素晴らしい。
極上のB級映画、繰り返し観たい作品。
以下、印象的なセリフ。
「屋敷は存在の証」
「兄弟以上 妻未満の奴との終焉が近付いたら、酔い潰れるのが正しい儀式だ」
「完全に酔ったリックがマルゲリータを作り始めた」
ごめんなさい。私にはダメだけど。
一言「私の161分間を返して・・・!」。
映画サイトの評価も高く、ブラピのオスカー助演男優賞&美術賞受賞作。
だけど161分の尺の長さと、「監督:クエンティン・タランティーノ」の文字を見て嫌な予感。
△いまいちな点△
・「映画の中で映画を撮っている」シーンが多い前半。
「大脱走」のマックイーンの話など、1969年頃の映画ネタが盛り込まれているようで。
その辺あまり知らないので、さらっと見てしまう。
・スタントマンの話かと思いきや、その場面自体はさほどない。
あれ?と喉に小魚が入ってる状態が続くのがなあ。
・1時間毎ぐらいに話の方向が変わり。
それはいいのだけど、ダラーんとしてる感じ。もうちょっと縮められなかったのか?。
・クライマックスシーンは、「なんじゃこりゃー」状態。タランティーノ節全開
PG12なのもうなづける。強烈すぎ。
◎それなりに、よかった点◎
・「役者とそのスタントマン」を越えた、二人の絆を感じさせるところはいい。
この作品、実際にあった事件が下敷きにあったようで(ネタバレなので書かない)。
関連作品で出てきてやっと、「それでこれか」って分かりました。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「お前ら現実だよな」。
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