ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのレビュー・感想・評価
全631件中、341~360件目を表示
監督は歴史を作り替えたかったんだ
1969年 ハリウッド。
リック ダルトンはアクションヒーローもので売れっ子のテレビ番組の俳優だ。テレビの仕事がマンネリ化してきて、映画界で活躍したいと思っている。ヒーロー役ばかり演じて来たが、実はクソ真面目で、繊細で、泣き上戸。演技が上手くいかなかったと思い込んで落ち込んだり、台詞が上手く覚えられなくて自信を失ったり、不安神経病ともいうべき性格で喜怒哀楽が激しい。仲間と一緒にいると豪胆だが、一人きりになると頼りない。落ち込んで8歳の子役に肩を抱かれてなぐさめられて、やっと立ち直れたりする愛すべきキャラだ。有名俳優の邸宅が立ち並ぶ高級住宅地ベルエアの高台に住んでいるその隣には、ロマン ポランスキ監督と女優のシャロン テイトが住んでいる。リックのスタントマン兼、運転手のクリフは唯一無二の親友だ。
クリフは9年間余り、リックのためにスタントマン、運転手、ガードマン、付き人として働いてきたが、リックと反対に感情を表に表さないクールな男だ。スタントマンとして撮影ごとに移動できるようにトラクターで生活している。いっこう家を買って定住したり、結婚するわけでなく、人気役者になりたいわけでなく、愛犬のピットブルと一緒に気楽な生活をしている。もっぱら腕力が強く、関係者の間では、妻を殺したことのある男として、ちょっと有名だ。体に自信があるから怖いものなし、失うものもないので不安も不満も持たない。リックとの友情に篤く、クールな男の中の男だ。リックとクリフは二人、泣き笑いを共にして夫婦や兄弟よりも強い絆でつながれていた。
ある日、クリフは待ち時間に、ブルース リーと口争いをしたすえ格闘技で喧嘩する結果になってしまって、スタントマンの仕事を会社から解雇される。そんなクリフは、リックを撮影所に車でドロップしたあと、ヒッチハイクしていたヒッピーの少女を拾う。彼女はジョージと言う名の男が主催するコミューンに住んでいるという。ジョージはむかしクリフと一緒にスタントマンをやっていた仲間だった。しばらく顔を見なかったが、昔使われて、廃墟になった撮影場所に住み着いて、家出少女を集めてコミューンを作ったらしい。会いに行くとジョージはすでに盲目になっていて、クリフのことを覚えても居なかった。
6か月経った。リックはイタリア人監督の強い勧めで、ヨーロッパに渡りマカロニウェスタンのヒーローとして映画に出演し、そこそこに成功して、ハリウッドに帰って来た。共演したイタリア女優フランチェスカと結婚していた。クリフに空港で迎えられ、家に戻ったリックは、クリフに苦しい心の内を打ち明ける。イタリア映画界で作ったお金で結婚生活を続けることはできると思うが、ハリウッドの一等地で今まで所有してきた家を維持するほどの力はない。まして昔の様に、クリフをスタントマン兼、運転手として給与を払っていくことができない。9年間の二人の友情と結びつきが、役者として落ち目になってきたリックには限界に達していた。そこで二人の男達は、お別れに、昔からよくやっていたように飲み明かそうということで一致した。1969年8月9日のことだった。
二人はレストラン食事をしたあとリックの家に戻り、飲み直す。武装した3人の男女が家に押し入った時、リックはプールに浮かんで飲みながら、イヤホンで音楽を聴いていた。クリスは犬の散歩から帰ったところで、昔ヒッピーからもらったマリファナを吸っていて、物が二重に見える状態だった。クリスに向かって、男が銃を構え、2人の女たちがナイフを持って飛び掛かって来る。彼らは、カルトの主、ジョージから、昔テリー メジャーが住んでいた家に行き、家にいる住人をすべて殺してくるように命令されていた。クリスとピットブルは、強盗達に立ち向かい、男と女ひとりを始末するが、クリスは重傷を負い倒れる。一人の女は何も知らずにプールで浮かんでいるリックをアタックした。リックはとっさの判断で映画で使ったことのある火炎放射器で狂った女を始末する。救急車と警察が到着し、怪我をしたクリフを病院に搬送する。
警察も救急車もすべて立ち去った後、となりの家からポランスキーの友人、ジェイが出て来て、リックになにが起こったのか問う。リックの家に強盗が入ったことを知って、シャロンはリックを自分に家に誘い入れる。シャロンと、その友人夫婦とリックの5人がにこやかに、ポランスキー邸に入る後ろ姿で、映画が終わる。1969年8月9日深夜のことだった。
というストーリー。
クエン タランテイーノの9作目の監督作。彼自身の思い出と郷愁のつまったハリウッド物語だ。1969年、彼は、ロスアンデルスに住む6歳の子供だった。映画好きな母親に連れられて映画を子守唄代わりに育てられたそうだ。1969年あの時代が再現されている。60年代の車、大型のキャデラックやフォードやムスタングが走り、映画館には制服を着た売り子と、正装した支配人がちゃんと居る。ハリウッドの撮影所も規模は大きいが、すべて手造りで劇場を大きくしたようなものだ。スターたちが使うトレーラーも、キャンピングカー程度の出来だ。スターたちのあこがれの坂上の高級住宅 ベルエアの邸宅も今アメリカ映画に出てくる豪邸とは比べ物にならない、普通の家よりちょっと大きめ、という感じだ。当時からセレブが集まったプレイボーイハウスも、それほど派手ではない。すべてが60年代のアメリカの姿で、リバイバルされている。この時代のハリウッドを知っている人にとっては涙ものだろう。
この映画は言うまでもなく1969年8月9日深夜に起きたシャロン テート事件を核にしている。この事件はあまりにもおぞましく、この50年間人々は誰も口にしたがらなかった。思い出したくもなかった。でもこのとき6歳だったタランテイーノにとっては、ハリウッドで生活してきて彼なりの解釈とおさらいをしておきたかったのだろう。彼はシャロンについて取材し、誰に聞いてもシャロンのことを悪く言う人は一人として見当たらなかった、と言う。文字通り天使のような女性だったシャロンが、監督と結婚して妊娠して人生のもっとも美しい喜びに満ちた日々を送っている姿に、新たに命を吹き込みたかったのだろう。
現実では当時、ポランスキーは仕事で海外に居た。シャロンは3人の友人と、通りすがりだった男の5人が一緒に、チャールズマンソンを盲信するカルト信者の3人の男女によって惨殺された。当時26歳で妊娠8か月だったシャロンはナイフで16か所刺されシャンデリアからつるされ、血でPIGと書かれた床には、生まれることのなかった男の胎児が落下してる姿で発見された。
チャールズ マンソンは音楽家だった時もあり、自作の曲を何度もメジャーデビューさせようとテリー メルジャーに頼み込んでいたが、成功しなかったことで、テリーを恨んでいた。テリーが以前、住んでいたのが、ポランスキーとシャロン テートが移り住んできた家だった。犯行の動機はそれ以外には考えられない。マンソンはまともな教育を受けおらず、子供の時から犯罪行為で警察と矯正施設を行き来していたが、自作の曲、数曲はレコーデイングされていて、ビーチボーイズやほかの音楽家との交流もあった。家出少女やヒッピーを集めてコミューンを作り、LSDで信者を洗脳し、聖書を自分流に作り直しカルトを作り出した。1969年の無差別殺害を首謀したことで収監され、2017年に83歳で獄死した。
シャロン テート事件はあまりに凄惨な事件で、LSDと、ベトナム進駐で汚染されていたアメリカの姿を映し出した。歴史を変えることはできないが、タランテイーノはハリウッドを愛する者として1969年を描き直したかったのだろう。
さすがにレオナルド デカプリオとブラッド ピット2大スターの息がぴったり合って居る。演じているリックとクリフと、本人たちの性格がかぎりなく本物に近いそうだ。レオナルドのくそまじめで、喜怒哀楽が激しいところと、ブラピのクールなところがそのまま映画でも表現されている。リックが、映画で何度も「おまえ俺の親友だろう?」と、確認するように言うたびに、クリフが、鷹揚に「I WILL TRY。」と答えるところなど、二人の性格の違いががよく表れている。インタビューで、「二人は本当に実生活でも親友なの?」と聞かれて、レオナルドが、生真面目に言葉を選んで言葉に詰まっているところを、ブラピが、即座に「撮影中8か月も一緒だったんだぜ。トイレもシャワーも食堂も8か月間、一緒に使ってたんだから、当然でしょ。」と答えていた。こんな自然なやりとりも映画のようで興味深い。
リックはテレビシリーズでいつもヒーローだが、映画界で成功したい。にも拘らず監督が持ってくるのは、マカロニウェスタンの悪役だ。すっかり落ち込んで泣き顔のリックを家までクリフが送る。その二人の目の前で、ポランスキーとシャロンが幸せそうにスポーツカーで去っていく。途端にリックが「おい、見たか?ポランスキとシャロンだぜ。おい、おい、本物だぜ」と、高校生のようにはしゃぎだして元気になるリック。落ち込んだ親友の慰め役だったクリフが、すっかり鬱から回復したリックを見て「やれやれ」と、リックの肩をたたいて別れるシーンなど、笑わせてくれる。
リックが西部劇でメキシコ国境の酒場での撮影中、台詞を忘れるところもおかしい。リックが、トチっても全く表情を変えずにいるカウボーイを前に、忘れた台詞が出てくるまで大汗かいてシーンのやり直しを繰り返す。こういうデカプリオの一生懸命なとき、役者魂が乗り移ったような 凄みのある演技をする。良い役者だ。
クリフは、リックの頼みで屋根に上って、裸になってテレビアンテナを直すシーンがある。50代になっても贅肉ひとつついていない、引き締まった青年のような体が美しい。また、格闘技のすばやい身のこなしも素晴らしい。背も体格もデカプリオの方が大きいが、ブラピのアクションのキレは、日々の厳しい鍛錬の結果だろう。立派な役者だと思う。
シャロン役のマーゴ ロビーがフォックススタジオの映画館で自分がデイーン マーチンを共演した「THE WRECKING CREW」(サイレンサー第4破壊部隊)19868が上映されているのを見て受付嬢に「私この映画に出てるのよ。」と思わず嬉しくて言うシーンがある。映画のためにポスターの前でポーズをとったり、上映中人々がおかしくて笑うところで、その反応を喜んだり、上映が終わってルンルン気分でアニストンを運転して帰る姿など愛らしい。タランテイーノ曰く、「天使のような子」が、光り輝いている。「ミスターロビンソン」の音楽に合わせて膝上20センチのミニスカート、ブーツ姿で歩く様子も生きている喜びに溢れている。
タランテイーノは自分なりの1969年を描いた。しかし現実は1969年には、深刻なベトナム戦争による弊害で、アメリカ社会は潰れそうだった。まだPTSD(戦争後遺症)といった概念はなかった。それにまだアメリカには徴兵制があった。血を見たこともなかったような子供みたいに純真な若い人々が徴兵でベトナムに送られ、ベトナムの女子供を殺すように教育されたのだ。LSDなどのドラッグが、あっという間に蔓延するのは当然だった。おかげで今では銃も、ドラッグも自由に手に入る。1969年が良い時代だったかどうか、答えはひとつではない。
私には
最高傑作
あいもかわらずタランティーノ節
序盤は淡々とした映像が続き、事件の事を調べずに観ていたら何を見せられているのかよくわからなかったかもしれない。
が、ブラピ演じるクリフがヒッピー達の住むスパーン牧場に行った辺りで空気が変わる。何かが始まりそうで始まらなくて、でも始まりそうな。ジリジリとした時間。
後半急にナレーションが加わり、別の映画のようにスピーディーに物語が展開される。そう、あの事件に向かって。
予告にもあった後半13分はまさにタランティーノ節。
不謹慎だけど笑わずにはいられない。
なんだかとても自由で、こんなに大きなバジェットでも自分の好きなように映画作っていいんだなと思った。
タランティーノの正義?
観終わってからしばらくは、この映画は何を描こうとしたのか考えてしまう。これといったストーリーもなく、描かれるのはリックとクリフのコンビをはじめ、ハリウッドに生きる人々の日常の営みだけである。ラストの事件が一つの主題になっているが、タランティーノは自分の考える正義を実現したかったのかと思う。シャロンテートは今日、悲劇の人物としてしか認識されていないが、彼女の女優としての日常生活に光を当てることで1969年当時のハリウッドに光を当てたかったのかと解釈した。スティーブマックイーンやブルースリーが少し戯画化されて出てくるのも面白い。誰もが不安や葛藤を抱えながらも生き生きとしている所がいい。当時の街並みの再現や、映画製作の現場の念入りなシーンにはノスタルジックな強い映画愛を感じる。
レオナルドディカプリオとブラッドピットという二大スターの競演も、今は遠い昔のこととしてしか語られないハリウッドの光と影を描くのに最適な配役だと思えてしまう。
ブラッド・ピット
タランティーノファン、そして映画マニアに贈る最高のプレゼント
デュニ・ヴィルヌーヴ監督、クルストファー・ノーラン監督とともに、公開されたら必ず見る監督の一人、タランティーノ監督の待望の新作であり、大傑作だ。
冒頭からクスリと笑わせ、ファンにはたまらない独特の時間軸で物語は進む。サスペンスの何たるかを分かっていながら、そこを外したり、射止めたりと、器用な編集ぶりを見せつける。
なんでもない顔のアップだけで、これだけサスペンスを高められる監督は、ヒッチコックとタランティーノだけだろう。
はっきり言って相当の映画通でないと楽しめない「映画偏差値」の高い映画。つまらないとか退屈だとか、暴力シーンが納得できないなどと言う見当違いの意見もうなずける。アル・パチーノが出てきた時に、「あっ!彼だ」と気がつかない方には申し訳ないが、楽しめない映画かも知れない。
しかし、過去に数千本の映画を見てきたファン、映画通であればあるほど、ラストシーンに向けて心臓が破裂しそうになるほど、ドキドキするはずだ。さらに、そのドキドキの最後の最後に長年映画を見てきた映画バカへの素晴らしいプレゼントをタランティーノが準備してくれる。
一部指摘されているとおり、ブルース・リーと、デニス・ホッパーの扱いはやや不当な印象も受けるが、総合的には映画愛に満ち溢れていて、時間の経つのが快適だった。
主演の3人に加え、アル・パチーノ、ダコタ・ファニング、カート・ラッセルらもいい味を出している。BGMもとてもいい。
2019年を代表する映画バカによる映画バカへの最高の贈り物。彼と同時代に生きながら、この映画を見ないなんて勿体なさすぎる!村上春樹の新刊が出たら、読むのと同じこと。
ぜひ劇場の大スクリーンでポップコーンを齧りながら楽しんでいただきたい!
タイトルなし(ネタバレ)
☆☆☆★★
「アンドリュー・V・マクラグレンじゃないから!」
その台詞で表される、絶妙な映画とテレビとの距離感や、ハリウッドの業界内での人間関係。それらを縦軸とし。ハリウッドで最大の悲劇となった事件を、[無きモノ]とすべきお伽話。
これは、タランティーノがハリウッドの女神(ミューズ)で在ったシャロン・テートへ贈る鎮魂歌。
ラストシーンで画面に映る彼女の姿、そのものが感動となる。
〝もしも彼女が生き続けていたならば〟
更には、タランティーノ的な味付け(遊び)として。
もしもイーストウッドが、才能の無いちゃらんぽらんな西部劇俳優だったならば…。
ハリウッドの歴史は、大きく変わっていたのかも知れない…と。
但し。シャロン・テートを巡る、悲劇の事件の事を知る日本人は少ないので、ラストシーンに訪れる感動を味わうには、事前に多少の知識は必要だし。何よりも、タランティーノ作品らしく。中盤では、最早タランティーノ印と言っても良い程に…。
長〜い!長〜〜〜〜い! ダラダラ感を過ぎた先で、やっと訪れる一気呵成の[暴力・殺戮・スプラッター]のオンパレード。
そこに至るまでに、気持ちを切れずに画面を見続けていられるかどうか…。
それこそが、この作品を楽しむ1番大きな要因でしょうか。
2019年 8月31日 イオンシネマ市川妙典/スクリーン7
↓ 以下。映画とは直接関係のない、取り止めのない体験談。
この夏、徹夜続きの仕事の影響もあるが。余りの暑さによって、全く映画館へとは足が向かわない日々。
今日まで鑑賞可能なイオンのポイントが無ければ、おそらく家でグダグダしていた事だろう。
「せっかくのポイント無料券を無駄にするのもなぁ〜」と、電車に乗り込んだ…その刹那。
冷房でビンビンに冷やされたその車内に。ひたすら夏の間に冷たい水分を散々取り入れた、暴飲暴食のツケが一気に襲い掛かる。
突然に襲い掛かる腹痛!
必死になって全神経を集中させ、ケツの穴に力を込める。
が…しかし!
次の瞬間に。我がパンツにはほんのすこしの濡れそぼり、この押し寄せる【脱糞感】(p_-)
幸いにして少しだけの水分(下痢ッピー)で済んだモノの。つくづくと、おじさんになってしまった我が身の哀れさに悲しみを隠せずに、何とかかんとか映画館へと到着する。
…と。一気に心が荒む様な場末感を味わった、ダラダラな脱糞オヤジのこの体験談。
だが案外と、タランティーノ作品を鑑賞するには相応しいのかも?…と。暫し自分の身の上に降りかかった不幸を正当化し、スクリーンへと身を委ねたのでした(。-_-。)
バイオレンスで愛に溢れた世界
カルトムービーっていつも評価が分かれるのなんで
ブレードランナーのように熱烈なマニアなら支持するだろうし、そうでもなければ、退屈な時間を過ごすことになりそうだ。
特にレオのパートで、セリフが飛んで、前日に8杯も酒を飲んでしまい自らを罵るシーン、逆に綿密にセリフを最高の演技をした後の感慨深い表情やラストのタバコのCMシーンなど、カメラロールとオフの表情の変化は見事である。役者の苦悩がストレートに伝わるだろう。
ブラピのパートはかなりスローテンポで進むが、レオよりもブラピが売れてない設定は、どう考えてもブラピのオーラからして違和感しかない。ファイティングシーンはタランティーノ節が炸裂して、グロテスクな愛情表現が残像に残る。Ifが存在するなら、こういう結末もありなのだろう。
マーゴットロビーのシーンは全く別の映画のようで、もはやどう展開されるのかなんて全く度外視のストーリー。もっと早い段階で接触があって欲しかった。
カメラワークやいろんなオマージュ、撮影セット、暴力シーンも監督がやりたかったことがこの映画で体現できたならファンも嬉しいのでしょうから、めでたしめでたし、というところだろうか。
知らずに見ると痛い目にあいます
てっきり、事件を描くのかと…。
う〜ん‥
栄光と挫折
面白かったが故にリピートしたくない映画がまさにこのワンハリだった
シャロンテートの事など何も知らないような自分にも十分楽しめたし、後からネットや雑誌のデータを捕捉する事もやぶさかではないし、でも事前に知識があり、当時のハリウッドの雰囲気も把握していて"その文化に馴染みのある外国人"の方がちゃんと楽しめるんだろうね
そもそも前情報や事前知識がないと楽しめないと思ってる層には向かないだろうね
日本の時代劇や海外の戦争映画もそれで敬遠する人も多いだろうし
まあ最低限、タランティーノ作品独特の雰囲気を受け入れてないとひたすら冗長に感じる映画だろうな、とは思う
なので映画として刺激的だとか発想が云々とかそういうんじゃないし、ディカプリオとブラピの共演が〜というのも割とどうでもいい
勿論この2人の俳優の演技は素晴らしかったです
結果的に良かったのは…
映画として成立させるストーリーの為の構成というものがほとんどなかった
…これはタランティーノ作品においては今に始まった事ではないけれど、今作は特にそれが顕著であると思う
何より小気味いいのは"史実"や"あの当時"というリアルが下敷きになっているのに、主役2人は架空の人物で、史実通りのオチを迎えないという点
そんなんありか?と、タランティーノ作品には目から鱗という部分がある
作品の外側で印象的なのは、ブルースリーの作品内の扱いについてブラピ自身が「ホントにこれでいいのか?」と躊躇したというエピソード
ブルースリーファン視点で見れば不本意だと思うし、かく言う私もファンではあるが、ブラピ演じるキャラ自体が架空の存在なのでそんなに違和感はなかった
あのシーンだけ、というのがまた良かったし
(完全にフィクションのアクション映画だったら後からブルースリーが出てくるパターンだけど、この映画はそういうんじゃない)
ただ、ブラピのアクションシーンは、タイヤのパンクのとこと、ラストの夜の乱闘くらい?かな?
欲を言えばもうワンシーン、軽快で迫力あるアクションシーンがあっても良かったかも
ちなみにラストの火炎放射器のくだりはいい意味での苦笑いしかない
あのシーンは"私にはわからないんだけど"ハリウッドジョークなんだろうね(maybe
追記
やはりタランティーノにバイオレンスだけ求めてる観客には物足りないだろうし、そういう一面も売りだから否定はしないし、映画に何を求めるのかは観客それぞれの自由だし
だがもうそろそろ気付いてほしい
彼の映画はバイオレンスだけじゃないって事に
この映画が映画のていをなしていない点はお気にりではあるがデメリットでもあるのは否めない…でもね
シャロンテートの前振りを作中でしないのは不親切ではなくて「いやこれ知ってるだろ?いちからか?いちから説明しないとダメか?」ってやつだ「君たち日本人には馴染みはないかもしれないけど、むしろそんな説明に尺をさけるか!蛇足だ!後からでもいいから調べろよ」
それを腑に落ちないというならたしかにこの作品を駄作としてもいい
シャロンテート知らなかったら楽しめる訳がないという人もいる
でもちょいまってほしい
史実自体がもう資料としてしか捉えどころがないのだ、少なくてもこの日本という地までの距離感においては当時の事件を知っている人以外は…
日本においても歴史上の人物は確かにかつて存在してその記録も残ってるが、現在の我々からしたらフィクションの領域だ
だって日本の戦国武将が言った台詞の全てが記録されてるわけじゃない
こんな事を言う筈だ、と想起したらもうそれはある種の虚構
それでも違和感はない
なのでシャロンテート(事件)がほんとにあったかどうかなんて、少なくともこの映画を観るにあたっては問題ではないのです、知らない人は気にしなくてもいいと思います。私は気にしないで観て後から補完したくちです
だってこれタランティーノ作品ですもの
(о´∀`о)
タランティーノの映画愛に涙する。
シャロン・テート事件をリアルタイムで知っている者には一度しか効かない魔術であるけれども、シャロン・テート達が殺されずに、シャロン・テート達を殺めた者達が殺される映画だったとは。しかもその殺され方が半端ないので笑ってしまったくらい。しかし、その殺し方にタランティーノの怒りが感じられて涙してしまった。下らない考えに洗脳されて、ハリウッドに花咲いた若く美しい女優を胎児もろとも惨たらしく殺して、映画を、ハリウッドを愛する者を悲しませたクズ野郎達を殺してやりたい、そしてシャロン・テートがもし殺されていなかったら…とは映画を愛する者なら多かれ少なかれ思うだろう。レオナルド・ディカプリオもいいおっさんになってしまったが好演。無垢な美しさに輝くマーゴット・ロビーもいつもながらに鮮やか。映画を愛するタランティーノから、映画を愛する者に届けられた一時のファンタジー。拍手。
監督の別作品を観てから観たかった
なんだこれ
It is perfect!
タランティーノ好きなら
内容は最高!
今までのタランティーノの常連組もちょいちょい出演していて内容とは別に楽しめた。
イングロリアス・バスターズを連想させるシーンがあり、マカロニウエスタンにリックが出演してる時に少し表示される監督の名前にアントニオマルガリーテとあり、これはイングロリアス・バスターズでも使われている名前。
初見はあまりオススメしない
全631件中、341~360件目を表示