劇場公開日 2019年8月30日

  • 予告編を見る

「タランティーノの音楽」ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ミカエルさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0タランティーノの音楽

2023年2月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

タラティーノ監督はおとなしくなったのか。殺人シーンや血しぶきが舞い散る演出は極力抑えられ、なんとラストはハッピーエンドで幕を閉じるというストーリーになっていた。今までの問答無用で非情なバイオレンス作品に慣れていた人にとってはちょっと拍子抜けした感があったかもしれないが、当時のファッションや音楽を随所に散りばめた演出のセンスの良さは健在で、目に耳に大いに刺激を受けた。
ロマン・ポランスキーなら知っているが、シャロン・テートは知らない。シャロン・テートがどれだけの美貌を誇っていたかは、今回起用された女優の姿形を見れば容易に推し量れるが、その忌まわしい過去の事件の結末を書き換えてしまいたくなるほど、タラティーノ監督もどれだけその事実を憎んだかしれない。それにしても、ロマン・ポランスキーという人には、どんな魅力があったんだろう。絶世の美女を惚れさせてしまうとはすごいというほかない。
20代の頃タラティーノの映画を初めて観て最もインパクトを受けたのはその音楽だった。その映画のために特別につくられたものではない、どこから見つけ出してきたのだろう昔のアメリカンロックが次から次へと鳴り響き、出演者の演技に相乗効果をもたらし、映画全体を盛り上げていた。見終わった後も、気付いたら胸の奥から聞こえてくるかような感覚があり、そのリズムに合わせて気分が高揚し、元気が出てきた。今でもテレビ番組のBGMで使われていることからも、タランティーノ監督の選曲センスには敬服するほかない。
タラティーノの映画を観ても考えさせられるわけでない、ためになるわけでもない。でも、モヤモヤしていたものが吹き飛んで気分が爽快になり、今まで些細なことを気にし過ぎていたと思うようになる。

ミカエル