「むかしむかしハリウッドに」ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
むかしむかしハリウッドに
1969年のハリウッドが当時の制作状況を中心に語られてくの。街の様子やヒッピーカルチャーにも触れながら、本筋からみたら無関係じゃね?って引用も多いんだけど「タランティーノ1960年代が好きなんだなあ」と思いながら観てた。
ストーリーの中心は落ち目の俳優ブラッド・ピットとそのスタントマン レオナルド・ディカプリオなんだけど、二人が緩い感じでうまいんだよね。
ブラピの撮影シーンでハリウッドの様子がみえてくんだけど、ブルース・リー出てきて「グリーン・ホーネットかあ」とかやってくの。
ディカプリオがヒッピー娘と知り合って、それがマンソン・ファミリーの一員でって話が進み出して、ディカプリオが単身でコミューンに乗り込むところがカッコいいの。遠巻きのコミューンメンバーから罵詈雑言浴びるんだけど、その中を悠々と歩くんだよね。ふつう恐いだろと思うんだけど、そんな素振りが全くないの。「帰るか」ってとこで、タイヤにナイフが刺さってて、「やったのはお前か?」からボコボコにしてタイヤ交換させるあたりも最高だね。
ブラピの方は落ち目だから悪役しか来なくなっちゃって、それでも頑張ってやって、8歳の女優に認められて涙を流したりしてんの。この8歳の女優も良かったな。
そんな感じで観てると、マンソン・ファミリーのポランスキー邸襲撃が始まんのね。でも映画の中で狙われるのはブラピの家で、ディカプリオ、犬、ブラピがマンソン・ファミリーをやっつけちゃう。ここのやっつけ方はお待たせしましたタランティーノですって感じで激しくていいよ。
ラストはブラピがポランスキー邸の人達と話すんだよね。あの人達は、史実だとこの日に亡くなってるのかな。「こっちが史実なら良かったのに」っていうお伽噺的な終わり方でしんみりしたな。
アメリカの人は「1960年代のハリウッドだ」って細部みても「ああ、あの時代だ」って思いながらもっと楽しむんだろうな。マンソン・ファミリーによるポランスキー邸襲撃の話とか知ってた方が面白いけど、全く知らなくてもお話になってて、そこもいいなと思ったよ。