「片時も目が離せないヒロイン登場」あみこ バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
片時も目が離せないヒロイン登場
ポレポレ東中野のアンコール上映で鑑賞。
監督が19歳で撮った初長編が、世界の映画祭を回ったり、レイトショーのポレポレを満杯にしているという事実は確かにすごいが、「恐るべき新人!」みたいな看板が作品を底上げしているのではなくて、本当にちゃんと「映画」になっていて、しかも“個性”がダダ洩れするくらい溢れているのが素晴らしい。
とりわけ春原愛良という女優が演じる“あみこ”のごろりと転がしたような目つきと体格と存在感が圧巻で、本を広げて目しか映ってないカットなんかを見るとドキリとしてしまう。監督は影響やオマージュを隠す素振りもないが、圧倒的にオリジナルな魅力がある。
「こじらせ女子高生の青春物語」ならいくらでも存在するだろうが、映画のビジュアルとして片時も目が離せないヒロインが生まれたことだけでも傑作だし、それ以外にもハッと驚かされたり虚を突かれたりする瞬間が何度も持ち上がってくるこの感覚を、大勢の人に味わって欲しいと思う。
コメントする