さよならくちびるのレビュー・感想・評価
全33件中、1~20件目を表示
「音楽なんかやめちまえ!」
正直、余り響かなかった内容である その理由は『あみん』の如く、女性デュオ(+ヘルプ兼マネージャー)の楽曲
今作でのリピート数の多さにハッキリ言って飽きてしまった 同じ人が作ったような曲でもなく、余りにも音像としての統一感が感じられない違和感に、折角の作劇が削がれてしまっているのではないかと強く感じたのである
ジェンダー要素が織込まれているのだから、あの2人の濡れ場があっても良かったのではないだろうか?
一つ一つのシーンはきちんと作り込まれているだけに、深みが欲しかった、否、もっとセクシャルな部分を引出して欲しかったと残念な気持である 綺麗な"百合"映画になるパワーを秘めているだけに勿体ない・・・
無言の車中の苦しさ
3人の想いが交差するが、はっきりさせられないまま殻にこもる。当然、空気は重く息苦しい。観ていても辛いのに、たばこ吸うなよ、って感じ。
ラストはあまりにもベタだけど、ほっとした。ロードムービーの理想に近いな。想いは交差して解決もしていないが、音楽活動というベクトルは確認できた。これから解決しなきゃね。
主演2人の歌唱シーンは驚きの出来。合わせとか映画でもシーンは少ないが練習したんだろうんな、と思わせる。ハモりもよかったね。
小松菜奈の髪の次第に短くなって、表情や生活が変わっていく感じが印象的。
いままで見た映画の中で1番の駄作かも
イモっぽい、よく言えば透明感のある素直な歌声の女性のフォークデュオ。
ステージを降りると真逆の人間性。
口調も酷い、チェーンスモーカー、異性にだらしない。破綻した人間関係。
パンクロックやデスメタルが似合う感じ。
フォークならかなり癖が強い、アクが強い感じでないとホントにリアリティーが無い。
楽曲、歌声が嘘なのか、人間性が嘘なのか。
人間性と楽曲の対比、表と裏な感じ、ここら辺は結局謎なまま終わる。。
物語は緊張と緩和が基本だが、まるでバンドドキュメンタリー映像の様に淡々と不仲なシーンと三角関係が8割くらい描かれる、残りはイモっぽい昭和フォークの歌!笑
ヤバすぎでしょう……。
バンドのドキュメンタリーとしてだったらファンに向けて需要はあると思うが、ストーリーも無いに等しく、キャラもボンヤリ曖昧で、映像美もこだわった様子も無い。
全くどんなマーケティングの末に制作されたのか。
もしかして原作が酷いのか?
と思い検索するも見当たらず。
なんだったのこの映画??
秦基博とあいみょんによる楽曲、声質の異なる小松と門脇のデュエットがとても魅力的
企画・プロデュースが瀬戸麻理子(溺れるナイフの企画者)、監督・脚本・原案が塩田明彦(黄泉がえり等)の2019年5月公開の映画。製作が根岸洋之(リンダリンダリンダ等)、音楽プロデューサーは北原京子(シン・ゴジラ等)。音楽がきだしゅんすけ、配給がギャガ。
主演が、小松菜奈、門脇麦、成田凌。主題歌「さよならくちびる」が秦基博による作詞作曲で、挿入歌「誰にだって訳がある」と「たちまち嵐」をあいみょんが提供。
シンプルに劇中のギター・ジュオの「ハルレオ」の歌う楽曲(北原京子が秦基博とあいみょんに依頼)が、音楽的にも又映画のセリフをも担っていてとても素晴らしい。そして、質の異なる小松と門脇のそれぞれの歌声が相乗的でとても魅力的だった。奏でるギターの音も悪くなく、トータルでプロレベルの音楽性で2人の若手女優の才能の幅に感服させられた。
ジュオ最後のコンサートを変に盛り上げず、グループ継続を暗示するラストの抑えた演出も洋画風で好感が持てた。
ローディ兼マネジャーの成田凌も含め、小松、門脇の3人が皆、片思いで苦しんでいるという脚本もなかなか良い。ただ映像が、最初のシーン含め、車の駐車シーンが冗長であったりして、かなり退屈な部分があった。
また、コインランドリーの前で1人遊びする少女は小松の過去(母子家庭で父性不在)を暗示していた様だが、それにしても小松のキャラクターの説明が無さすぎ。何故、二人でカレーを食べながら泣いていたのか、何故不特定の男と遊ぶのか、何故酒浸りなのか、もう少しその理由を納得させるものが欲しかった。門脇の方は、同性愛者の苦しみを丁寧に明示していただけに。
まあ全体的にはミュージシャンというか、若い人間の創作活動の楽しみ・苦しみと愛憎が静かに語られ、小松・門脇の歌曲が心に沁みる好感の持てる映画であった。
良いロードムービー。
どう表現していいのか分からなかったので鑑賞後大分たってのレビュー。
最初この空気感と関係とやるせなさとで、拗れて上手くいかなくなる状態で少し重めの空気感の作品なのに不思議な軽さがあって。
とても良いのだけど何故良いのかが言えなくて、自分の中でただ不思議に魅力的な作品だったんです。
しばらくたって思い返してふと答えがでた。
ロードムービーって兎に角進むじゃないですか。
物理的にも進むし、引っ張られて気持ちも進む。
取り敢えず前進する事や場所が変わる事ってどうにもならない時ってとても意味のある事なんだな〜って、、、動く事で生まれる閉塞感のなさが良い意味で投げやりだったりショックな体験も途中の道に置いて行く事ができたりで。
改めてロードムービーだったんだ!と。最初から言ってんのに今更気づく。笑
そして、どうにもならない心や感情が劇中歌で昇華されていて…この歌を聴くと気持ちも消化されていく。
どれもささるし良い歌で2人の声も素敵で、わりとよく聴いてます(^^)
ほんとに歌って感情のお焚き上げ。
長旅に名曲をありがとう。
不器用にしかぶつかれなかったけど けどそこが1番の居場所だった。 ...
不器用にしかぶつかれなかったけど
けどそこが1番の居場所だった。
三者三様に気遣うから悪い循環でぶつかってしまって。
けれどもいざ別れとなれば
そこに居たかったのだと気づいて。
どんどんと自分の中で自分のあり方を
固めてしまって気付いた時には
上手く伝えられなくなっていた。
頑固になっている自分でいるのも嫌なのに。
2人は口から出す言葉がトゲになってしまっていて
それを取り持つシマがいて
またそんな状況に疲弊していって
心は別々の方向を向いてしまったいたけれど
けれどステージには確かに3人の奏でる
音楽があった。
3人で居たことが奏でていた時間が
かけがえのなくて大切な場所だったのだと。
繊細な演技ができる3人で
また2人のデュオの曲がとても良く。
愛と友情のほっこりできるストーリーでした。
楽曲もメロディ・詩共に役の2人に等身大で
けれども情緒のある良い曲でした。
内容が薄い
松本まりかさん目当てで観ました。
とはいえ門脇・小松はさすがとしか言いようがない。
あいみょん・秦基博提供の曲たちも良い。
けど……中身薄すぎないか?
ベッタベタな青春群像劇的な。(違うんだけど、それでいいやって思うような)
恋愛面も「ですよね〜」な流れしかない。
小松菜奈の役がウザい!!!
こういう人多いんだろうけど、もういい!めんどくさい!!
そのくせ、役柄的に天性の歌声とかってわけでもないから、「さっさと解散すればいいじゃん」って気持ちにしかならなかった。
時系列も分かりづらかった。特に前半。過去の話してるのかなんなのか…って場面が多かった。
そんで結局解散せんのかーいwww
評価は高いみたいだけど、私には合いませんでした。
これからも歌い続けるくちびる
題材や設定、話的にはありふれた青春音楽ロードムービー。が、複雑で繊細、ほろ苦くも染み入り、魅せられた。
ハルとレオ。2人組女性ユニット“ハルレオ”。
インディーズ界で注目を浴び、ファンも人気もあるが、解散を決める。
これから7都市を廻る解散ツアーに出発するのだが…、
顔を合わせたくもなければ、口も利きたくない。開幕早々、険悪ムード。
トイレに立ち寄ったガソスタで、レオは見ず知らずの男の車に乗って行っちゃうし…。
一応ライヴには間に合って戻ってきたけど…、
こんなんで大丈夫なの、ラスト・ツアー…?
一体、解散を決めた2人に何があったのか…?
道中並行して、出会いやこれまでが挿入される。
工場勤務中に出会った2人。
音楽に誘ったのは、ハル。
ハルがレオにギターを教え、2人で練習したり、一緒にハル手作りのカレーライスを食べたり…。
他愛ないけど、積み重ねていく。
真面目なハル、フランクなレオ。
作詞作曲担当で才があるハル、歌が上手くファン人気があるレオ。
次いでに、タバコ派のハル、ビール派のレオ。
性格や感性、好きなものなど全く同じではなく、寧ろ真逆ながら、それはそれでバランスが取れていたように思える。
なのに、何故…?
音楽性の違い…ではないようだ。
一方に人気が偏っての嫉妬…でもないようだ。
となると…
ローディでもありマネージャーでもあり、2人を支えるシマ。
女2人に男1人。
レオはシマに、シマはハルに、ハルは…のお察しの通りの三角関係なのだが、単純に一人の男を巡って仲が拗れた感じではない。もしそうなら、一応プロとしても失格、ファンにとっても幻滅、「バカで何が悪い」と言うが、バカだ。
シマの存在も大きいが、言ってみりゃさざなみのようなもの。
もっと、複雑なもの…。
ハルとレオのデュオや友情を超えた関係。
劇中では、ハルがレオに特別な感情を抱いているように見える。
が、レオだってハルに…。
お互い、本当は心底大事で大切な存在。
もし本当に解散して別の相手と組んでもこれ以上居ないってくらいの存在。
大事で大切だから。
時にそれは、ずっと良好な関係のままで居られない。
寧ろ、気持ちがすれ違う。
伝えたくても、伝えられない。
言葉に出してなんて、言えやしない。
ただ一つ。この歌に乗せて…。
複雑な感情に揺れ動かされ続け、じゃあ何の為に歌ってる?…とも思うが、だから歌っているのだ。
この関係性は素直に分かり得るものではないが、当事者たち、実際に今組んでいるデュオなら、あるあるや共感する点も多いのでは…?
それらを体現したハル=門脇麦とレオ=小松菜奈。
2人の好演と魅力。
個人的に好きな女優2人の共演。
これだけでも!
とにかく2人のナチュラルなやり取り、複雑な感情、関係、距離感、間合い…全てが見事!絶妙!
猛練習したであろうギター演奏やデュエット披露。劇中の“ハルレオ”名義でCDもリリース。
本当に2人に魅せられる。
成田凌も好助演。
時に2人の関係に余波を立て、振り回されながらも、2人を支える。
スパイス的な美味しい役回り。
単なる若手イケメンではなく、何故彼が今売れっ子なのか、納得。
楽曲提供は、秦基博とあいみょん。
自分はあまり音楽を聴く方ではないが、それでもこの2人の楽曲参加がスゲー事は分かる。今屈指の人気とも言えるシンガー2人。何てスゲー贅沢…。
楽曲の素晴らしさは言うまでもなく。日本アカデミーなど国内の映画賞に主題歌賞があったら、間違いなく受賞だろう。本作の為に新設して欲しいくらい。
単に2人が提供した楽曲がいいのではない。きっとこの2人も、ハルレオの姿に感銘や共感を受けたからこそ、楽曲も素晴らしいのだ。
メジャーではビミョーな作品が多いが、本作のようなインディーズは上質。
オリジナル脚本による塩田明彦監督の手腕も上々。
感動的なラスト・ライヴを終え、遂にツアーもハルレオも…。
ラストは想像出来たかもしれない。
一度は決めた解散。
でもこのツアーで、また一緒に思いを込めて歌って…。
優柔不断で未熟で、バカのままでいい。
だけど、“さよならくちびる”なんて言いたくない。
これからも、“よろしくくちびる”“ありがとうくちびる”と歌い続けたい。
2人の歌は続く。
青春ラウンドアバウト
ヒトが織りなす人生模様を “ 人間交差点 ”と呼ぶならば
本作『さよならくちびる』のハルレオたち…
そう、ハルとレオ、そしてシマ、三人たちは
けっして交わることのない
一方通行な “ ラウンドアバウト ”を周回しながら
ハルレオとして最後の全国ツアーにおもむく…
少なくとも冒頭部分での旅の目的は…
「終わりは始まり」
解散を決意してのぞんだ旅路は、三者三様の
音楽をする理由、出会った理由、仲がこじれた理由
そして、それら本来の意味を見つめ直す旅路でもあった…
そんな若者たちの、人生の1ページを切り取った
まぶしい青春群像劇で彩られた作品でした。
本作は感性でみる類の作品とは思いますが
理屈っぽいわたしは観賞前に楽曲を聞き込み
ついには歌詞を書き起こして
パート毎に色分けまでして観賞にのぞんだので
ストーリーが染み込む染み込む(笑)
物語が飲み込みづらかった方は
ぜひ!一度歌詞を読んでみてください!
少々吸い過ぎな煙草の描写とか…
コンクリを掘り返そうとする少女が象徴するものとか…
妙に歌唱力があるファンの女の子たちとか…
考えてみると深く味わうことができるでしょう。
【 門脇 麦 × 小松菜奈 × 成田 凌 】
出演のロードムービー!
こんなわたしにとってのファンムービー!ほかにない!!
そんなわたしでも星4つの理由は
きっぱり解散するのでなく、一時保留っぽくしたからです。
一抹の希望・含みを持たせたかったのは理解できますが
態度ではまだ名残惜し気でも、
せめて言葉で【解散】って言ったほうが
本作の主題がはっきりしたのではないのでしょうか?
あと、彼女たちのこころ模様を機微に作品中を彩るには
楽曲が3曲だけでは足りなかったと思ってしまいました…
タラレバの欲張りなほしいモノねだりではありますが(笑)
歌唱力は周知の事実!
今後わたしの中のカッコいい女性像を
更新し続けるであろう門脇 麦さん!
役柄がとっても新鮮で魅力的!小松菜奈さん!
『チワワちゃん』『愛がなんだ』とは対照的すぎ!
どんだけイケメンかよ!成田 凌さん!
さて、ここからは毎度のことながら
個人的に思ったこと書きまーす
ハルレオが最初にライブに訪れた場所、「浜松」
先週、久し振りにわたしが訪れた場所、「浜松」
夜の湿気と風が淋しくいりまじる駅近くで、路上では珍しい
女性のストリートミュージシャンを見かけました。
彼女が歌う理由っていったいなんなんだろう?
…と、わたしは思い印象に残りました。
それでわたしが浜松に訪れた理由は
そこある単館シアターで今年一番の話題作、
『岬の兄妹』を観賞に出かけたからです。
主演「松浦祐也さん」の快演も記憶に新しいですが
『さよなら~』にも出演してましたね。
中盤でハルが語るエピソードに出てくる
椅子に座らせ百円でマッサージするホームレス役。
印象的な場面と相まって
なんかそのホームレスがその後の“よしお”みたいで
感慨深かったですね…
演技、世界観に魅力された。歌もとても素晴らしい。
小松菜奈も門脇麦も、お二人とも歌がとても上手で、ギターもとても良く似合ってました。
本作は、チームの解散が目前に迫る険悪ムードがありながらも、バンドの思いが沢山詰まった歌が流れていく度に、どこか未来を期待させるような爽やかさが吹き抜けていく映画でした。
出口の見えない青春の原像のようなものを観ることができたと思います。
素晴らしいと思った点は、「人生には絶対に希望がある!」っていうメッセージが含まれていたところ。
最後に三人が選んだ道が一つに結び付いた時、今までの分かれ道は、きっと最後に一つになるために用意されていた道なんだって思えました。
もし、途中で本当に諦めてしまっていたら、別れるための出会いで終わってしまっていたのだと思う。
だから、人生は最後の最後まで諦めちゃもったいないってこの映画は教えてくれたと思います。
大人になれば現実をたくさん観て、ちょっとでも苦しいことあれば、なるべく避けて通る癖が付がちだけど、「希望」さえあれば、また逃げずに前に進んでいく勇気って出てくるんじゃないかなって思えた。
少なくとも、ハルとレオとシマの、必死にもがいて、苦しんで、前に前に一歩を進めていこうと、出口の見えない青春のトンネルを抜けていこうと、がむしゃらに頑張ってる姿に心打たれたし、愚かしく思えることの中にも、また未来の種は用意されているってことも分かった。
愚かであることは肯定できないけど、青春の中には、冷めた擦りきれた感情では乗りきれないことがある。
徹底的に正面からぶつかって、たとえ遠回りになったとしても、そこから逃げずに教訓を掴み出して、そして大人への階段を一歩ずつ歩んでいく。そんな地味で大空を舞うことのできる大鷲に憧れる雛鳥のような自分があるのならば、それこそ今青春を生きているってことなんじゃないかなって思いました。
そんなことをこの3人の生きざまを観て感想として抱きました。
もう、劇場での上映はほとんどやってないはずだけど、もし機会があれば観に行ってほしいです。
ただ注意点としては、あまりにもタバコを吸わせたり、肉体的な描写やセリフが多目なので、肯定のしすぎや、強い憧れを抱きすぎると、若干破滅型の人生を選びやすくなるんじゃないかなと思いました。
良い面もあれば、参考にしてはいけない点もあると思いますが、作品としては3人の演技力や、回想シーンの上手使い回し、爽やかな歌とが世界観を作り上げてくれていたと思います。
総じて見れば、良かったなと思います。
ハッピーエンドでしたので、爽やかさが残ったのは、間違いないことです。
愛と切なさと
今回が最後となる「ハルレオ」の解散ライブツアーの旅立ちから物語は始まる。ハルとレオのぎすぎすした関係に挟まれたマネージャーのシマ、三人は7ヶ所の〈ハコ〉を回り、あとは赤の他人となる筈だったが・・・
三人それぞれのバックグラウンドの状況説明は殆ど描かれず、唯一の例外がハルの実家へシマを同行して帰って、幼なじみの親友からの絵葉書のシーンぐらいか、あとはハルのアパートで手作りカレーを共に食べるシーン、レオの涙を怺え切れずに口に運び続けることで、レオの生い立ちを鮮やかに表現され、同時に二人の関係を浮かび上がらせる所には感動させられました。言葉での説明は排除され、画面によって三人の性格、過去、生き方が丁寧に描かれていく。そして何故解散へと向かったのか・・・
〈ハルとレオとの関係〉
クリーニング工場でレオを見た瞬間にハルは共に一緒に組みたいと思い、生き場所も生き方も見失っていたレオは、誘われるまま、手ほどきを受け、自分の方向を切り開いてくれたハルに尊敬と感謝の念を抱くようになる。ハルのために出きる事なら何でもしたい、とハルの匿された欲求に気付きそれに応えようとするも、ハルは欲望の関係としてレオを求めているのではなくユニットの相手として音楽を共にし、共に生きたい人として求めているのだった。
〈レオとシマとの関係〉
そのためレオは初めて会った時から関心を抱いていたシマへとその感情の捌け口を向けるがシマは大人であり何より「ハルレオ」を壊したくなかった。
〈シマとハルとの関係〉
シマはハルの音楽的才能に心酔していたが、ハルの深い苦しみをハルの帰省の時に気付き、それでもハルに対し強く惹かれていく。
ハルはレオを、レオはシマを、シマはハルを、とその思いに微妙に行き違いが生じ、結果解散となるのだが、私たち観客はそうはならないでほしい、きっとならないだろう、と希いながら見続ける。
そしてラスト、高架下に停まった車から二人は荷物を持って降り、二手に別れるのだが、カメラは車の後部を見つめ、ほんの少しズームアップする。私たちはその時希みが叶うのではないか、とシマのアップに切り替わり二人がバックドアを開け荷物を放り込む。
シマは言う、解散公演までしたんだからな、戻るのなんてあり得ないからな、と怒る素振りで声を張り上げるのだが、その言葉とは裏腹に心は快哉を上げているのだった。レオは言う、お腹が空いたから取り敢えず食べながらその話はしようよ、とハルも清々しい笑顔で笑いをこらえながら。
涙なくしては見れない奇蹟のような素晴らしいシーンでした。
それぞれの一方通行の思いが、ハル→レオ→シマ→ハル とひとつの円の輪のように、取り結ぶことが出きるのかもしれない。切なくも哀しい、その関係が成立するかもしれない、いや成立してほしい、と思わされた映画でした。
塩田明彦感。
そこまで期待していなかったのですが、塩田明彦と聞いて見に行きました。正解でした。
言ってしまえば、ありがちな青春音楽ロードムービーではあるが、みんないろいろと抱えて生きている。正直に言葉にすることで物事が良い方向に進んでいくんだということを改めて感じさせられた映画だった。
喫煙シーンや、後部座席でシートベルトをしない、など、時代に流されない感じがリアルでいいじゃない。車のシーンは背景が気にはなったけど、それを含めてもリアルを感じることができた。
予告を見ただけでは単なる同性愛の映画だと思っていたがそれは一つのスパイスでしかなかった。
3人がそれぞれ複雑な思いと芯をもって生きていて、それを旅を通して共有していく。
だた、ストーリーは一貫して緩やかに流れるので、自分がどのタイミングで共感できたかわからないが、最後には涙を誘う、塩田明彦パワーが隠れていた。
そして、なんといっても歌が素晴らしい。秦基博とあいみょんの作詞作曲だとしても、二人の歌唱力のすばらしさよ。。。
もっと曲を聴きたい。
途中、インタビューの女の子の歌唱力にも驚いたが、終盤、函館まで行って箱に入れていなかったのがかわいそうだった、、、が、同性愛を表現するうえで大切なシーンだったが、ちょっと多かった気もした。
2人のキスシーンとか、自販機の光が非常によく明暗を分けていていいシーンだったし、カレーライスのシーンも数少ない二人が向き合うシーンで感動的。
先述の通り、喫煙やシートベルトなど、時代を無視したようなシーンが多いのは引き付けられたが、成田凌が何歳設定だったのだろう。LPを出していた、と聞くと、年齢不詳だ。
実年齢と設定年齢がかけ離れているイメージを持ったが、あそこは普通にCDでよかったのでは?と思った。
カレーと煙草とラストツアー
ハルレオの曲と詞だけで、メジャーにいけそう。勿論、本当作ったのは、ハルではない。誰が作ったのか、知れば納得。正直、「さよならくちびる」をCDで発売すれば良いのにと思ったりもした。ハルとレオの声の波長がピッタンコ、東北巡業でクラブであれだけ満員にするはずなのにメジャーを志さない二人、舞台に立てば素晴らしいのに舞台を下りると性格が真逆というか「シマ」が入ると、良い関係が悪い方向にいってしまう。
それぞれに過去を持つ3人の珍道中が良かった。食べるものは、「カレーライス」ばかり出てくる。作品中に現在の3人の中に過去が混ざり合う。その作品の調和が非常に良い。
観賞中に「監督は、誰?」と思っていたが、エンドロールで「塩田明彦」出て、「そうだよ。」と後悔してしまった。あの映画「月光の囁き」だ。今はどうしたのか水橋研二(日テレ「ダンダリン 労働基準監督官」に出演)。あの病気じみたストーカー役が素晴らしかった「~の囁き」であることに気付きハッとした。塩田監督の作品を全て観せて頂いたわけでわないが、女と男が右往左往するが、最後、何だか落ち着いた所に着地する。「月光の囁き」は、特にそうだと思う。
シマ役においては、今どきのイケメン俳優成田さんを採用したのか、どしても理解できなかった。結末は、観る側の判断に委ねたのは良かった。きっと3人でどこかのクラブを探し探し旅をし続けているのであろう。
門脇の芝居は、個人的に映画「止められるか、俺たちを」 の
めぐみ役同様に満足がいくが、彼女は、桃井かおりまでとは言わないが、酒と煙草の場面が多い。それが良かったりもする。
ラストなのかスタートなのか
はじめから、
解散までの限られた期間の
パフォーマンスなんだと
知りながら
三人のアーティストと
共に過ごす時間。
学校生活の卒業までの時間感覚に
似ている。
回想シーンを織り交ぜながら、
出会い、結成、ライブ活動の日常
が流れる。
アコースティックギターと
歌声のみの
ストレートな楽曲が
好き。
海外作品だけど
ジョンカーニ監督のダブリン三部作の
ように、作中の半分以上が歌唱シーン。
曲が良く、二人の声が
その心情にのって、聴き手の心に
響きます。
楽しみだったのは、
「坂道のアポロン」でお預けだった
小松菜奈さんの歌を初めて聴けたこと。
想像してたより、ストレートな感じ。
門脇麦さんのグルーヴ感のある
声と相性いい。
ストーリー は、
LGBTやメンバー間恋愛の
エッセンスはあるけど
深くは踏み込まない。
作品の風味を散らさないように
したかったのかな。
人によっては、退屈に感じるかも。
飾らない三人の会話とギスギス感、
たまにみせる信頼の心情。
家族の日常と似ていて、
その一員になったような一体感に。
エンドライブでのシーンは
さすが。
このライブにいきたいなー
ってなりますね。
お別れの車中は、
ほんとにやるせないんだけど
最後の最後にあんなことが。
素敵な時間がもらえました。
おすすめ。
ラストなのかスタートなのか
はじめから、
解散までの限られた期間の
パフォーマンスなんだと
知りながら
三人のアーティストと
共に過ごす時間。
学校生活の卒業までの時間感覚に
似ている。
回想シーンを織り交ぜながら、
出会い、結成、ライブ活動の日常
が流れる。
アコースティックギターと
歌声のみの
ストレートな楽曲が
好き。
海外作品だけど
ジョンカーニ監督のダブリン三部作の
ように、作中の半分以上が歌唱シーン。
曲が良く、二人の声が
その心情にのって、聴き手の心に
響きます。
楽しみだったのは、
「坂道のアポロン」でお預けだった
小松菜奈さんの歌を初めて聴けたこと。
想像してたより、ストレートな感じ。
門脇麦さんのグルーヴ感のある
声と相性いい。
ストーリー は、
LGBTやメンバー間恋愛の
エッセンスはあるけど
深くは踏み込まない。
作品の風味を散らさないように
したかったのかな。
人によっては、退屈に感じるかも。
飾らない三人の会話とギスギス感、
たまにみせる信頼の心情。
家族の日常と似ていて、
その一員になったような一体感に。
エンドライブでのシーンは
さすが。
このライブにいきたいなー
ってなりますね。
お別れの車中は、
ほんとにやるせないんだけど
最後の最後にあんなことが。
素敵な時間がもらえました。
おすすめ。
この映画、好き
この映画、観る前のイメージと違って、静か動かで言ったら完全に静の映画でした。
三人の間合いを楽しむ映画で、感情は語らずに表現する感じの映画でした。
なので、三人の演技力が重要だと思うのですが、いい意味で三人の演技力に頼った映画になっていたと思います。
まず成田凌さん、イケメンなのに気だるい感じが、良く合います。
だったのですが、映画が進むに連れ、音楽に対する想いやハルレオに対する想いが伝わってきて、表情はあまり変わってないのに、気だるさが薄れて誠実な印象を受ける様になりました。
そうなんです、この三人なかなか本心が見えてこないですが、所々誠実さを垣間見せるんです。
だから、共感じゃないんですが、応援したくなっちゃいますよね。
そして、ラストの函館ライブ。オープニング曲の歌い出しの時、ハルとレオが良い表情をしているんです。
もうこの時点で、結末がどうなろうとも、この映画はハッピーエンドと言っていいんじゃないかと思いました。
だから、最後の最後の展開も私は違和感なかったです。
明確な何かが有る感じでは無いんだけど、こういう雰囲気の映画もいいなと思える作品でした。
本物の生きたバンドのドキュメンタリームービー
やはり、映画とバンドとの相性は絶大だ。
歌はあいみょん、秦基博と今の音楽シーンを担う二人が作ったものであるならなおさらのこと。
ハルレオの二人は本物のバンドに映る、その佇まいと歌声が素晴らしい。
その二人とともにする、成田凌。これが、同性でも嫉妬する格好良さで、運転のシーン、バンド演奏のシーン、歩くたび、惚れ惚れする。
自分の感性が刺激されるなと思ったら、エンドロールで伊賀大介、川島小鳥の名前が出てきて納得した。
車内のシーンで前半はバラバラの視線が、解散ライブ後に同じ方向を向き、フロントガラスが映される。そのカメラワークで心情を表す作り方が素晴らしい。
若者の不安定な決断
メインの3人が好きな俳優さんだったので期待して観ました。
少し期待を裏切られた感は否めません。
こーゆー映画だとオチが大切だと思いますが、自分の期待とは違って残念でした。
それぞれの悩みを抱える3人がギクシャクしながら、もがきながら何とか進んでいくストーリー。
ハルはレオに憧れてを抱き、レオはハルに憧れを抱き、シマはハルに恋を抱き。
この不思議な三角関係がこの映画のメインテーマで、このテーマを通して「誰にだって悩みはあって、誰だって誰かから憧れられている。形はどうあれ。」みたいな捻くれてはいますが背中をそっと支えてくれるような作品だと思います。
台詞が少ないので、仕草や台詞の間が楽しめるのではないかな?
主題歌と劇中歌の秦基博感、あいみょん感が凄く感じられたので、もっとハルレオのオリジナル感を出せるような人にお願いするか作った人の名前を伏せるからして欲しかったです。
結局、曖昧は曖昧なままで終わるので日本的と言えば聞こえは良いですが、もやもやした映画でした。
絶妙
まず曲がいい。
劇中に出てくる三曲。あいみょんと秦基博の作詞作曲が流石にうまかった。
また、ハルレオの歌唱力も高く、ライブシーンでもインディーズとメジャーの間をうろうろしているアーティストのライブのリアリティがとても出ていた。
そして、成田凌、小松菜奈、門脇麦の3人の関係性というものが絶妙的で、近すぎず遠すぎず、仕事仲間なようで単にそれだけではなく、という微妙な距離感がよく表現されていた。
見ている時に3人の背景がはっきりと語られていないことに不満を少し覚えていたが、これもある意味お互いの全てを知っているわけではないという3人の関係性を表現する一つの手段だったんだろうか。
また、かなりの人が指摘している喫煙シーンについてだが、タバコの扱いがとても上手く、「タバコを吸う」という文字で表せば6文字の行為にも色々な感情があることが表現されていた。
例えば、ハルが自分にイライラしながらタバコを吸う時、ハルが他人にイライラしながら吸う時ハルが何の気なしに吸う時。
それぞれ門脇麦がタバコの出し方や火の付け方などで細かく表現していたのが印象深い。
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