「ガリです!レオです!ガリレオです!」さよならくちびる kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ガリです!レオです!ガリレオです!
どうしても漫才師の自己紹介のような挨拶にウケを狙ってるとしか思えなかったのですが、歌はさすがに良かった。音楽映画の胆とも言える歌とギターをかなり練習した成果も見られるし、等身大の女性を見事に演じ切っていた小松菜奈と門脇麦。最初から解散ツアーで全国縦断という説明がなされるので、物語は彼女たちのステージを楽しむとともに解散理由を知りたい一心でハルレオの姿を注視する仕組みだ。
そもそも男女混成のバンドというのは恋愛関係など男女問題で崩壊しやすい。女性二人ならまだしも、サポート兼ローディとして成田凌演ずるシマが加入した段階で解散に向かってたようなものだと思う。ユニット内恋愛禁止などと決めたところで、そんなものは守られるわけがないのだ(経験上)。ただし、音楽の方向性が一緒であれば、そのまま突き進む可能性もあるんだろうな。
「さよならくちびる」の歌詞がまた、居場所のない二人の孤独感を言い表していてよかった。2秒後には最後だとわかっていても無理して微笑んだり、痛みが愛だとわかったり、あふれそうな言葉をタバコに火をつけてふさいだりと・・・歌詞がすべてではないけど、ギターと歌をともに練習してきた小さな歴史が彼女たちを包み込む。
途中、MUSIC GO GOの無神経なインタビュアーがレオを無視してハルの才能ばかりを褒めたたえるシーンがグサッときた。音楽始めたばかりのレオにも曲を作ってほしいと応援したくなるではありませんか。ライブで客席のみんなが一緒に歌ったり、入場できなかった子たちの映像も良かった。客の9割以上が女性だという点も、同年代の心をわしづかみにしてたんだろうな~としみじみ感じました。
ラストの続きは観客に委ねられるストーリーだったけど、誰も否定的な未来は感じないよね、きっと。私は私に別れを告げただけなんだから・・・
「ハリです マオです ハリマオです」とどっちが良かったかな。