「この映画はこれでいい、とネットで誰かが感想を言ってましたが、言い得...」さよならくちびる Ryoさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画はこれでいい、とネットで誰かが感想を言ってましたが、言い得...
この映画はこれでいい、とネットで誰かが感想を言ってましたが、言い得て妙。全然完璧ではないけど、これでいいと思いました。
細かい断片的な映像によって、ストーリーは大体こんな感じ、あとは想像してくれ、という、音楽なしのミュージックビデオ(?)みたいな作りです。主役の二人が余りに美しくかっこいいので、それだけで成立してしまうのかも知れませんが、それだけではなく、断片的な映像から感情の断片がどんどん入ってくる。例えば、カレーを食べながら、レオが泣き出す . . . 居場所が見つからなかったレオが、ハルに救われた . . . 一方でハルはレオへの愛しさを感じる . . . 短いシーンですが、美しいと思いました。
それだけでもいいんですが、やっぱり、ライブの場面が良い。舞台裏では険悪な二人が、嫌だと思いながら、舞台の上で歌によって結び付けられてしまう。結局最後はそれに「負けてしまう」というオチが素敵でした。ご都合主義だけど好きな終わり方でした。
『さよならくちびる』は、映画と関係なくてもいい歌ですが、映画を観てみると、歌詞がハルレオの関係を象徴しているんですね。素晴らしい。映画はいずれにせよ観るつもりでしたが、事前に公開された録音を聴いて泣いてしまって(何に感動したのかは不明)、この歌がどう使われているんだろうという興味もありました。観てみると、別れを目前にして、ついに二人が「負けてしまう」クライマックスの歌でした。メチャメチャ泣いた。
(そう言えば、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の時は、事前に公開された門脇麦さんのライブの映像を観て、観るつもりがなかった映画を観に行ってしまったんでした。あれも映画中のライブが僕にとってはクライマックスでした。)
これは、調子に乗って、続編とかスピンオフとか、ハルレオが登場する映画とかMVとかをまた作って欲しいです :-)
追記: そうだ、あの高校生ぐらいの二人の女子、あれも良いと思いました。ハルレオの音楽を通して二人は繋がり幸せを感じている . . . きっと二人は同性愛で、周囲の誰にも言えなくて辛いのを、ハルレオの歌に救われている . . . なんて想像しながら観ました。(製作者の意図がそうかどうかは知りません。)