「【”職人と芸術家の狭間で・・。”ゴッホの複製画を20年、制作して来た男が本物のゴッホの絵画に衝撃を受け、夢、苦悩、葛藤の中、自身で下した決断する姿を描いたドキュメンタリー作品。】」世界で一番ゴッホを描いた男 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”職人と芸術家の狭間で・・。”ゴッホの複製画を20年、制作して来た男が本物のゴッホの絵画に衝撃を受け、夢、苦悩、葛藤の中、自身で下した決断する姿を描いたドキュメンタリー作品。】
■趙小勇は独学で油絵を学び、20年にわたって深圳の”油画村”でゴッホの複製画を描き続けていた。
だが本物のゴッホの絵画を見たことはなく、想いを募らせた彼は念願だったアムステルダムを訪れる。
そして、自分が描いたゴッホの油絵を見つけるも、その店は観光ショップだった。
しかも、値段は自分が売った値の8倍。
更に彼は、夢にまで見たゴッホ美術館で、「ひまわり」「ゴッホの自画像」を丹念に観て、本物のゴッホの絵画に衝撃を受ける。
そして自分は画家として何を目指すべきなのかを思い悩む。
◆感想
・中国の深圳の”油画村”で、ゴッホの複製画を20年、10万点以上家族と製作してきたという、趙小勇のお金がなくて、中学一年までしか学校に通えなかった生き様に驚く。
・複製画ビジネスの実情と制作過程にも触れている事も、興味深い。流れ作業の様に油絵を製作する様。世界中から注文が入る様子。
・そして、彼が夢にまで見たアムステルダムで経験した事と、行動。
彼は、ゴッホの原画に衝撃を受けつつも、キチンとゴッホが通っていた病院、そして終生ゴッホを支えた弟テオの墓に並んでいるゴッホの墓に足を運ぶ。
彼が、如何にゴッホを愛しているかが良く分かるシーンである。
<そして、帰国した彼は、大きな決断をする。自分のオリジナル作品を描くという決断だ。
最初のモデルになったのは80歳を超える、趙小勇が”一番好きだ”という祖母である。
その絵から伝わるモノが、素人ながら何だか沁みてしまった・・。
今作は、複製画に携わる男が抱く夢、苦悩、葛藤を描いた佳き、ドキュメンタリー作品であると思った。>
祖母の肖像画も、工房の風景も素晴らしかったですね。いわゆる形の正しさにとらわれず、自由さや思いが前面に出た、ゴッホの精神をシャオヨンなりに解釈して受け取った、気持ちのよい作品になっていると思いました。