劇場公開日 2019年3月2日

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「上の歯〜下の歯〜」歯まん KinAさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0上の歯〜下の歯〜

2019年3月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

食べたら磨く、約束げんまん。

致すまで気付かなかった理由だとか、いくらなんでも早すぎるとか、その状況でとか、多すぎるツッコミ所に突っ込めば突っ込むほど笑えてくる。行為が行為だけに。
「そういう体質だから」だけでナヨナヨと押し通す監督にまた笑う。

エログロB級エンタメを期待していたら非常に真面目なトーンのドラマが展開していくので若干の拍子抜け。
まず設定が面白いし悩ましいラブストーリーとしても興味深いのだけど、演出や演技の稚拙さと人物描写の甘さが引っかかって全く乗り切れなかった。

段々とシュールなコントに見えてきて、後半は笑いを嚙み殺すのに必死。「嚙み殺す」だけに。
祐介の「ぃいよぉ〜」の言い方が本当にツボだった。彼の短時間でのキャラ変にはびっくり。
言ってること真逆だけど大丈夫?

早口の不幸自慢と自分語りがめちゃくちゃキツかったみどり姉さんの変化はとても良かった。
そこから一時的に加速してくれてワクワクした。
中学生の弟がかわいい。
突如始まる姉弟ゲンカと、その後の遥香の号泣が面白い。辛いのは分かるけど側から見ると普通に怖い。

愛からくる行為が命を奪う悲しみ、襲う側と襲われる側の逆転、オスとメスの差など色々考えはしてもあまり響けず。
他人になかなか理解してもらえない苦しみを持ち、何をしても空回りに見えてしまうもどかしさは、ここまで突飛なものじゃなくても自分に共通するものも感じて良かった。
もしかしたらどこかにひっそりこんな人がいるのかもしれない。

愛情と肉体関係がイコールだとはあまり思っていないし、むしろそれに固執する人に引いてしまう今現在の私にはストレートな感情移入がしづらかった。
しかし最後の遥香の表情は吹っ切れていて良い。口が大きい。これから何かに目覚めて欲しい。

KinA