「間違った愛国心の行く末と戦争の悲惨さを描きます。」コールド・アンド・ファイヤー 凍土を覆う戦火 よしさんの映画レビュー(感想・評価)
間違った愛国心の行く末と戦争の悲惨さを描きます。
第一次大戦前、デンマークとプロセイン(ドイツ)の間で起こった「第二次シュレースヴィヒ=ホルシュタイン戦争」を、志願兵の目線で描いた物語。
デンマーク産の戦争映画です。邦画で言えば、映画的にも、歴史的意味でも「二百三高地」でしょうか?この戦争の重要な局面である「デュッペル堡塁の戦い」がクライマックスです。
冒頭のテロップで「デンマーク国民は熱にうかされていた」との文字が現れます。その通り、愛国心を声高に叫び若者を戦地に送り出す有力者達、戦地での武勇伝を子供たちに伝える帰還兵。戦争は偽政者の失政だけではなく、こんな人たちの間違った愛国心や虚栄心が引き起こすのだと、改めて感じます。
政治の話になりますが、現在の日韓関係がそうですね。韓国の人たちの感情を私たちでは制御出来ませんが、せめて日本側だけでも落ち着いて感情にながされないようにしたいですね。
映画としても、良く出来た映画だと思います。熱に浮かされ愛国心の赴くままに入隊する若者たち。殺される恐怖、殺す恐怖、隣合わせの死への慣れ、インサートされるひばりの鳴き声、つかの間の勝利の歓喜と絶望。戦争の悲惨さ。
ラスト近くでのヒロインの様は、少々酷く感じました。しかし、ラストにある草原シーンは、戦争の酷さを超えて、人生の温かさを感じることできる秀逸な場面でした。
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