「ダークで深淵を覗くような映画」銃 テツさんの映画レビュー(感想・評価)
ダークで深淵を覗くような映画
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どこか非現実的であり、共感もしないが、独特の緊張感が観る者を掴む映画
ある日偶然拳銃を拾った大学生が、拳銃の魅力に翻弄されていく物語…
全編モノクロ映像で語られ、それがどこか非現実的感を演出している。
拳銃の持つ魔性の魅力に取りつかれ、徐々に狂気じみた言動へ変わる青年の描写が丁寧に淡々と描かれており、それが独特の緊張感へと繋がる
とは言ったものの、彼の思考や考え、行動原理がイマイチ分からん
どこか人生を達観視しているような、感情を表に出さないような、暗い部分を背負ったような彼の雰囲気が良い部分でも有りつつ、どこかあまりにも分からなかった。
広瀬アリス演じる女子大生との会話で語られたような、どこか人生においてスッキリしないような感覚や迷いみたいなモノを彼は拳銃を寄り代にしてしまったみたいなものか?
謎めいた存在かと思いきや、意外と普通の女子大生でしかなかったなぁ
リリー・フランキー演じる刑事のイヤらしさ、怪しげな雰囲気はとても良かった
ラスト色味を戻していく映像は一気に現実感を放ち、どこか悲しげな余韻と衝撃を残す。
物語としてはシンプルだが、拳銃を手にして変わりゆく若者を(少々小難しい)心理描写と共に描く意欲作
原作にも興味が出てきた
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