劇場公開日 2019年4月19日

  • 予告編を見る

「恋愛のススメ。」愛がなんだ xmasrose3105さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0恋愛のススメ。

2020年11月16日
iPhoneアプリから投稿

人生は、誰もが知るように、思い通りにはならない。
でもそれをわかった上で楽しむ努力をすることこそが、生きているものの使命だと感じます。

ある意味、全力で真剣にそれをやっているのが、主人公テルちゃん。守くんのことが好きだが、言うまでもなく現段階では自分でも愛だか執着だか、もうなんだかわからん状態になっている。追っかけのような。生きがい。恋してる状態に溺れ、寂しさを麻痺させるクスリにしようと。その沼に相手まで陥れようとする怖さがある。

でも仕方がない、テルちゃんこそが自分勝手で且つ無自覚で、ヤバい人スレスレです。けれど、恋したらそうなってしまうものでしょう。恋は常軌を逸した自分と出会う経験。そこを怖がって恋愛しないより、不器用でも、初めの一歩を踏み出して、失敗を重ねるしかない。
それ無くして、愛もわからないのでは?と思います。
だからテルちゃんは、愛を知るための王道を、ズカズカ歩んでいるとも言える。

でも何としても獲物(守君)をものにしたくて、
「わたしでいいじゃん」
.... テルちゃん、この「で」はひどい。全てを台無しにするよ..

スミレさんが見守っている気持ちに気づいたかなぁ。
葉子ちゃんも。いい友達持ったね。
仲原君もいいやつだ。彼も本物だ。

テルちゃん。
へぼへぼ男に惚れてしまうのが、恋。経験者なら誰しもわかる、この自己矛盾。葉子ちゃん、仲原君、スミレさんの、あなたへの愛に逆ギレしてたね。本当の愛に、毒付いて。
でも交換できる本当の愛が、テルちゃん自身の中にも育ったら、わかるよ。もう少し時間がかかるのかもしれないけれど。

仲原君。
スミレさんがあなたに同情して、あなたの代わりに、葉子さんってひどい女だね、と怒ってくれた時、あなたも拗ねて逆ギレしてたね。
でも、ちゃんと刺さってたんだね。
主従関係を許す自分。とにかく自分の本音と向き合った。これじゃあ愛になりっこないとわかった。
あなたが気付いたってことに、葉子ちゃんもちゃんと気付いたよ。自分であなたの事を調べ、写真展を観に来てくれたよね。あなたの写真をみて、何かを確信した。あなたは終わった恋だと思ってたかもしれないが、ここから何かが始まる!

なんだかんだ言っても、恋愛はしたほうがいいとわたしは思う。成就しなくても。歳をとって思い出すものがあるって、すごく豊かな気持ちになる。無防備な恋は、若さの特権。

xmasrose3105