「3個は“いっぱい”じゃないけど、4個は“いっぱい”だよ」愛がなんだ kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
3個は“いっぱい”じゃないけど、4個は“いっぱい”だよ
クリックして本文を読む
好きなら好きって言えばいいじゃん。「好き」という前にダラダラと関係を持ってしまい、なんとなく付き合ってる感じを「好き」という言葉で壊したくない・・・というならわかるけど、そこまでハッキリしていないテルコ。時折見せるクロエ・グレースっぽい笑顔には、男ならコロッといっちゃいそうな気もするのですが、男ってのは一旦モノにしちゃうと冷めちゃうところがあるからなぁ。多分、マモルもそれでしょ。それにしても、あれだけ酒を飲む機会が多いんだから、酔った勢いで言っちゃえばいいのに・・・。
主要な人物は、このテルコ(岸井ゆきの)とマモル(成田凌)を軸に、葉子(深川麻衣)とナカハラ(若葉竜也)の関係も描き、マモルが新たに惚れてしまったすみれ(江口のりこ)の5人だけだ。面白いことに、尽くすだけ尽くして自分が愛してるということで満足感に浸るところはテルコとマモルの関係だけじゃなく、男女は逆だがナカハラと葉子の関係もそうだ。ナカハラは後に自虐的ながらも「王様と家臣」の話を持ち出す。王様を忖度して、なんでも言うことを聞く家臣たちはやがて残酷な行為もするようになる。いきなり政治的なメタファーをぶつけてくるものの、男女の関係もそうじゃないかと呟くわけだ。
はっきりモノを言えない世の中ではあるが、男女の関係くらいハッキリしようよ!と言いたくなる物語。自己満足の極めつけが「マモルになる」ことだったのだろうか、ラスト、象の飼育員になってしまったテルコがバカみたいに思える。
コメントする