「ベトナム戦争についても描いてもらえれば・・・」LBJ ケネディの意志を継いだ男 よしさんの映画レビュー(感想・評価)
ベトナム戦争についても描いてもらえれば・・・
リンドン・ジョンソンについて、ケネディと争った大統領予備選から公民権法成立までを描く物語。
ジョンソン大統領については殆ど知識がなかったので、一種の勉強として鑑賞しました。
南部保守派、議会の重鎮で寝業師、ベトナム戦争を制御出来なかった大統領、ケネディ暗殺の黒幕と噂された大統領。そんな印象しかなかった私にとっては、新しい物の見方を教えてくれた映画となりました。
ロバート・ケネディとの確執と屈辱、その中でもケネディを支えて院内工作を繰り返したこと、大統領として公民権法を成立させたこと。勿論、ジョンソン側からの視点ですので、全てを真に受けるわけにはいかないのでしょう。しかし、今までの一面的な見方に疑念を持てただけでも、鑑賞した甲斐があったように感じます。
映画としても、完成度の高い作品でした。
ダラスパレードから大統領就任直後までの「現在」と、予備選から副大統領時代の「屈辱と苦労の過去」。
これらを交互に映しだす手法は秀逸でした。現在と過去を交互に映す手法は珍しくありませんし、正直苦手です。しかし、この映画では副大統領時代をインサートすることにより、よりダイレクトに「屈辱と苦労」を「現在」に繋げることが出来たように感じます。
就任直後のミーティングの際に、黒人料理人の名を挙げて公民権法の必要性を力説するシーンは、名シーンでした。
ただ、肝心のベトナム戦争については語っていないことは不満に残りました。彼の良い面だけを映すのはアンフェアだと思いますし、もっと言えば映画として面白みを削るものだと思います。
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