葬式の名人のレビュー・感想・評価
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川端康成作品をモチーフに
主人公(前田敦子)は一人息子を抱えたシングルマザー、電話で高校の同級生がなくなったとの報せを受ける。
病院に駆けつけると、同級生が集まっており、棺桶に入れて最後に高校を見せよう、ということになる。
川端康成作品をモチーフに作られたそうだが、前田敦子の演技をもう少し見たかった。
新味無し。非支持。
川端康成様の著書を読んで出直します
夜の校舎を吉田を探して歩く
茨木市出身なので街並みや田んぼが映るたび懐かしさで和んだ。茨木高校は近隣の公立の中では飛び抜けて頭が良い高校で、入学できるだけで「すごいやん」と言われるようなところだから校舎の中が見れるのは不思議な気分。たしかに「イバコー」なんて略称で呼んでた。
内容はありきたりなメロドラマだし、俳優さんの関西弁は違和感だらけだし、途中のファンタジーの演出なんか10年前の撮影かと疑うようなチープさ。
なのに会話はすごく自然で、中盤の夜の校舎を歩く友達たちのノリとテンポは大阪の高校生そのものだ。10年前はこんな会話してたと懐かしくなる。突然のファンタジー展開の中でもその会話の自然さが遺憾なく発揮されていて、ありえないけれど、もし自分が同じ状況に置かれたら、同じようなテンションで同じような反応を返すだろうなぁと考えておかしくなる。最後まで観て良かったと思える映画だった。
映画の楽しさの追求
ピュアなエンタメ作品。心の痛みをえぐるけど爽快な青春映画だ。
ながらく忘れていた心に迫る感動で、はじめはじわじわと涙がにじんで、エンドロールが進んだ頃に号泣していた。たくさん泣いた。
アイコンにもしてるヒッチコックの上映会を企画した大野裕之と榎望、その時のゲストだった樋口尚文が組んだから面白くないはずはない。
けど、予想以上だった。小難しいマニア向けの映画でも出来上がったのかと思ったら、誰もが身に覚えのある卒業後の遅れてきた青春の、心にささるトゲのような痛みを描いたエンタメ作品だった。ピュアな感受性の映画だよ。
遅れてきた青春を求めて、葬列はどこまでも進む。あてもなく。進んで進んで、山に迷い込み、10年前の応援団まで行き着いたとき、ずっと待っていた人に出会う。
もう一度見る。
あっちゃんと高良健吾でなんとかなってる感ある
一見普通に思えるけれど…
不思議な世界観
展開の仕方や演出がとても独特な映画。
最初、透明な空の瓶が大量にベルトコンベアーで流れてくる、という美しく穏やかな映像で始まる。それがこれからのこの映画のストーリーを暗示しているのか、、と思いきや!?...そうではない!
奇想天外かと思いきや平凡、現実的かと思いきやファンタジー、穏やかかと思いきや唐突、なんなら時間の流れもおかしい。どこまでも普通、を裏切ってくる。お、おお...そう来たか、‼︎ って観ながら何度か言いそうになった。
そもそも普通の感性とは、いったい何か...とまで考えさせられる妙な力がある。
ファンタジー的な要素も所々に散りばめられているが、作り手がそれをファンタジーと捉えていないかのような演出が多く、それに惑わされると頭が混乱する。しかもそれをどこまで"狙って"いるのか...?! が、まったく分からない。そこがまた、不思議。
映画を観るとき、人はその先がどうなるのだろう...?と無意識に想定してると思うが、この映画はことごとくその想像をぶった切ってくるのだ。
そもそものストーリーは、急死した青年「ヨシダ」を弔うとてもシンプルなものなのだが、観終わってみるとかなり複雑な心境になる。
弔い方講座
高校を卒業して10年後、同級生が交通事故で亡くなり、葬儀の為に集まったシングルマザーの女性と当時の仲間たちの話。
野球部のエースでモテモテだったが右肩を壊したという亡くなった青年や集まった仲間たちに纏わる噂話や思い出話を展開して行く。
しっとりしていたり、淡々としていたり、時には不穏な感じも醸し出しながらも、やっていることは能書きや悪ふざけ満載でシュールなコメディ。
たたみかけるようなテンポじゃないし爆笑を攫うよなネタはないけれど、その空気感から思い出し笑いの様に何もないところで時々クスッと。
ファンタジーとはいうけれど、その要素は終盤取って付けた様なイメージ。
これといって響くものもないし引っかかるものもなく、暇つぶしなら観られなくはないかなという感じ。
ノスタルジーに泣いた
太宰の次は川端康成?
川端モチーフを探せ!
ここ数年は子供の影響もありアニメ映画中心でしたが、今回は知人にチケットをいただいたので鑑賞することに。邦画は本当に久しぶり。
公式HPを拝見すると大阪の茨木市の記念事業との事だが、記念事業にしてはキャスト、スタッフともに錚々たる顔ぶれ。
さらに川端康成の作品をモチーフにしたストーリーとのことで公開前から楽しみにしてました。
モチーフのところについては、川端作品で読んだことがあるのは、伊豆の踊子や雪国しかなく、それら以外だったので、読み直して再トライしてみたい。
おそらくここがモチーフの箇所かも!?と思うところがいくつか(もしかしたらいくつも?)あり、「ウォーリー」ならぬ「川端モチーフ」を探せでも楽しめそう。
メディア情報では前田さんや高良さんの大阪弁が話題となっていましたが、多少のイントネーションは良しとしましょう!大ベテランでも大阪弁は難しい!!
ネタバレになるので多くは記しませんが、どこからどこまでが現実?夢?
白洲迅さん演じる吉田君がボールを投げた腕は右手?左手?ホントに投げたっけ?
個人的には序盤の組長の流れ弾のところがクスッと来ましたね。
1度ではなく何度か見てみて味が出てくるような、スルメイカのような映画の様に思いますね。
地元の方や舞台となった茨木高校の方はもっと楽しめるんだろうなぁと思えたので、記念事業映画としても充分に成功と言えますね。
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