劇場公開日 2018年8月18日

「男一人・女二人の人間関係の移り変わりが地味に面白い」つかのまの愛人 ホワイトベアさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5男一人・女二人の人間関係の移り変わりが地味に面白い

2018年10月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

大学の哲学教師ジルとその教え子であり恋人であるアリアンヌ、そして同い年のジルの娘ジャンヌの三人の奇妙な同居生活の始まりから突然の終焉までを描いた作品。男友達と喧嘩別れして同棲している二人の居宅に転がり込んできたこともあり、ジャンヌは当初肩身が狭い思いをしていたが、アリアンヌと親密になるにつれ、三人の関係性に徐々に変化が。特にアリアンヌの「雌」の部分をジャンヌが認めるようになって一気に物語が展開する辺りは、登場人物の表情の陰影とディテールがより浮立つモノクロ映像の効果と相俟って、心理劇としての本作の魅力を引き立てていたように思いました。アリアンヌ役の女性は撮影当時まだ演劇科の学生だったようですが、清楚な女学生から男を篭絡する魔性の女までを見事に演じており魅力たっぷり、将来が楽しみな女優だと感じました。

ホワイトベア