アドリフト 41日間の漂流のレビュー・感想・評価
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ラスト10分の衝撃。切なくて痛々しい、大自然との戦い。
【賛否両論チェック】
賛:幸せだったヒロイン達の姿と、漂流中の過酷な姿とが交互に描かれる様子が、何ともいえない切なさを醸し出しているよう。大自然の脅威を前にした人間の無力さや、それでも最後まで戦い続けたヒロインの強さにも、思わず考えさせられる。
否:グロシーンが少しあるほか、思わず船酔いしてしまいそうな画も多い。
大海原で漂流してしまった、タミーとリチャード。本作では、幸せの絶頂だったタヒチでの2人の様子と、絶望に苛まれながらも、なんとか生き延びようと戦い続ける過酷な船上での様子とが、交互に描かれていくのが、得も言われぬ切なさを感じさせるようです。
そして何といっても驚かされるのが、ラスト10分で訪れる衝撃です。予告でも“胸をえぐるような衝撃”といっていましたが、本当にその通りで、なんとも哀しいというか、胸を締めつけられるような、そんな気持ちになりました。
ただ、どうしても漂流の映画なので、思わず船酔いしてしまいそうな映像が多かったり、ケガのシーンがあったりするのが、どうしても好みが分かれそうなところではあります。とはいうものの、壮絶な大自然の脅威と、希望を失わずに最後まで戦い続けたヒロインの姿を、是非ご覧になってみて下さい。
邦題を何とかしてほしかった
漂流ものって、助かるかどうかと、漂流中の(特に主人公)精神的葛藤が重要なポイント。
なのに邦題がネタバレ。
助かるのかどうか、という緊迫感がなくなり、台無し。
日数は違うけど、葛藤の内容からは、部分的に『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』を思い出しもしました。
大海原の動と静が見事なサバイバル実話
1983年のタヒチ。
世界を旅している20代前半の米国人女性タミー(シェイリーン・ウッドリー)。
ヨットで世界中を航海している英国人リチャード(サム・クラフリン)と知り合い、恋仲になる。
ある日、リチャードは同じ航海仲間の英国人中年夫婦から、彼らの豪華ヨットを米国サンディエゴまで回航してほしいと依頼される。
ふたりは老いた親の病状が悪化したために、英国に戻らなければならないからだ。
豪華ヨットでの航海のチャンスなど、またとないこと。
さらに、今度は愛するタミーとともに航海することができる・・・
出帆したふたりであったが、数日後、大型ハリケーンに遭遇し、効果ヨットのマストは折れ、漂流することになってしまう・・・
といった物語で、映画はハリケーンに遭遇し、水浸しのキャビンでタミーが意識を取り戻すところから始まります。
リチャードの姿はなく、双眼鏡で、救命ボードにしがみついているリチャードを発見して救出するも、彼は右脚と肋骨を骨折し、動けない状態になっている・・・と、被災の状況がまず描かれます。
なので、観客としては、いきなり物語の渦中に放り出されたような感じで、ものすごいストレスからはじまります。
そして、先に書いたような出帆~被災までの経緯が、被災後のサバイバル描写と交互に描かれます。
このつくりは巧みで、ふたりの出逢いから順番に描いていったとすると、サバイバル描写は同じような描写の繰り返しになるし、出帆までは観ていて飽きるだろうから。
極限状況と幸せな状況を交互に描くことで、それまでの幸せ感も深まるし、サバイバルの緊張感も途切れない。
また、この手のサバイバル映画では、得てして被災する原因が、主人公の無鉄砲や無軌道にあって残念なことが少なくないのだけれど、この映画では、ふたりが豪華ヨットを回航する理由も納得がいくもので、依頼する中年夫婦の口ぶりからもリチャードが相当なセイラーであることも伝わるし、タミーの操舵も様になっていることが描かれているので、残念に思うことはありませんでした。
そして、最終的には、41日目に救出されるわけですが、その前にひとつ、あっと驚くような映画的仕掛けが隠されており、それを隠すのにも、過去の幸せ描写とサバイバル描写を交互に描くのは役立っているように思いました。
ロバート・リチャードソンのカメラによる海原の動と静の対比も見事。
共同で製作も兼務している主演のシェイリーン・ウッドリー、熱演です。
監督はアイスランド出身のバルタザール・コルマウクル。
後悔はない
主人公の女性が、タヒチで出逢ったヨット乗りと恋に落ち、知り合いからの依頼で一緒にサンディエゴまで1ヶ月の太平洋横断の旅に出るが・・・といった実話をもとにした作品。
長い航海は、日焼け・不眠・船酔い、そして幻覚などに悩まされることもある・・・なんて話がありながらも、1年間働かずとも食べていけるほどの報酬額に釣られ、依頼にのる主人公達。そして恐ろしい嵐に遭遇し、ヨットは沈みかけてしまい・・・。
とにかく有能な主人公が、絶望的な状況のなか奮闘する。
ストーリー自体はわかりやすいものだが、嵐のシーンなんかは本当にスリリングで、まるで天地(「地」じゃないか)がひっくり返ったような迫力!!
瞬間最大風速ならぬ、瞬間最大興奮度で言えば、今年観た映画の中でもトップかも。
絶望感、そして切なさも…やっぱりこういう映画は劇場でみるに限りますね!
しかし、海の人間はすごいなぁ~と。自分だったら、仮に安全が100%保障されていたとしても、一か月ヨットの上だけの生活なんて考えられん。。
海に沈む綺麗な夕日と、海の嵐のスリルを味わいたい人におススメ。
海は怖い。
生来ビビリです。山も海も地底も空も、全部怖い。ヨットをタヒチからロスに回送?正気?エラク簡単に言うなぁ、簡単にokするなぁ、パートナーのタミーって経験あんの?
アドベンチャーの唯一の見せ場であるハリケーンを良い時間帯に持って来るために、構成を工夫してるなぁ、ってのが感心した点。撮影が地味に長いワンカット。結構凄い!タヒチの渓谷で2人が続け様に水に飛び込むシーンとか、どうやって撮ったの?カメラもリチャードと一緒にダイブ?ヨットが低気圧で出来た海面の絶壁を落ちて行き、転覆から一回転し、リチャードが水中に沈んで行くシーンのアクロバット感とか最高。
ストーリーは今一つ盛り上がった感に乏しくて、正直物足りんけど。タミー役のシャイリーン・ウッドリーのアスリートばりの身体を張った演技には拍手👏👏👏
やっぱり、ライフ・オブ・パイ は偉大だった、と思ったりしました。
放浪者の漂流記
タヒチで出会ったヨット乗りのカップルが、知人の依頼を受けてサンディエゴにヨットを回航する中で、ハリケーンに遭遇し漂流する話。
ダメージを受けたヨットの中でタミーが目覚めるところから始まり、漂流する様子に出会いからそれまでの出来事を挿みながらみせていく。
いくらアクシデントとかがあっても、漂流だけじゃ映画としては飽きちゃうからね。
実話ベースとはいえ、そんなアホなと思う流れもあったし、ベタではあったけど、過去の話やエピソードの織り込み方が上手いし、テンポも良くて、中々楽しめた。
映画作品としては…
実話作品の為見応えはやはりある。主人公であるタミーが生き残るのは最初からわかっていても、遭難し海上で過ごしてきた事がどのような体験だったのかという興味が根本にある為終始力を入れた見方にはなってしまう。
その為期待しすぎたのか映画作品としてみるのであれば思ってた程のものではなかったかなというのが率直な感想。
リチャードと幸せだった回想シーンと、まさに海上で遭難しているシーンを交互に終始描いているのだが、これが個人的には見づらく感じた。僕が期待していた遭難時の体験があまり伝わらない。緊迫感やリアルさが伝わってこなくこの辺りが少し残念に感じた。
最後の最後で遭難時にリチャードと過ごした時間は全て幻で海難事故に遭った際に既に死亡した事を最後に知らされるのはちょっと肩透かしを食らった気分だった。
まぁそれでも実話って事だけでやはり見応えが最低限あるのも事実。なによりタミーが助かり今も幸せに海上の生活を送ってる事を最後に知ることができ温かい気持ちになった。
力作であるのは、認めます
漂流、サバイバルものである。
これは実話をベースにしており、なかなか丁寧に描いていて、それなりの感動はあるが、映画として面白いか、というと…。ごめんねっていう感じだ。
オスカーにも輝いた「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」(2013年1月公開)のほうが遥かに面白かったな。同じ漂流物でも。
ヨットとかに関心ある人なら、見ておいたほうがいいけど、そうでなければ劇場まで行ってみるほどのものじゃないな。
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