「いや、お前が燃えるんかーい」ヘレディタリー 継承 jirouさんの映画レビュー(感想・評価)
いや、お前が燃えるんかーい
後半20分は不気味さとファニーさが同居していてすごく良かった。ゴキブリみたいに壁に張り付くアニーを見つけて「うしろうしろ!」となったり、いきなり現れる裸の人に「誰⁉︎」となり、それが3人揃って現れて「誰と誰と誰⁉︎」と混乱につぐ混乱だった。それが良かった。
とはいえ、最後にジョーンが全部ネタ明かししてくれたので「あ、そういう話だったのね」と納得。悪魔を継承しようとするカルト教団に狙われた可哀想な家族っていう話だったわけですが、たぶんテーマ的には『血の繋がりによる負の継承』なのかなぁと思いました。病気とか能力とか思想とか、あらゆるものが遺伝し、継承されていく負の連鎖を『悪魔』になぞらえてるのかなぁって。それに我々は抗うことは出来ませんよーという諦めが本作のメッセージ。ラストにおける謎の祝福感は、あなたが上手くいかないのは負の継承のせいだからですと言われて、逆に安心してしまう我々の気持ちを表現しているのかもしれません。
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